東京感動線プロジェクト!

戦後からの日本の高度成長を支えてきたのは、大量生産・大量消費の物流経済であった。それを実現できたのも、東京に、情報とモノと人を集積し、効率的なモノの流通と消費を生み出し、大きな経済循環をつくる構造を国あげて構築したからといえる。しかしこの構造そのものが今は破綻してきている。その大きな要因は、あまりにも経済論理が地域の暮らしと乖離しすぎてきたことにあると私は考えている。今のコロナ禍は、この構造の矛盾を、見える化させただけなのかもしれない。

ちょうど、そのタイミングで、JR 東日本がユニークなプロジェクトを進められていた。「東京感動線プロジェクト」。

これは、山手線の30の各駅の個性化を図ろうという試み。今まで、東京駅、品川駅、渋谷駅、新宿駅、池袋駅、上野駅といった周辺も含めた大きな商業的都市再開発を行う駅に注目されてきたが、駅とまちの暮らしを結びつけ、東京のちょっと未来の暮らしに対する提案を行いながら、駅の個性を表出しようというものである。

取り組みのアプローチは多様に展開されている。この多様な取り組みが、少しづつ紡ぎあうことで、ひとつの仕組みとなっていったとき、今までは異なる価値の経済構造が生まれることを想像できる。いままでの大きな物の流通のみで成立させてきた経済循環とは別に、まちの暮らしに立脚した経済循環を生み出す可能性を、東京感動線プロジェクトから感じる。

まちの暮らしに立脚したコトとモノがつながる経済循環。このつながる循環がカタチづくられ、既存の大きな流通経済と対立ではなく共存させることで、コロナ後の社会を持続的かつウェルビーイングな社会を生みだすと確認している。

当初は大きな経済基盤のうえで、東京の街の魅力を見せる+αの意味合いでなかったのかなと思う。しかしコロナ禍で大きな経済基盤が危うくなってきた。コロナ後の社会を転換させ、新しい可能性と価値を創出しなければならない。この転換期における、このプロジェクトの意味と意義は大きい。これからのコロナ後の社会基盤となる可能性を引き出すプロジェクトとして注目していきたい。



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