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地味に新ジャンル ”本” note で1冊紹介したい本に出会った事から・・・ 鎌倉 のんで、たべる。

はじめに


鎌倉と言う街は僕の生まれ故郷でもあるのです。
にわかに信じてはもらえないかも知れないのですが、不思議な街なのです。
北鎌倉からトンネルを抜けれ街に降りてくる時も
朝比奈から峠を抜けてたどり着く場合もそうなんだけれど
そう言えば大仏のトンネルもそうだし 国道134号の海沿いのトンネルも
稲村ヶ崎の切り通しも
鎌倉というエリア(鎌倉市とは微妙に異なる)に足を踏み入れる事が自覚できる空気の変化があるのです。
鎌倉へのアクセスルートの大部分を書いたのですが、書いてないルートが、まあそれも含めてですが、この街は不思議で凝り固まっているのです。
夜中に眠っていても
深夜に車を走らせていても
近所を歩いているだけでも
まあ、ただし、別段気味が悪いとか、怖いとか とは感覚が少しだけ違って
まあね、この地だからそれもありだ くらいに感じるのです。
大体、1965年生まれの私の育った時代の鎌倉は、今よりももっと濃くて、街中には何だこの洋館、写真に残したい建物ばかり、それも普通に使われていたり、通った幼稚園が寺のお堂だったり、学校の佇まいだけでも文化財なわけで、総てが変なの・・ でした。街が変なら 人もまたユニークだし。自然もまた、海に入れば変な虫がいて、これが男の子をチクチク刺す。
女の子は刺されないのか知らないけれど、僕らはよく刺された。
山に行けば、見た目は紫蘇なのに、触るとビリビリっと来る電気草、蛇や蜥蜴など、呆れる自然もそこにはあるのです。
押し寄せる観光客もまた、この街の景色。
そんな不思議な街の飲食店を紹介した一冊の本に出会いました。

鎌倉 のんで、たべる。   赤澤かおり さん著

この本を最初に見かけたのは、今からもう何年も前でした。
西新宿の大きな書店で見つけて、手に取ったのですが、あのときは、あまりに綺麗な本だったのと、後で買いに来ようと思って、忘れないようにiPhoneに表紙を残したののでした、そしてその画像は今もあります。
その記録には2017年8月9日とあります
結論から言うと、とても気になっていたのですが、その直後に転勤になり新宿を離れたことや、様様な事があり、この本に出会えるチャンスが無かったのです。
でも、づっと気になっていたのです。
#鎌倉のんでたべる #赤澤かおり  さん著
そして、2023年6月28日私はこの本を開いたのでした。

そして我儘な読書感想文

この本が描いているもの
■なぜその店がそこにあるのかという哲学
■そこで提供される食べ物が著者に与える化学反応
■人が作り出す空気感とそこに身を置くということの意味
■時系列が、今そこにある だけに留まらない 時空と空間描写
そうなると、人の思いが 時間と空間に影響を及ぼすということが描かれているのですが、それが目的ではなく、ありのままに書いた結果で、そのことが証明されたという、何処か理系の物語
文系の私が、理系を語れる筈もないのだけれど、そういうことなんです。

不思議な街では、不思議な人々が登場する
不思議な人々が登場するお店紹介ガイドブックなんて無いでしょ 普通
だからこの本は、お店紹介ガイドブックではなく、著者のいる不思議空間の出来事のリアルレポートなんだと思ったのです。
だからジャンルで言えば #エッセイ  であり、どこかそれとも違い

だから私は結論を出しました

この本は、素晴らしい写真が添えられていますが
一言で言えば

この本は、脚本のない映画 であり 筋書きのない物語 であり
細かい絵のない漫画本 だと思うのです

言葉を限りなくシンプルにしてもなお、伝わる人柄

この本の取り組み
実はとても新しいと感じるのです

この本で会える人々

私自身も、この本の中のお店のいくつかは存じ上げていいます。そのお店のことを、単にお味はどうだ、接客は? 価格は? そんなネットでも解る所は割愛しても、なお描こうとされているのが、そのお店の空気です。これはお店の方と訪れたお客さんが作る空気そのものなのですが、この描写が素晴らしいのがこの本の魅力です。

特に、・・・さんの・・・・さんが
これは、読んでからのプレゼントです。

そしてタイトルなんですが

漢字と ひらがな 句読点 
この並びが最高じゃないですか
これ以上でもこれ以下でもない
そしてこの写真が
もはや最高のパッケージですね

帯までもが良いと


おわりに

私は残念な事に、この本の作家さんを存じ上げません。けれど、この作家さんが書かれている女性の1人、その方を私はとてもよく知っています。
作家さんが、限られたスペースでその女性のことを書かれているのですが、その小さなエピソードは役考えると少し不思議な物語なんです。そんなお店で、こんなことを?
と言う内容なのですが、この女性は、本当にそう言うことをする、とてもキュートな人なんです。キュートなんて表現はとてもとてもの、年齢なのですが、この人は若い時から、このストーリーの様なことを、周りの微笑みに包まれて、いつもやっていたのです。
私はこれを読んで、あの人らしいなぁーと
暖かい気持ちになったのでした。



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