独断ゲームレビュー#2(マリオ3編)

本稿は私がゲームをプレイして抱いた感想を、あくまで「個人的感想」を、レビュー的形式に書き起こしたものである。
私が抱く感想と、あなたが実際にプレイしてみて感じる感想とは当然異なるため、この記事を鵜呑みにしないように。
ただ、この記事によってゲーム文化全体の振興の一助になれば幸いである。

↓マリオ3実プレイの模様
(https://www.youtube.com/watch?v=Knm6MqiRusM)


・スーパーマリオブラザーズ3

基本スコア(個人の感想です):10,000,000
・現代でも通用する高度なシステム設計とゲームバランス:*1.5
・個性豊かなワールドのフレーバーを生かしたステージ設計:*1.2
・セーブ(或いはパスワード)がない:*0.9
・融合感:*2.3
総スコア:37,260,000(個人の感想です)

1988年発売。
同年に発売されたタイトルとして、「ドラゴンクエスト3」や、「カイの冒険」、「忍者龍剣伝」などが挙げられる。
ファミコンマリオの集大成にして、現在の2Dアクションとしてのマリオの基礎を完成させた作品。
総合的な完成度から言って、ファミリーコンピュータで発売されたすべてのソフトの中でも最高傑作と言ってもいいほどの作品であろう。
公式ホームページに記述が見つけられなかったためWikipediaの情報になるが、売上本数は国内で約384万本、世界累計で約1728万本にも上ったという。
以下にこの「スーパーマリオブラザーズ3」の魅力をいくつかのポイントに分けて簡単に紹介してゆく。

・完成されたゲーム設計と難易度調整

本作のポイントは何と言っても絶妙なゲームバランスである。
本作では「ワールドマップ」がシリーズで初採用されており、バラエティ豊かな8つのワールドをマリオ(2Pはルイージ)となって旅することになる。
各ワールドには「草原」「砂漠」「海」などといったコンセプトが設定されており、それに基づいた様々なステージギミックがプレイヤーを待ち構えている。
この各ワールドの難易度調整が絶妙。
多少アクションに覚えのある人ならワールド1では残機やアイテムがどんどん溜まり、「このペースなら楽勝では?」と、思わせてくれるのだが、ワールド2、3と進むにつれて次第にアイテムの拠出が増えてゆき、増える一方だったはずの残機が徐々に減少し始める。
こうなってくると、有限のアイテムをいかに効果的に使うか、特にマップの中継地点である「砦」の攻略見通しが立つかどうかなど、戦略的なゲーム性も顔をのぞかせてくる。
また、徐々に難度を増してゆくステージも各ワールドの特色を色濃く反映したステージギミックにより異なる味付けがなされており、単なる難関の羅列ではなく、ワールドを突破した際の達成感と新ワールドへの期待感を感じさせる飽きにくい工夫がなされている。
操作感は不快さを極力排除しながらも、マリオの体重が手に伝わるような微妙な「ままならなさ」を残しており、この手触りは現在でもほとんど形を変えずに受け継がれている。
この微かに思い通りにならない操作感が、繊細な操作技術を要するステージで、プレイヤーの腕前の差となって顕著に表れてくる。
Wikipedia情報によればこのマリオ3のデータ容量は「384KB」とのこと。(公式サイトの「スーパーマリオブラザーズ3 取扱説明書」には「3メガ」とだけ記述されているが、これは恐らく「3メガビット」なのだと思われる)
これは当時としてはかなりの大容量であり、ソフトの大容量化によるゲームの進化を当時のユーザーに見せつけた。
他方、現代から振り返って逆の視点からマリオ3を見てみると、マリオ3は現代のスマホで撮った写真1枚分にもならないデータ量でこれだけの世界が表現できることを証明しており、データ容量の大きさが必ずしもゲームの面白さとイコールではないことを我々に示している。

・完璧なゲーム、唯一の「弱点」

さて、ここまで褒めちぎったマリオ3だが、唯一にして最大の弱点がある。
それは「セーブがない」ことである。
当時としてはかなりのボリュームを誇ったこのゲームは、2023年現在の基準で言ってもワンプレイでクリアまで遊びきるというのは経験者や、よほどのアクション巧者でなければ難しい。
にもかかわらずこのゲームには「セーブがない」のだ。
一応、隠し要素としてワールドをスキップすることができるアイテムが存在するのだが、残念ながら、そんなアイテムを用意するよりは、パスワードでもいいから素直に途中から再開できる機能が欲しかった。
が!
しかし!
後にリメイク版が収録された「スーパーマリオコレクション」においてセーブ機能を実装!
唯一最大の弱点を克服した。
こちらは「Nintendo Switch Online」でプレイできるためSwitchをお持ちの方はぜひ自分の手でプレイしてみることをお勧めする。
本稿の評価はあくまでファミコン版のものとする。

・融合感について

先の項目で述べた通り、マリオの操作感には若干の「ままならなさ」が与えらえれている。
マリオの体重を感じさせる動きは、完成されたゲームバランスの一部でもあるし、ゲーム内のキャラクターに「実在感」を与える見事な塩梅なのだが、このわずかな不自由さがマリオとの融合感を引き下げている。
とはいえこれは私自身がこのゲームに習熟していないためである可能性があり、もっとマリオ3をやりこめば高い融合感を得られるのかもしれない。
とはいえ、本稿としては自分でコントローラーを実際に手に取った分だけの感触で記事を書かざるを得ない。
実際にはもっと高得点なゲームである可能性が多分に残されている。

・最後に

まだまだ語りつくせないが、以上でひとまず「スーパーマリオブラザーズ3」のレビューを終了する。
マリオ3はファミコン、ひいては家庭用ゲームソフトの進化の過程を語る上で無視することのできない一本である。
もし、本稿を読んで少しでも興味を抱いた読者諸君はぜひ、リメイク版でよいのでこのゲームを入手してプレイしてみてほしい。
以上で本稿を終了する。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

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