見出し画像

もう何年も前から
バスルームでの読書が大好きになっていた
バスタブに浸かり、本のページを眺める。
この場所で読む文章は、他で読むそれとは明らかに違う。そして、読みながら様々なことが浮かんでくる。キチンと本の内容を理解しながらも、マルチタスクで別の、とても面白いことが浮かんで来たりする。
もしも、完全にウオータープルーフのラップトップでも持ち込めば、書き残せな書いでいるものがかけるような気さえしていくるのだ。
そう、ヘビーデューティな、米軍使用のPCなんて良いかもしれない。
だから、大好きな #片岡義男 さんの作品も随分持ち込んだし、中には、暫しうとうとし、水没したものさえある。
けれど、その楽しみも、ここしばらくは出来なかった。近眼は無いのだけれど、急激に悪化した、老眼と乱視のせいで、風呂場では活字を追うことができなくなっていた。風呂場は、他の部屋に比べると少しだけ暗い、この暗さで、視力の悪さがより強くでて、もはやなにが書いてあるのわからなくなっていた。
メガネも考えだけれど、きっと曇ってしまって、使い物にはならないだろうし
だから、半年くらい、パスタイムの読書は出来ないでいた。
昨日、試しにメガネを持ち込んでみた。
バスタブに湯をはり、シャワーで軽く身体を洗った後、バスタブに浸かる。メガネを掛けて、本を開く。
メガネのレンズ越しの活字は、充分に読み取ることができる。
不思議なことに、曇りもない
バスルームには湯気が満ちているのに、不思議とレンズに曇りはなかった。
読み始めたのは
#バラッド30曲で1冊
昨日から、空いた時間に読んでいるのだけれど
これがとても気持ちに優しい
#彼と別れた彼女 を飲み始めた。
真夏の容赦のない景色の中にバスが現れる
とても薄い、真珠色のシャツと、カーキにオリーブを入れた色のスカート の女性
ものすごく想像がつく、ブラウスの素材は、麻に違いないと思った、スカートはチノクロス、それも夏素材のコットンチノか?
バスはドアが2つ、このイメージだと、間違いなくアメリカのバスが思い出される。広大な平地、そのイメージは沖縄、それも基地近郊の景色かアメリカしかない。彼女は飛行機に乗るのに荷物はバィダーだけ。これをあれこれ詮索しても無駄だ、分からないことは執着しても仕方がない。
少し読んだところで
今一度、シャンプーをしたくなった。
本を、一旦外に出し、メガネも外す
シャワーを頭から浴び、シャンプーをはじめる
つい、昔のことが思い出される
本の影響か、55年も生きると、物語がいくつも残ってるしまう。ただ男なんてものは勝手なものだから、変に思い出すことは、思い出される女性にとっては、不愉快以外の何者でもないだろう。だから、なるべく思い出さないように努める。それでも、頭に出てきた時は、頭を振って、今一度振り払い、消す努力
これが無駄に終わったら、徹底的に、誰からみても差し障りのない、良い彼女のイメージだけを持って2割増におもいだす。
そうすれば、自分でも、意味ないことだと気付けるから、このノスタルジックな思い込みから抜け出せる。

彼と別れた彼女は いつだって自由であるべきだから。

画像1

ぜひ、あなたもバスルームでお楽しみください


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?