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2019年を振り返る

2019年の手帳の最初には、昨年末の紅白を観ながら書いたメモが残っている。

今はこんなに悲しくて涙もかれ果てて
もう二度と笑顔にはなれそうにもないけど
そんな時代もあったねといつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねときっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで今日の風に吹かれましょう

2019年を振り返ってみれば激動で、2018年の年末にはその予感だけが満ちた閉塞感のなかにいた。そんな時に『時代』に胸を打たれて書き留めたのだった。

2019年の大きな出来事は実家がとにかく大変でいくつもの随分大きな存在と離れたこと。恋愛周りも息苦しい時間が長くて現在進行中でもある。30という、どこかで恐れていたシンボリックな年齢に足を踏み入れ、私はこれでいいのか?と、ありがちながらも心は沈み、たくさん揺れた。

一方で、学生時代からずっと憧れていた「書く」ことに真剣に取り組んで、初めてお金にすることができたのも今年だった。
インタビュー記事などの仕事をいただいてWEBに掲載されたのはとても嬉しかったし、エッセイを『かがみよかがみ』や『telling,』に掲載してもらったことで、自分の手元で文章を書いていただけでは得られなかった反響をもらうこともできた。時間はかかったけれど、願いを叶えることもできるのだと自分の人生に小さな自信のようなものを手に入れられた気もした。

その分、ただ好きで書いていたのとは違う責任も感じ、素直に自分の書きたいものとたくさんの人に読まれるもの、読みたいと思ってもらえるものとのバランスをどうとればいいのかという今までに感じたことのなかった種類の悩みも生まれた。
今後「書く」ことをどのように展開させていくかは自分でも悩みどころなのだけれど、声をかけてもらったものには全力で応えたいし、文章を書き磨くことそのものは何にせよ続けていきたい。

そして2019年の印象的なことは、居場所がひとつ増えたと思えたことだと思う。年齢も性別も過ごしている環境もそれぞれだけれど「心の深さが似ている」と感じられる人たちに出会うことができて、人を頼るのが苦手だった私が、自分の一番弱いところをさらけ出して、たくさん人を頼ることができた。

傷ついて、悩んで、もやもやの中にいなかったらそんな居場所までたどり着かなかったかもしれないと思うと、苦しんだことも悪くないのかな、とも思える。

今年は転職や結婚や出産というこの年代によくありそうなステータスの変化は何一つなかったし、外から見ればほとんど変化などしていないのだろう。けれど、自分の心の中はたくさん傷ついて癒されて揺れて動いて大きく変化した一年だったと思う。

昨年末にメモしたものは他にもあった。いい歌詞だと思う。

人生捨てたもんじゃないよね
あっと驚く奇跡が起きる
あなたとどこかで愛し合える予感

2019年、大変だったけれど不幸ではなかった。

支えてくれた皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。

2020年もよろしくお願いします。

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