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●展覧会・美術館 案内●

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行ってみて良かった美術館・博物館・アートイベントを紹介した記事をまとめます。どうぞ、週末のお出かけのご参考に。
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2020年2月の記事一覧

技術 で 情緒 は変わるのか? ー計算機と自然、計算機の自然 @科学未来館

※ 2020年2月28日(金)から3月17日(火)まで臨時休館となりました。  技術をわかりやすく・楽しく伝える「科学館の展示」として面白いだけでなく、将来、”伝える” ”受け取る” 技術が進歩していったら、アートをみた時の私たちの感じ方はどう変わっていくんだろう?ということまで考える展示でした。 「計算機と自然、計算機の自然」@科学未来館  メディアアーティスト・落合陽一さん総合監修で、2019年にオープンした新しい常設展示です。 1 身近にありつつ、知らない技術の

ディスプレイの中でだけ生きる、5億年後の生き物。 ー河口洋一郎 「生命のインテリジェンス」 @ギンザ・グラフィック・ギャラリー

 コンピュータグラフィックによるアートの世界的先駆者、河口洋一郎さん。その1970年代の作品から最新作までを堪能できる展覧会がギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されています。 河口洋一郎 「生命のインテリジェンス」 @ギンザ・グラフィック・ギャラリー  メディアアート関係の書籍を読むと必ず名前が挙げられているものの、私はまとまって作品を見る機会になかなか巡り会えず、なかなか捉え難かったのですが… 今回、ギャラリーの展示ながら美術館での展示だったかと思えるくらい見応えが

「役に立たない」けれど「人を幸せにする」ロボット・LOVOTに会いに行く。  ー LOVOT MUSEUM。

 特技は「好きな人に甘える」ことと「お出迎え」。仕事を手伝ってくれたりと「役に立つ」わけではない、でも、とにかくかわいい。そんなロボットに会いに行ってきました。  Pepperの開発者の一人・林要さんの創業したロボット開発ベンチャーGROOVE Xが開発した家庭用ロボット「LOVOT(らぼっと)」。最近では、森美術館の「未来と芸術」展で、aiboと一緒に紹介されていたりもします。  Webで見て気になっていたところ、LOVOTを購入した知り合いに、「LOVOTとの生活が疑

「新しいお金」から、お金と信頼の意味を考える。 ー国立奥多摩美術館「国立奥多摩湖 ~もちつもたれつ奥多摩コイン~」 @gallery αM

 「国立」でもなく「奥多摩」にあるわけでもなく「美術館」でもない「国立奥多摩美術館」。 (過去に訪問した際のnoteです。)  この国立奥多摩美術館による展覧会が馬喰町のgallery αMで開催されています。やはり、ただ作品を展示する展覧会ではないようです。 「国立奥多摩湖 ~もちつもたれつ奥多摩コイン~」@gallery αM ①作家61名による膨大な"コレクション展"。 地下にあるギャラリーの階段を下っていくと徐々に木の良い香りが…  チケットセンターみたいに

目の前のイメージと、頭の中のイメージ。 ー千田泰広 「イメージからの解放」 @武蔵野市立吉祥寺美術館

 目に見える壮大なインスタレーションと、作品自体は小さいながらも頭の中に作られるさらに壮大なイメージの両面から楽しめる展覧会でした。  千田泰広 「イメージからの解放」 @武蔵野市立吉祥寺美術館  近年「世界の優れた9人のライトアーティスト」のひとりとして紹介されているというアーティスト・千田泰広さんの個展です。  2018年の種子島宇宙芸術祭で小さな小屋の中で展示されていた《Myrkviðr》という光をつかった知的で幻想的なインスタレーションが印象的で、今回、初めて個