独断ゲームレビュー#1(ロックマン2編)

本稿は私がゲームをプレイして抱いた感想を、あくまで「個人的感想」を、レビュー的形式に書き起こしたものである。
私が抱く感想と、あなたが実際にプレイしてみて感じる感想とは当然異なるため、この記事を鵜呑みにしないように。
ただ、この記事によってゲーム文化全体の振興の一助になれば幸いである。

↓ロックマン2実プレイの模様
(https://www.youtube.com/watch?v=vgAjO-dCfvs&t=1542s)


・ロックマン2 Dr.ワイリーの謎

基本スコア(個人の感想です):8,000,000
・良好な操作性:*1.3
・今でも愛され続けるサウンド:*1.1
・やや偏りのあるゲームバランス:*0.95
・融合感:*3.0
総スコア:32,604,000(個人の感想です)

1988年発売。
同年に発売されたタイトルとして、「スーパーマリオブラザーズ3」や、「ドラゴンクエスト3」、「桃太郎電鉄」などが挙げられる。
無印ロックマンシリーズの中でも絶大な人気を誇り、ファミコンソフト全体を通しても屈指の名作と言っていいほどの作品であろう。
この作品にしてすでに「ロックマン」の基本骨格はほぼ完成しており、今(2023年現在)遊んでも十分楽しさを感じられる出来栄えとなっている。
カプコン公式HPの記述によると2023年現在、総売上本数は151万本であり、これは同シリーズにおいて第2位の記録である。
以下にこの「ロックマン2」の魅力をいくつかのポイントに分けて簡単に紹介してゆく。

・シンプルかつ軽快な操作性

ロックマンの操作はいたってシンプル。
左右の移動とAボタンのジャンプ、Bボタンのショット。
これだけである。(上下ではしごの上り下り)
キーレスポンスが良く、複雑なテクニックもないため、練習を積めば誰でもロックマンを思いのまま動かすことができるようになる。
アクションに慣性がかからず、空中での制御も自在のため、操作感は非常に快適かつ軽快である。
この手馴染みの良い操作感が、ゲームへの没入感を高めている。
なお、このシンプルさゆえにロックマン自身の性能は早い段階で頭打ちとなり、あとはプレイヤーの熟練度次第となる。
つまり、敵の行動をつぶさに観察し、敵の攻撃をかわしながらこちらの攻撃は当てる、「立ち回り」を反復練習し、身につけていくことがこのゲームの基本となる。

・自由に選べる8つのステージ

本作を始め「ロックマン」シリーズは、(最終ステージを除き)ステージの攻略順は自由。
どのステージから始めてもいいし、あるステージでつまづいて飽きてしまったら、別のステージに挑戦することもできる。
また、シリーズの通例として各ステージのボスキャラクターには「弱点武器」という概念が存在する。
ロックマンはボスを撃破するたびにそのボスの特殊武器を獲得することができる。
その際「あるボスから取得できる特殊武器が別のあるボスに効果的」という作りになっており、これによってどの順番で攻略するか、プレイヤーの個性や好みが生まれ、また「苦手なボスは弱点武器で圧倒して倒せる」といった初心者救済的な要素ともなっている。
これに近い構造は比較的最近のゲームで例示すると「モンスター・ハンターシリーズ」などにも見られる。
さて、ここで一つ思い当たることはないだろうか。
そう、「好きな順番で攻略してよい」ということは「どのステージ(ボス)も初期装備で攻略できる」ということである。
前項で私が述べた言葉を覚えているだろうか。
「敵の行動をつぶさに観察し、敵の攻撃をかわしながらこちらの攻撃は当てる」この「立ち回り」を実践すれば、初期ステージの8ボスは必ず攻略できるのである。
初期装備で。
自分よりはるかに高性能なボスロボットたちを鋭い観察と的確な操作技術で完璧に立ち回り、打ち破る快感は今のゲームと比べても引けを取らない。

・努力を裏切らないゲーム性

このロックマン2、ゲームの設計には若干の難がある。
特定の武器が異常に強すぎたり、明らかに初見プレイヤーを(理不尽に)殺すために設計されたエリアがあったり、(終盤ではあるが)解法を知らなければ倒せないボスがいたりという具合である。
しかし、それらのやや理不尽な要素を踏まえてもこのゲームのやりごたえが損なわれることにはならない。
なぜなら、本作のそれらの理不尽は「ランダム性がない」からである。
根気よく研究し、練習すれば必ず突破できるようになるからである。(プレイヤー側が強すぎる部分に関しては気に入らなければ自主的に縛ればよい)
そう、このゲームには「プレイヤーの努力を裏切る要素」が無いのだ。
雑魚キャラの配置からステージギミックまで、ゲームの始まりから終わりまで通して、理不尽なランダム要素は基本的に存在しない。
そしてそれらのステージは「シンプル操作で低性能なロックマン」が攻略できるように作られている。
つまり、「研究」と「練習」で誰でもこのゲームは攻略できるようになるのである。
この「努力を裏切らないゲーム性」は私好みで非常に好感が持てる。

・手軽かつ高度な融合体験

ここまでの話をまとめると「ロックマン2」の魅力のその多くは「ロックマンを自由自在に操り、攻略不能と思えたステージを乗り越えてゆく達成感」に集約されていることになるだろう。
この構造自体は珍しいものではなく、優れたゲーム設計の作品の多くが備えているものだと私は考えるが、本作において特筆すべき点はやはり操作の圧倒的シンプルさと軽快さである。
ゲームが複雑さを増した昨今、これほど簡単な操作で自機の性能を100%引き出すことができるアクションゲームは稀である。
それでいて本作は十分な戦闘の駆け引きを味わうことができる。
難しい訓練は必要ない。
誰でも「ロックマン」になれるのだ。
この融合体験の手軽さでありながら、達成感や一体感の深さは決して安っぽくない。
本来なら現代の大容量ゲームに対してハンディキャップであるはずの容量の小ささも、さっと始めてすぐやめられる「コンパクトなプレイ感」として肯定的に見ることすらできる。
非常に「コスト及びタイムパフォーマンスの高いゲーム」と言えるだろう。
現行のゲーム機でプレイしたい場合はファミコン版ロックマン6作品がセットになった「ロックマン クラシックス コレクション」というソフトを「マイニンテンドーストア」「PlayStation Store」「Xbox Games Store」「STEAM」で約2500~3000円程度で購入、プレイすることができるので、ご興味があればぜひ自分の手で遊んでみてほしい。
1本500円程と考えれば高い買い物ということもないだろう。

・最後に

まだまだ語りつくせないところではあるが、ひとまずここで「ロックマン2 Dr.ワイリーの謎」のレビューを終了しようと思う。
ここまで触れそこなっていたが、長年にわたって愛されている8Bitサウンドもプレイする際はぜひ堪能してほしい。
ゲームとの融合感が深くなるはずだ。
ロックバスターのヒット音も心地よく、連打したくなること請け合いである。
この記事が読者諸君の新たなゲーム世界への入り口になれば幸いである。
以上で本稿を終了する。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

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