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さて立秋を過ぎまして - 81年ハンプトン

立秋を過ぎたら、風が変わりますな。と言ったら、「そうですかね」。
だから君たち駄目なんだよ。変わらず暑いが、これは気温じゃない。感性の問題で、昔の人はよく立秋なんてものを設けたものだ。
※「そうですかね」女史は昔の同僚。契約書に「××を前提する」と書いたら、「前提とする」って添削しやがった。前に堤を置くんだから「前提する」でいいんだよ。日本語を知らない、この低脳。

てなわけで、立秋を過ぎたらいきなりツクツクボーシが鳴いてます。

未だ暑いが12月のストーンズ。81年、ハンプトンでのライヴより。
◆オープニングはUnder My Thumb

https://youtu.be/ClW4Kir7zhE

69年のハイドパーク、70年のアメリカンツアー、72年のブリュッセル、75年のLA・・・
ストーンズには約60年のキャリア(!)のなかでマイルストーンとなる名ライヴがあって、81年のハンプトンコロシアムもその1つ。

オフィシャル / ブートレッグを問わず全部持ってるが、とりわけハンプトンのそれは音がキラキラ煌めいている。冬公演にも関わらず。
動画・映像はイメージを固定するからアレだけど、目を瞑って音だけ聴くと、このライヴの特徴はそれだと言える。

◆Time is on my side

https://youtu.be/XEsQIzHGxzk

アルバム『サム・ガールズ』(女たち)が出たのは78年。同年のダラスにおけるライヴも秀逸で、サムガールズの収録曲をたくさんやってはいる。が、演奏はむしろハンプトンの方にあの軽快なテイストが表れているのではないか。

最も特徴的なのは、Just My Imagination。
2分18秒あたりから始まるキースのソロ。このフレーズ・音の選び方は素晴らしく、彼が単なる〝Keef Riff Hard〝じゃないことを示している。
アーニー・ワッツのサックスがそこへ加わって、

ぼくは毎日、彼女が歩き過ぎるのを窓から眺めている
自分に言い聞かせるんだ、
「おまえは何てラッキーなやつなんだ
彼女みたいな女の子と付き合うなんて
この世の全ての人間のなかで、彼女の彼氏はおまえだけなんだぜ」
って

でもそれはぼくの空想だったんだ
そんな空想が、流れ去る
空想だけだったんだ
彼女とともに、そんな空想が歩き去っていく

という切ない歌詞を、希望溢れるものにしている。

https://youtu.be/eF4vxurUX1I

76年の、ドロっとしたアバトワ(パリ郊外)。さらに軽快なサムガールズを経た81年のハンプトンは、ストーンズの1つの到達点だと思う。

立秋過ぎたら、もうすぐクリスマス。


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