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SIDE "A"

【SIDE A】

「昨日は、そんな雰囲気じゃなかったから話さなかった…」

仕事が終わって帰宅した主人。その時私もまだ起きていたのだけども、寝る前のことで、短くクダラナイ話だけをして私は2Fへ上がった。


用事が重なっていたその日。

休日の動きに間に合うように起きてきた主人と、ボチボチ話すことになった。

「・・・今、そういう事があって…」

話しを聴きながら、時折こちらから言葉を挟みながら。マジメな会話になった。

Aさんは、その仕事をイヤだと言っている。
Bさんもイヤだと言って拒否をしている。
俺も”やりたくない”と、意思は伝えてある…。
「…、会社の命令とあれば、まぁやりますけど…」

(?、!!)

「やる?」何を言ってるんだ?イヤだと言った上で、なんで”いい顔”しなくちゃいけないんだ。全ての事情を聞いた事と、それによって「その後の結果に、主人からどういう反応が出るか」という事の予測が、とても簡単だったから話は続いた。


『意思は伝えている訳だし、Yさんがやる事なんだから最後は自分で決めて良いのは前提でね。なんで最後に譲っちゃうの?他の人達は”イヤだ”と、その仕事を突っぱねている。”皆は、わがままだ”と、深夜の責任者である社長の息子はその在り方を咎めていない、認めてしまっている。そして始めからYさんに「その仕事を任せたい」のではなく、押し出し押し出しで回って来るその仕事でしょう。なんで良い顔するの?』

ゴールデンウィークから現在の夜勤スタイルに変わり、主人の中では自分のスタイルができた、という風に言っていた。自分のリズムが出来上がるまでは誰だって大変だし、やっと落ち着いたところ・・・、こちらのリズムは崩れがちだけども。


休みは一日増える、日中の時間帯の運搬になる、ピストンで走り、便数で稼げるハードコース。現在こなしているのは殆どが若くて体力があって、”もらいたい人”。年配のドライバーはそのハードさを嫌っている。便数が増えて給料が上がるのは当然の話だ。

「大型に乗るようになって、以前より給料も上がって、その他諸々で、俺今、”それよりもっと”って思っていないです。十分です。」

だけど主人が会話の中で何か軽く言った言葉が、倅の耳に入り込んでいた。

”この会社の顔を立ててくれるとなれば、その話はないとは言えないですよ”

中小が多い運送業界も、色々な繋がりとやりくりをしながら業務の確保をしている面もある。折角とった仕事、そのコースを空けてしまうのも勿体ないのかもしれない。


「俺が言った条件がのまれたら、断る理由がない(笑)でも俺はヤダって言ってる…」

その矛盾が気になった。

『その条件がのまれたら悪いことない、と思うんだけど、何が”ヤダ”と思ってる?通れば断る理由がなくなるもんね(笑)』

「めんどくさい…笑」

『そうだよね、今やっと慣れて自分のペースでやれるようになったわけだから、そりゃそうだ(笑)。習ってまた始めからやるのも楽じゃないよね…。でもとにかく。今、交渉できる立場に居るんだから、しっかり話した方が良いよ。社長と倅は繋がってる?』

「それはないみたい笑」

『なるほどね。社長と話した方がいいわ。社長が言って来たらきちんと伝えたらいい。会社が本当にそう思っているなら、こちらは来年のことも念頭に、丁寧に話した方がいい』

始めの話を聞いている限りでは、良いように使われてるな…と思った。だけど、自分の意思を伝え、無きにしも…という事であれば踏み込んでもいい所。

自分自身も中小企業の管理職をやった事があるから染みついている「命令とあれば…」。こういう習慣は、本当に身についてしまうのだと思った。

・・・ ・・・ ・・・

夜は食事会に出かけた主人。話は尽きないらしく、店が閉まるからという理由で日が変わる頃帰宅した。

同じ年の仲間とのおしゃべり会。ファミレスでのデザート話を聞かされた。


「えーーっ、パフェって500円位じゃなかったの!!」

1000円近くする値段に仲間と共に驚いたと。

「どうしようかな…」

仲間が言う。

「いや、今日は食べる。カミさんに釣りも返さない!笑」

主人から聞くその話が面白くて笑っていた。

その後の仲間の“気づき”が良かったと思った。

「こういう、セコイのって抜けないよなぁ…笑」

仲間の話だったけど、主人もまた同意して笑っていたと聞かされていた。


『そういう時、本当にクセが出るかもね。お金を持ってないなら考えなくちゃいけないけど、あるのに“どうしよう…”って、食べれば良いんだもんね(笑)』

1日を通して、主人は自分の中で「共通する」気づきがあったと思う。

「俺は、カミさんに“何で食べてこないのよ”って言われるな、って話したよ笑」

”かみさんに言われる…”

外でその様に話すという行いは、影響関係に留まらず、家庭内コミュニケーションのアピールかもしれない…、そんな風にも思った。

互いに、沢山の気づきを与え、気づきをもらっている。


SIDE B の誰かさんのウラ話。

”仕事としてやった”。
結構なことだけども、例の彼女の給与が私よりも多くなったのを気にかけたのは、工場長だった。

「あんた、それで良いのか…?」

私は、お金よりも会社ためにどうにかしたかったし、何よりこの自分がそういう事ができるという事に酔っていたと思う。


そして昔から気づいている事だけど、給与が私よりも高いことはあまり気にならず、私はいつも「違う所で」報酬を感じていた、ということ。

これに限らず、本当に子供の頃から私には様々な「お蔭様」がいる様で、それにサポートをしてもらっているかもしれない。私の思いだけでなく、今までに主人からもその様に言われているから、確かにそうなんだと思う(そう見えるのだと思う)。

[会社のため]
そんなことを普通に思ってしまう時点で、しみつき身についてしまった習慣があった事は言うまでもない(笑)

・・・ ・・・ ・・・・

SIDE B,Aとも一日で書いておいたのだけども、ここからはそれらを通して昨日書いた。

強制されない勝手な忠誠心と、あくまでも個人である事と。

「どのスタンスが良い」という事を書いているつもりは全くないもので、状況は活かすこと、すべきものは正しく伝えること。会社組織であっても、「それがどういう事から起きているか」という事を見ないと、ただの良い人、「都合のいい人」になってしまうということ。

その結果に後で、あーだこーだの文句を言うのは違うだろうと、私は考えるので、”その時”があるならきちんと主張してよい、と思っている。

そのつもりもなくただ、「良い人」になってしまう人は多くいると思うので、それはきちんと自分で考えましょうよ、という思いがあります。


そして主人のように、意思を主張しつつも”矛盾”する言葉で、隙が出ることも多い。

実際の問題は、目の前のこと直接でなく、別の層で観ると”別の所”に持っているケースもあり、目の前の問題はそれを取り巻いている「周り」の案件の方が重要だったりする事は有名だったりします(笑)

”ふとした時”に、それはしっかり出ていたりと、あらゆる形で「私」というものの一部は現れていると思います。

自分の価値は下げなくていい。

他者との間に、必要以上に下げた関係を維持しているのは、間違いなく「自分」という事は言えるのだと思います(*^^*)

「うみのみかをサポートしたい」と行動させてしまう様なクリエイターです(*^^*)。私も同じように読まれた方のサポートになる事を意識しています。 自覚を保ちしっかりと進んでいきます!