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「もっと野菜を食べなさい」の現在・過去・未来

「もっと野菜を食べなさい」の現在

「野菜は健康によい」
おとなの日本人ならたぶんほぼ全員、知識としてはそれを知っているでしょう。
だから、わたしたちはふだんから野菜を食べようと、大なり小なり意識しています。

でもわたしたちは野菜、足りているのでしょうか?

足りているかどうか、目安があります。
厚生労働省によると、
「健康のためには毎日350グラム分の野菜を食べるとよい」
とされています。
350グラムってどのくらいの量なのかはここを見てください。

さて、わたしたちが野菜を食べている量、実際はどうかというと、300グラムが、いまの日本人の平均値。
目安350グラムに対し実際は300グラム。
つまり、わたしたちは野菜を食べてるつもりでもじつは少し足りない。
毎日の野菜を食べる量をあと50グラム増やすだけでいいんですけど、その「あと50グラム」が難しいようです。

「もっと野菜を食べなさい」の過去

「現代人には野菜が不足している」
という認識が生まれたのは、1970年代のアメリカです。

食生活の乱れが原因でアメリカ人あいだに肥満が広がり、このままではガン患者が激増するだろうという予想が、国会で発表されました(食育オタクのあいだで有名な「マクガバン・レポート」です)。
それをきっかけにアメリカ政府は本気で国民の食生活改善に取り組み始めました。

「マクガバン・レポート」の衝撃をうけ、アメリカ政府が特に力を入れたのは、

  • 栄養学の知識を国民に学ばせようとした

  • 野菜を多く食べることを国民に推奨した

この2点でした。

アメリカ政府の、この健康政策は、日本を含むいわゆる先進国の健康政策にも影響を及ぼしています。
たとえば日本の厚生労働省は「健康日本21」という健康政策を始めていますが、アメリカのを参考に策定されたものです。

1970年代のカリフォルニア州で始まったとされる、
「5 a day(ファイブ・ア・デイ)」
という食生活改善運動があります。
「毎日5皿の野菜を食べよう」という主旨の運動です。
この運動はもともと民間から始まったものですが、アメリカ政府はこれに目をつけ、全米規模の運動にするために支援しました。

その結果、「5 a day(ファイブ・ア・デイ)」は、全米どころか世界各国に飛び火しています。
日本でも「5 a day(ファイブ・ア・デイ)」運動は行われています。

「もっと野菜を食べなさい」の未来

これらの取り組みには一定の効果がありましたが、課題も残りました。

効果:

知識の啓蒙にはなりました。

「野菜は健康によい」
「現代人には野菜が不足している」
多くの現代人が、そのことを知っています。

課題:

しかし、知っているからといって「野菜をもっと食べる」という行動につながっているとは限りません。

「スポーツは体によい」と知っている現代人の多くが、運動不足なのと同じです。
頭で知っているのと、行動になっていることとは、違うのですね。

ぶっちゃけ、前述したような各国政府の努力にもっかわらず、野菜の消費量は期待ほど増えなかったようです。

対策:

今後はどうしたらよいのか?

意外に思うかもしれませんが、どうしたら人々は野菜をもっと食べるのかを真剣に研究している科学者が、じつは世界にたくさんいます。
彼らの研究により、「ある仮説」が最近、たてられています。
どのような仮説なのかは、長くなるので、べつの機会にでも。




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