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【MTGアリーナ】『アリーナ・オープン』にご用心


・初めに

皆さん、『アリーナ・オープン』をご存じですか?
25000ゴールドさえ用意すればだれでも参加できる、お手軽な大会です。
複雑なトーナメントを介さず一発で賞金獲得!
夢がありますよね。
しかし! ちょっと待ってください!
あなたは自分のマジックの腕に自信がありますか?
いや、無ければ多大なコストを払って大会など出ないでしょう。
しかし、実際アリーナ・オープンのコストパフォーマンスについて冷静に考えてみましたか?
賞金獲得の甘い夢に惑わされずに、一度立ち止まって冷静に考えてみましょう。
(なお、本稿ではカードコレクションは普段のプレイで十分充実しているものとしてリミテッドによるカードの獲得は報酬として考慮していません)
(また、アリーナ・オープンおよび、後程紹介する予選プレイインでは参加費となるジェムとゴールドの価値は等価となるので、運用上この二つのゲーム内通貨を区分しない前提で書かれています)

・どれだけ勝てば『得』なのか?

アリーナ・オープンには二つのゲームモードがあります。
この両者それぞれについて、どれだけ勝てば『最低限』参加費を取り返せるのか、改めて見直してみます。
まずはBO1から。
BO1は3敗するか7勝するまでゲームを行います。
なんと、BO1は4勝まで無報酬です。
4勝3敗は勝率にして約57%。
これはランクマッチでいえばミシックに到達するかしないかくらいの勝率です。
つまり、そのレベルのプレイヤーは参加をすると大変大きな痛手を負う可能性が高いことを示しています。
5勝でやっと1000ジェム、6勝でも2500ジェム、これだけ勝って参加費の半分戻ってくるかどうかという水準です。
参加費分を取り戻すには最低初日勝ち抜け、7勝2敗以上が求められます。
これは勝率にして約78%。
これはランク戦でいえば、ミシック250位以内を十分達成できるほどの勝率になります。
このレベルにまで達して、ようやくアリーナ・オープンはあなた方に微笑みかけ「アドバンテージ」の入り口を開くわけです。
他方、BO3の方はどうでしょうか。
BO3は1勝1敗、勝率50%でもとりあえず1500ジェムは返してくれます。
その点についてはBO1より若干優しさを感じます。
しかし、やはり「アドバンテージを得る」にはBO1同様、非常に高い勝率が求められます。
BO3の勝利報酬で参加費を回収するには最低3勝が必要です。
BO3は1敗でゲームオーバーなので求められる勝率は最低で75%
これでもただ参加費を取り返しただけ。
「アドバンテージ」の領域へ踏み入るにはさらに1勝。
つまり「勝率100%」が求められるわけです。
圧倒的強者優遇の世界。
賞金への簡単な近道など存在しません。
あなたはこの世界を勝ち抜く自信がありますか?

・じゃあ……どうすればいいんだよ!

あなたが圧倒的強者であるなら、ただその実力を示せばいい。
ただそれだけです。
それら強者の群れに立ち向かう「挑戦」こそがあなたの望む世界なら、ぜひ飛び込んでください。
ジェムや賞金などはあなたの輝くゲーム体験の前には些細なことです。
しかし、あなたがもし、強者になることへの関心を持ちながらも、より計画的、段階的な成長を考えているなら、私はアリーナ・オープンよりも『予選プレイイン』へゴールドを注ぐことを提案します。
『予選プレイイン』は参加費4000ジェムor20000ゴールド。
ジェムとゴールドがアリーナ・オープン同様等価で、ゴールドの使用先としてはうってつけです。
そして、0勝から参加報酬があります。
流石に0勝だと500ジェムと、雀の涙ですが、プレイインなら4勝で参加費4000ジェムを取り戻す4500ジェムの報酬が獲得できます。
これは勝率にして約67%。
これはやはりミシック順位帯を争うほどの勝率であり、決して低い水準ではありませんが、アリーナ・オープンで課されたものよりはかなり優しい難度と言えます。
そしてやはり、予選プレイインも、勝ち抜けることで大きな「アドバンテージ」を得ることが可能となるのです。

・アリーナ・オープンは参加損ってこと?

そんなことはありません。
アリーナ・オープンは、相応の実力を持つプレイヤーにとっては、手軽に大きな大会のような緊張感と高揚感を得られるイベントであり、実力を示す良い機会だと思います。
しかし、簡単に参加できるからと言って、見合わない実力で、簡単に夢をつかめるような甘い世界ではないということを私は伝えたにすぎません。
そして、今までの文脈に反するようですが、アリーナ・オープンはやはり夢を見せてくれるのです。
マジックの大きな大会に出場して、賞金の獲得を狙うには通常、遠征し、複雑な大会を勝ち抜け、お金だけではなく時間的にも物理的にも、大きなコストを要求されます。
ただゲームが強ければ賞金がもらえるわけではないのです。
しかし!
アリーナ・オープンに求められる物理的、時間的コストは現実の大会より圧倒的に少なく、そして、相応の実力さえあれば誰でも参加でき、賞金を狙うことができる、まさに「オープン」なイベントなのです!
アリーナ・オープンの参加しやすさに甘い幻想を抱いて、気安く参加することを私は推奨しません。
しかし!
相応の実力を持つプレイヤーなら、自宅に居ながらにして賞金獲得の夢を狙える、楽しいイベントになることでしょう!
ただし、大会日程はアメリカ太平洋時間を基準に行われるため、勝ち抜くと、二日目の戦いは日曜夜(22:00頃)に始まり、(勝つ前提で考えると)ドラフトの場合、最終的には少なくとも月曜の朝まで(第二ドラフトの受付開始が明け方5:00)プレイすることになり、一般的な土日が休日のサラリーマンの方の場合、余裕をもって参加するにはできれば有給が欲しいところになります。
そうしたことも相まって、アリーナ・オープンの参加は自信のあるフォーマットを吟味し、しっかりとした計画に則って挑むことが好ましいでしょう。

以上で本稿は終了となります。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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