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cocoon

"蚕が、想像の糸をはきだし、つむぎながら、繭をつくってじぶんを守り、やがて繭を破って飛べない羽を得ることをモチーフに、サンとマユのふたりを描きました"2010年発刊の本書は2025年アニメ化も決定した戦争漫画。凄惨な世界と自己の少女性の狭間で揺れ動く様子を抒情的に描いた良作。

個人的には、沖縄のひめゆり学徒隊について調べていくうちに、本書に辿り着きました。

さて、そんな本書は在学中に自身のブログではじめた1ページ漫画シリーズ『センネン画報』が口コミで評判を得たことでも知られる著者が、前述の米軍の沖縄上陸を目前に控えた1945年に動員された女子学徒隊『ひめゆり学徒隊』を題材に描いた『フィクション』で。シマいちばんの女学校に通う主人公・サン、東京からの転校生マユは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴くのですが。しかし、戦況の悪化とともに突然、解散命令が出され、脱出する中で、ひとり、またひとりと仲間を喪っていき。。

まず、本書は『フィクション』とはいえ、実際のひめゆり学徒隊のエピソードと多く重複していて、少女たちが次々と亡くなっていく様子に心が動かされます。

また、太平洋戦争『終結後』80年となる2025年の夏に本書はNHKでアニメ化されるそうですが。世界各地で戦争自体は常態化している今、日本だけでなく各地で戦っている女性たちのことを想像するキッカケにもなりました。

沖縄のひめゆり学徒隊に関心ある方、戦争の悲惨さについて考えたい方にオススメ。

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