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ゆっくり急げ2015-2016

突然だが、これまでの自身の経験を踏まえ、僕は大体において場所は3段階、約3年間周期の成長プロセス、サイクルを繰り返すと考えている。順番に紹介すると、まずは色々やってみる『黎明期』、色々やってみた結果としてスペースとしてのコンセプト、イメージが固まリ始める『成長期』、そしてスペースとしての活動成果が結実し、2店目ができたり移転や(閉店)など新たな展開が起きる『発展期』の3つだ。

それを念頭に置いて、盛況だったオープン日が過ぎ静けさを取り戻したこのお店、はっち。その初年度1年目に僕が目標イメージにしていたのは、まずは色々やってみる『黎明期』としての試行錯誤をとにかく行う事だった。しかも毎週木曜日夜、つまり毎月4日(年間だとざっくり48日間!)しか空いていない今回のはっちの場合、ヨーロッパで広く使われる有名な格言”ゆっくり急げ”ではないが、週一のノンビリとしたペースを守るからこそ「意識的に急いで」行わなければと思った。

とはいえ、今回はあくまで『はちみつとフリーペーパー』なので。そのコンセプトを同心円的に拡大する事はいくらでも構わないとしても、まったく「何でもかんでも自由にイベントをする」のはおそらく間違いだろうなと同時に思っていた。

そんな2つのバランスの間で、まず始めたのは『フリーペーパー研究会』というお店のコンセプトを外にわかりやすく説明しつつ、実はフリーペーパー素人?の僕や運営メンバーそれぞれのフリーペーパー界隈の勉強も兼ねたトークイベント。そして自分の専門外で、こちらは機材提供や設営以外は養蜂家メンバーにお任せするしかなかったが、彼女が主宰しているミツバチやはちみつの紹介を通じた環境保全・啓蒙活動『BARはちみつ』という試飲会、試食会も兼ねた交流イベント。最後に店舗以外でフリーペーパーを送ってくれた発行者の方々に感謝と到着報告を同時に伝えつつ、こちらはしゃべりが下手なメンバーの勉強も兼ねたWEBでのフリーペーパー紹介番組『はっちチャンネル』だった。

それぞれに試行錯誤があって、例えば『フリーペーパー研究会』の場合は”研究会と名乗る以上は白衣でしょ!”と第一回目は僕が意気込みすぎて白衣を着て開催し参加者間に微妙な空気をつくったり、はっちチャンネルでも当初は”5分間で5紙を紹介する”とうたって、ラジオ番組よろしく最初は台本すら用意していたものの、いざやってみると気づけばすぐに時間は予定の5分をはるか越えて10分、15分と拡大していったり。まあ色々と”まずはやってみる”事で予想外の事は起きたが、一方でそれはスペースに関わるメンバーそれぞれの関係性や役割分担が明確になる為に必要な時間だったと思っている。

そしてあっという間に迎えたオープンから1周年の記念イベント日。2016年11月。昼間は(これからのチャレンジの練習を密かに意図し)はっち内ではなく外部、グランフロント大阪のコワーキングスペース『ナレッジサロン』にて養蜂家によるトークイベント、フリーペーパー担当によるフリーペーパー制作ワークショップを行った。そして夜ははっちに移動。今後の展開として、1年をかけて試行錯誤をして運営が安定してきたからこそ、来年の2年目からは外部で『出張はっち』として出かけテイク「外部活動」をしていく事を発表した。

また『はちみつとフリーペーパーのお店』というコンセプト自体は大切にしつつ、それ以外にも広く『食(農産物)と本(紙媒体)』にも関わる事をスタートさせる。と「当初のコンセプト」に追加修正する事を決めたのもこの時だ。

色々やってみた『黎明期』を過ぎて、僕なりに感じた事があったからだ。それにそれは”はちみつとフリーペーパー”だけに限定して活動するより「より大きく、様々な領域へと飛び出せて」結果的に発行者さん達にも今以上に多くのメリットがもたらすはずだと確信していた事も理由だった。

そんな事を思ってる内に、あっと言う間に最初の1年間が過ぎた。

場づくりメモ:3段階3年間の成長プロセスを考えて、その段階ごとにするべき事を行う

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