深淵

日の暮れかけた街の
中心部にある
小さなガレット屋には
川沿いのテラス席がいくつかあった
乾いた風と
オレンジの炭酸
赤いチェックのテーブルウエア
深い色の川には
たくさんの星屑と月が
そのうちのいくつかを
少しばかり拝借して
運ばれてきた皿に乗せ
いつかまた
どこかで巡り合うこともありましょう
相席の
聡明な彼女の一言で
どこか遠くまで

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