見出し画像

方舟

"この山中に埋められた貨物船のような地下建築から脱出するには、九人のうち、誰か一人を犠牲にしなければならないのだ。僕らは生贄を選ばなくてはならない。そうしなければ、全員が死ぬことになる"2022年発刊の本書はSNSでも話題になったミステリ傑作。

個人的には、帯の各作家たちの絶賛を見て、興味をもって手にとりました。

さて、そんな本書は大学時代の友達や従兄の7人で一緒に山奥にある謎の地下建築を興味本位で訪れた柊一たち、そして道に迷って辿り着いた家族連れの3人が、突然の地震で建物に閉じ込められてしまい、しかも地盤に異変が起きて建物自体が水没の危機に瀕し、タイムリミット付きで脱出方法を探る中。さらには殺人事件まで起きてしまうのですが。

まあ、ミステリというわけでネタバレを避けますが。導入部分の宿泊しているキャンプ場から友人の発案とはいえ山奥にある【地下建築を探しにいき閉じ込められる】までの展開には多少の強引さを感じましたが。しかし一方で、クローズド・サークルとして『舞台が整う』までの展開が早いことで【作品世界にすぐさま没入することが出来ました】

また、物語の視点は柊一がワトスン。そして従兄。翔太郎が頼れるホームズ役として順調に謎解きが進んでいくのですが。帯にあるように"油断大敵!"な『ラストの急展開』には確かに"そうくるか!"と【びっくりさせられました】

どんでんがえし、デスゲーム的な物語が好きな方にオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?