【過去問】共テR03 物理 第1問 問2(動滑車)
動滑車の本質は、「天井と力を折半、半分の力で済むが動く距離も半分なので帳尻合ってる」ということ。距離を犠牲にして力を人間の限界内に納めてなんとか仕事をする、それが滑車を使う理由ではないかと思います。
さて本題。
合計120[kg]の荷物+台+人間を動滑車でヨッコラセと持ち上げるのにいくら力が必要かという問題です。
ん?持ち上げる本人が台に載ってる!余計なことを…
暗記の得意なお友達は、本人が台に載っているから怪しいけど考え方がわからん、まあ公式的には動滑車を1コかますと力は半分になるので、$${T=60g=588[N] }$$ で答えは⑥。
→はいアウト。
考えてみよう。
確かに、もし本人が台に載ってなければ、動滑車から上に伸びる2本のワイヤーの張力を$${T}$$とすると$${2T}$$で$${120g[N]}$$、引っ張る力は$${T}$$なので$${60g[N]}$$で正解。
でも、載ってワイヤーを引っ張っているんですよ、本人さん。どうしよう?
最速解法は恐らく次の通り。
要するに、本人さんはワイヤーにつかまって少し浮いたようになるので体重が軽くなるのと同じこと。荷物と台本体の合計$${60g}$$と、少し浮いてる本人さん$${60g-T}$$が台の下向きの力、それが$${2T}$$と釣り合っているので
$$
60g + (60g -T)=2T\\
3T=120g\\
T=40g
$$
正解は⑤。
現場での解答はこれでまあ良いとは思いますが、いささか不安が残るので念のため運動方程式を立ててみましょうか。
詳しくは書くのが大変なので動画をご参照いただきたいが、人物と台の間の垂直抗力$${N}$$がゼロになる、つまり足が着くか着かないかとなるのは、自由落下(このときワイヤーの張力ゼロ)だけでなく、荷物と人物の重さがうまく均衡している時にも起こることが分かります。
物理って、うまくできているなあ、と改めて感心。
引用:https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040647.pdf&n=2021_oy_28_butsuri.pdf
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