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【MTGアリーナ】レア無し赤単『ニュー・ランク上げ太郎』デッキガイド(ダイヤ帯到達クラス)

本稿は2023/7/13日配信『無課金を救いてぇ……!2』
https://www.youtube.com/live/1Qjx5YJP87Y?feature=share
視聴者向け記事である。
見ていないからと言って読んではいけないことは別にない。
本稿では上記配信内で私が使用したデッキ『ニュー・ランク上げ太郎』に関する解説を行う。

"本稿はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."


・『ニュー・ランク上げ太郎』とは

スタンダードBO1でランクマッチを潜るために作成された赤単色のデッキ。
コンセプトは『レア・神話レア不使用』。
主に無課金者や、ゲームを始めたばかりでカード資産が少ないプレイヤーに向けて作成された。
ミシックに到達可能な水準を目標として作成された。
プラチナ帯から使用し続け、本稿執筆時点で勝率64%、ダイヤティアー3に到達しており、現状のリストで「ミシックに到達可能なリスト」を提供することに成功していると思われる。
(追記:その後さらにランク戦を回したところ、56%と急激に勝率が低下したため、ミシックへの到達には幾分かのデッキの調整が必要と思われる)
デッキのインポートは当該配信のアーカイブのコメント欄に案内を記してあるためそちらを参照されたい。

・デッキリスト

デッキ
4 熊野と渇苛斬の対峙 (NEO) 152
21 山 (NEO) 289
4 フェニックスの雛 (DMU) 140
4 火遊び (MID) 154
4 僧院の速槍 (BRO) 144
4 猛火の最高潮 (ONE) 123
4 呪文槍のケンラ (MOM) 151
4 稲妻の一撃 (DMU) 137
1 焼炉の手綱 (MOM) 141
3 巨大焦がし大口 (BRO) 136
4 ラルの援軍 (MOM) 158
2 焼熱の太陽の激情 (MOM) 133
1 流動石の注入 (DMU) 124

〇保有カード0前提における使用ワイルドカード数
アンコモン:24枚
コモン:15枚

〇デッキタイプ
『アグロ』:敵の態勢が整う前に攻撃を仕掛けそのまま倒し切る

・各カード採用理由

・山(21枚)

このデッキはかなり極端なアグロデッキであり、また、単色であるため土地の枚数は少なくて良い。(私的デッキ土地枚数基準 22枚以下:軽いデッキ 24枚前後:標準的なデッキ 26枚以上:重いデッキ)
2マナでもデッキの大半の呪文が唱えられるため、20枚以下にしたくなる方もおられると思う。
だが、私はマナスクリュー(土地が引けない事故)が大変嫌いなため、またデッキ内に後述するフラッド(土地を引きすぎる事故)を受けるカードもある程度採用しているため個人的なこの手のデッキの基準である20枚から1枚足して21枚の山を採用している。
厳密な計算などは行っていない。
勘である。

・熊野と渇苛斬の対峙(4枚)

単独で高性能な1ターン目からしっかり攻められるパーマネントがこれしかなかった。
果敢を誘発したり、《フェニックスの雛》にカウンターが乗ると強かったり、他のカードとも結構シナジーしている。
基本的に1ターン目に最も撃ちたい呪文。

・フェニックスの雛(4枚)

1ターン目から攻めることができ、バットリ(クリーチャー強化呪文)を本体火力として使うこのデッキには飛行は貴重な能力である。
蘇生能力もしばしば使う機会がありあながちただのお飾りでもない。
単独のカードパワーに不満があり私自身初めは懐疑的だったが、他のカードとの組み合わせで光る場面が多く、また単独でも飛行が状況を打開することがままあったため4枚採用の座を勝ち取った。

・ 僧院の速槍(4枚)

このデッキにおいて1マナの最強のクリーチャーであり、縛りがなくとも4枚採用するカード。
このカードがなければ1ターン目の攻め手が貧弱になり、恐らくこのデッキは成立しなかっただろう。
以上12枚が「1ターン目のパーマネント」である。
これらのうち最低1枚でも初手になければ基本的にはマリガンすべきである。

・火遊び(4枚)

ややカードパワーに不満があるが、圧倒的な実績と汎用性のある呪文なので4枚採用。
敵本体に撃つか、クリーチャー除去に使うかの見極めが重要。
『緑白エンチャント』のような序盤から危険なクリーチャーを連打してくるデッキ相手には除去として使い、『版図ランプ』のような火遊びで除去できる対象がおらず、時間を与えてはいけない相手に対しては、果敢なども絡めて素早く本体を攻めるために使う。
また、どうしても山を引きたくない場面などに占術をするために相手本体に撃つ場面もある。

