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#01MOVE(移動)→TRANSPORT(交通)by Bicycle!

plat Fukuoka cyclingは福岡がbicycle friendlyな都市(まち)となるための様々な提案を行っていきます。

bicycle friendlyというと「自転車にやさしい都市」となると思いますが、私は「自転車がやさしい都市」になってほしいと考えています。それは歩行者に対しても、バイクやバス、自家用車…つまりは都市に対して自転車がやさしくできる都市でありたいと思うのです。

plat Fukuoka cyclingの目次は下記よりリンクしていますので、ご覧ください。(随時更新)

0. plat Fukuoka cyclingの描く未来
1. Copenhagenize index
2. Plat fukuoka cycling guide
3. Fecebook ページ
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plat Fukuoka cyclingの描く未来をもう少し具体的にしていこうと思います。
そのための福岡がbicycle friendlyな都市になるために必要な最もベストな考え方について展開したいと思います。

○私たちの「移動」の今について
 私たちはどこかへ出かける際に、様々な方法で「移動」をします。
 この「移動」というのは点から点へ動くことですが、その方法はいろいろです。しかし、移動のみで成立する都市はどのような都市か想像したことがあるでしょうか?
 簡単に例えると「どこでもドア」がある都市です。「ドア」の前に自分行きたいところを言いドアノブを押すとそこが目的の場所です。現代ではドアノブではなく「クリック」で場所に行かなくても欲しいものが買えるようになりましたね。一方で、人々は巨大なショッピングモールという場所に行き、「クリック」ではない、時間の過ごし方を選ぶようになっています(1)。

○三浦丈典著『こっそりごっそりまちをかえよう。』が教えてくれた「交通という場所」について
上記の相反する現象の根本は「交通」という概念にあると考えています。
それは三浦丈典氏の著書により、合点がいくと思います。

"(前略)交通の本質はどうやら、「移動」ではないのです。移動というのはあくまでもきっかけや目的であって、本質は別のところにあるんじゃなかろうか。交通の本質は、さまざまな人やものが交わり重なり、すれちがっていくことにある、とここで断言したいです、ぼくは(2)"
"場所と場所を結ぶのが交通なのではなくて、交通、という場所が存在していると考えるほうが、むしろ自然じゃないだろうか。言いかえると、交通という場所が都市のなかで魅力的なまだら模様を描いているかが、そのまちの魅力に深く関係している、というのがぼくの仮設です。(3)"

三浦氏の「交通という場所」という視点はただ目的に向かって高速で車が走り去るような「道路」ではなく、歩行者や自転車、公共交通がバランスがとれたゆとりある「街路」(4)という「交通という場所」をつくることで、居心地のよい都市ができるということだと考えています。(5)

○「交通という場所」づくりに自転車ができることを考える
 人の移動について考えると、徒歩圏内と公共交通の間にある自転車のできることは非常に大きいと考えています。
 すべての人の行きたい場所が徒歩圏や自分の家から公共交通機関で快適にアクセスできる、または行きたい場所が一つに集積していることは基本的にありません。福岡がコンパクトシティと呼ばれているとはいえ、商業においても天神や博多だけでなく、六本松、大橋などのその周辺にはホットスポット的なエリアが点在しています。これらのスポットを車で行くとなると、道路は混雑し、道路拡張に行政は答えなくてはならなくなります。またスポット周辺の駐車需要を満たすべく、青空駐車場が街並みに点在(6)し、細い生活道路に来街者の車が乗り入れるようなことになり、それではいいスポットの街路空間は車が通るための「道路」になってしまします。そうならないようにするには、徒歩や公共交通機関を選ばないにしても、マイカーではなく、自転車を選択してもらうことが最良の選択肢として並ぶ必要があります。自転車は交通渋滞や駐車場探しも不要で、車以上に周りがよく見えます。いつも通る道でも、見過ごしている素敵なお店も見つかるかもしれません。
 そう、福岡市の最適な移動手段は自転車であると考えています(7)。
そんな自転車をより多くの市民に乗ってもらうためにも、bicycle friendly。「自転車にやさしい都市」であり「自転車がやさしい都市」になる必要があると思うのです。

次回は、「自転車にやさしい都市」とは?について、bicycle friendlyな都市ランキングcopenhagenize indexについての紹介を行っていきます〇

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〈参考文献等〉
(1)ショッピングモールに関する論考は若林幹夫『モール化する都市と社会 巨大商業施設論』(NTT出版,2013.10)でショッピングモール誕生に関する歴史を社会、文化、都市などの視点から分析しています。読んでみると普段のショッピングが違って見えることとも思います。
(2)(3)三浦丈典著『こっそりごっそりまちをかえよう。』(彰国社、2012.7)27-29頁より抜粋しております。
(4)現在の道路法の政令として「道路構造令」があります。一方過去には「街路構造令」という市街地向けの道路の基準が存在しました。こちらに関しては社団法人 日本交通計画協会発行の『都市と交通』にて「街路構造令40年の展開」として連載されております。福岡市でも昭和通りがこの基準で作られていたようです。http://www.jtpa.or.jp/contents/hp.html
(5)脱マイカーのまちづくりの必要性については、広井良典著『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社,2019.9)においても、重要な要素として、取り上げられています。
(6)衰退した中心市街地に点在するように発生したコインパーキングの転換した事例として佐賀市「わいわい!!コンテナ」(ワークヴィジョンズ(西村 浩・田村 柚香理))があります。車で来る需要で増えたコインパーキングがしだいに中心市街地の魅力をそいでいき、最後に誰も来なくなる中心市街地が多い。車でなく、歩いて楽しめる都市になるヒントと思います。馬場正尊+OpenA『RePUBLIC公共空間のリノベーション』(学芸出版社、2013.9)
(7)福岡の書店ブックスキューブリック店主大井実は福岡市内の移動に関して、自身のイタリア滞在の体験と合わせて、市内の移動における自転車の楽しさ、発見を著書である『ローカルブックストアであるー福岡ブックスキューブリック』(晶文社、2017.1)170-172頁にて書かれています。赤坂・天神から箱崎までのベストのサイクリングルートをご存じとのことなので、ぜひうかがってみたいところです。

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