趣味の数学のススメ
大人に「数学ってどんな印象?」と聞くと、「苦手だった」「覚えるのが大変」「何をやってるのかさっぱりで授業中辛かった」みたいな答えが大半です。
「堅苦しい」「真面目」「難しい」「数字や数式ばかりで味気ない」とも思われているようです。
真逆です。
数学とは?
数学は、「突飛で自由で柔軟な発想」「驚きの連続」「困難を克服する苦しみと喜びと楽しみ」と表すのがより正確だと個人的には思っています。
そしてどちらかというと、大学の数学科に進学する人は、「人生捨てたな」といわれるくらい「酔狂な人扱い」をされます。哲学科もそうですね。真面目という印象からは程遠い(数学科の人へ。褒め言葉です笑)。
数学は、確かにある水準までは楽しさを実感できないかも知れないし、水準が上がれば上がるほど次々と何かしら辛いことが出て来るでしょう。でもそれは、芸術でも文学でも運動でも同じこと。特別なことではありません。
そして、数字や数式は数学の本質ではありません。
私がよく使う例え話ですが、数字や数式は音楽でいうところの楽譜。楽譜は音そのものではありません。音を書き留め、意思疎通するために必要かつ大事な共通言語ですが、あくまで音を出すための補助手段です。楽譜ばかり覚えて音を出さなければ、それは単なる作業です。
数学は、数字や数式という道具を使って、その奥にある自然の構造の謎を発見し、解き明かし、その美しさに驚嘆、畏怖する営みです。
実利的にも、人類の文明に数多くの貢献をしており、この記事を発表するのに必要なインターネットもスマホも数学なしでは1ミリも動きません。
長い間忘れられていた理論が時期を得て再評価されることもあり、ドラマにも事欠きません。最近では、130年を経て再発見された「幾何学的代数」が、まだまだ普及していないものの、革命的にシンプルかつ強力な数学として登場しています。
つまり、今の数学は完成されているわけでも疑いなく有難く拝受するものでも何でもなく、今も動いている、そして人類が続く限り進化し続けるであろう業のようなものです。
私も、確かに数学に縁のない人よりは数学に通じていますが、世界の職業的数学者や大学院生、数学の天才や愛好家の中では最後尾に位置することも自覚しています。それでも、この地上にこの時代に百年に満たない程度の間でも一人の人間として存在している、それだけでこの素晴らしい人類の成果に関わる資格は十分にある、そう考えています。
誰もが数学すべきなどというつもりはありません。個人の向き不向きや嗜好性もあります。他に素晴らしいものもたくさんあります。ただ、学校の教科として嫌な思いをした、それだけでこの豊かで美しい数学の世界が人々から遠ざけられるのは本当に忍びない。
数学、やってみませんか?
そして、数式の奥にある「音」を聞いてみませんか?
数学を趣味とするメリット
お金がほとんどかからない
紙と鉛筆、本、参考文献。それだけあれば何時間でも遊べます。コスパ最強。
版権がないので自由
数学の応用には一部版権はあるようですが、人類共通の資産である数学理論そのものには一切版権がありません。自由に考えて書いて発表しても大丈夫。ただし当然、発表は自己責任で。
廃れることがない
数学は今も動いており、新しい理論や解釈は生まれています。だからと言って昔からの数学を勉強しても仕方ないみたいなことはなく、むしろ新しい発見があるかもしれません。
また、数学そのものがなくなる、なんてこともありません。
役に立つかもしれない
数学そのものは、役に立つ立たないでやるものではないと思いますが、仕事で統計処理を頼まれたときに統計学や線形代数に通じていたら、もしかして上司の覚えがめでたくなり給料が上がるかも知れません。
一生遊べる
膨大で広範な数学。一生飽きることなく遊べます。
楽しい
楽しくなければそもそも数学なんてやらないとは思いますが、ハマればメチャクチャ楽しいです。保証します。
相談を
とはいうものの敷居の高い数学。興味のある方は、まずご相談ください。
相談料も要りませんし、必ずやらなければ、なんて縛りもありません。
でも数学を好きになってくれたら嬉しいし、更に「正式に教えてください」なんてことになったらもっと嬉しい。逆は少し寂しい。
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