・流動石の注入(1枚)

かなり怪しいカードではあるが5枚目の《火遊び》として採用。(『インスタント』であり『本体にもダメージを与えられる』点を重視)
《僧院の速僧》や《呪文槍のケンラ》の果敢組はタフネス2だが、唱えた時点で果敢が誘発してタフネスが1増えるので、死なずにパワー増強の恩恵を得ることができる。
これでも《スレイベンの守護者、サリア》や《運命に導かれし者、ケイリクス》などそうそうたるクリーチャーを葬ってきた。
単体のカードパワーに疑問のあるカードでもあるのでアレンジするときに手を入れやすいスロットと言えるかもしれない。
以上が1マナ圏の呪文になる。

・ 呪文槍のケンラ(4枚)

このデッキのエースアタッカー。
この縛りにおいて紛れもなく2マナ圏最強のクリーチャーである。
速攻がなく、また優先的に除去されるクリーチャーであるため、盤面に定着できないことも多いが、単体での性能の高さに加えて、デッキ内のほとんどの呪文と相性が良いため、定着できればきわめて強力。
特に変身まで達成したときの攻撃力は尋常ではなく、一気に10点以上の打点をたたき出すことも珍しくない。
ただし、変身は能力起動に合わせて除去されると非常に不利になるため注意が必要。
召喚即変身の流れで5マナ相当のクリーチャーとして扱うこともでき、このデッキにおけるフラッド受けのカードとしての役割も担っている。
単体除去が少ない環境なら、レア有りの構築でも魅力的な一枚なのではないかと思う。

・ラルの援軍(4枚)

2マナ域のクリーチャー枠その2。
正直言って、単体でのカードパワーは低いと言わざるを得ない。
しかしこの呪文は果敢を誘発し、フェニックスを蘇生させ、単体除去に強く、敵のブロッカーから溢れた一体に強化呪文をかけてダメージを押し通す、見た目のカードパワーの低さに反して、このデッキに要求される性能を満たす一枚となっている。
当然、強いカードなどと言い張る気はないが、下手なクリーチャーを採用するよりはこちらの方がこのデッキにおいては活躍の場が多いと思われる。
レアを解禁するなら2マナにはもっと強力なクリーチャーが沢山いるので入れ替えるといいだろう。

・猛火の最高潮(4枚)

このデッキを最も特徴づけるカード。
攻めながら、アドを取り、マナフラを受ける。
これを一枚でできるカードはレアを抜きにしたらこれしかない。
このカードをいかに強く使えるかでこのデッキの強さが変わると言える一枚。
当然、相手の顔面に最高効率で叩き込めるのが理想だが、《僧院の速僧》を《黙示録、シェオルドレッド》と相打ちにさせたり、元々のバットリとしての使い方をする場面もある。

・稲妻の一撃(4枚)

信頼と実績の火力呪文。
「1枚で3点以上のダメージが与えられるか」がこのデッキにおけるカード評価の基準。
その観点から言ってあまり強くないカードも採用されているが、レアなしなので贅沢は言えない。
各採用理由はここまで語ってきた通りである。

・焼熱の太陽の激情(2枚)

かなり怪しげな呪文であるが、クリーンヒットすれば2マナ4点火力と悪くない数値が出る。
また、速攻付与も相まって(想定外な怪しいカードゆえに)相手のリーサル計算を狂わせ、不意打ちで勝利することがしばしば。
しかし、レアを使って良いなら素直にもっと安定してバリューの出せるカードに入れ替えたほうが良いだろう。

・巨大焦がし大口(3枚)

相手のライフ回復に対する対策カード。
本体も4/3トランプルと攻撃力は悪くない。
ただ、このデッキにおいて3マナの呪文は相当重く、戦力としては間に合わないこともままあり、効果も戦場に一体いれば十分なものであるため3枚の採用とした。

・焼炉の手綱(1枚)

トドメの一枚。
相手のリーサル計算を狂わせる。
トドメ以外で使うと大体負けてるので2枚以上引きたくないため一枚の採用。
アトラクサを出して勝った気になっている相手にくらわせてやろう。

・ザックリプレイメモ

・マリガン基準は最初の1,2ターン目にちゃんとクリーチャーを出せるかどうかが最も重要。(《熊野と渇苛斬の対峙》はクリーチャーと考えて良い)
最大火力を出せればダブルマリガンくらいまでは十分取り戻せる。
先攻、1ターン目熊野、2ターン目ケンラと押し付ける動きが通るならそれが一番強い。

・火力や特にバットリはどうしても排除しなければならないもの以外はできるだけ相手本体に叩き込んだ方が良い。(温存する事例としては例えば相手1ターン目に平地から《有望な信徒》を召喚してきたら2ターン目に《スレイベンの守護者、サリア》が出てくるのを警戒して《火遊び》を温存する等)
息切れして形成が逆転されても相手の残りライフが2,3点なら火力呪文を1枚引くだけで勝つことができる。
除去か本体かのバランス感覚は練習すればある程度勘所が分かるようになる。

・バットリは通るときに通す。
クリーチャー強化は合わせて除去呪文を撃たれると非常に不利になる。
相手が「フルタップしている」「ブロッカーもいない」とにかく「今なら確実に通る」時はできるだけクリーチャー強化呪文をダメージに変換しておきたい。
同様にケンラの変身も通せるときに通した方が良い。
変身したケンラは一瞬にしてゲームを変えるほどの力を持つが、合わせて除去を撃たれると、そのまま負けかねない損害となる。
ケンラの変身は早ければ早いほど強い。
基本的には見たら即除去されるが、通せるときは通していこう。(対戦相手やターン数にもよるが)

・攻撃することで相手のライフを射程圏内に収められるなら、多少の損害が出ても攻撃した方が良い。
損害無視で突撃するかどうかも練習するとある程度勘所が分かるようになる。

・あきらめは悪い方が良い。
どんなに劣勢でも相手の残りライフが3点以下なら一枚のカードでとどめを刺し切れる射程圏内である。
また、シェオルドレッドなどで多少回復されても、ケンラの変身が達成されれば1ターンで10点以上のダメージを出して一瞬で逆転することも珍しくない。
また《焼炉の手綱》のような相手の計算を大きく狂わせるカードも入っている。
相手に油断があれば逆転の目がある。
「負けた」と思ったらもう一回だけ「本当にこのターンで負け確なのか」を考え直してみてほしい。
対戦相手の『グッドゲーム』には耳を貸してはならない。

・最後に

以上でレア無し赤単『ニュー・ランク上げ太郎』のデッキ解説を終える。
このデッキは『現状のリストでミシックに到達可能なリスト』を目指して作成された。
そして狙い通りプラチナ帯を余裕で突破し、ダイヤ3まで到達した時点で本稿を執筆し始めた。
しかしミシックに到達可能なことを実証するために、執筆中もランク戦を継続していたところ、急激に失速し、いまだにダイヤ3にとどまっているのが現状である。
このリスト自体は熟考せずにこれまでの経験則で組み上げたものであるため、より適切なリストに改良を加えることで改善する可能性が大いにある。(言うまでもなく『レア不使用』のテーマを崩さず、である。レアを潤沢に使えばミシックに到達できることは既に分かっている。もちろん読者諸君に対して『レア不使用』を強要するものではない)
クリーチャーをいじると抜本的なリスト変更が必要になる。
今回はひとまず、それ以外の呪文で入れ替えの候補をいくつか挙げておく。

・流動石の注入
単体のカードパワーが低くダメージに変換する点でも勝手が悪い。
・焼熱の太陽の激情
最大威力を発揮できるタイミングが狭すぎて安定性に欠ける。
・焼炉の手綱
このところランプのようなデッキにあまり当たらず、兵士のような横並びのデッキと当たることが多く十分な威力を発揮できていない。
・山
ドローする確率は35%程度のはずなのだがなぜかこのところ3,4ターン連続で山などというケースによく当たる。
そこに関しては多分運の問題だと思うのだが……20枚にしたとたんマナスクリューしまくる気がして触っていないが試す価値はあるかもしれない。

以上。
私もこの記事のアップロードまでは『現状のリストでミシック』にこだわっていたが、ある程度の数をこなして「恐らく運の問題ではない」と感じるに至ったので、若干の改良を試みてみたいと思う。(このデッキはまだ改良で化ける余地があるはずだ)
前回の記事でも言った通り私は誰かにマジックを教えるほどうまくはない。
他人の考えを知ることで互いに何か新たな知見が得られればと思い本稿を執筆している。
特に初心者の方にとって何かのヒントになれば本稿の本懐も果たされようというものである。
以上で本稿は終了。


ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました!

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