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昔話に学ぶ《に》

昔話といえば

鬼。

鬼にも色々種類がいるが

ほとんどが怖い恐ろしい

そんなイメージ

でも

中には優しいものもいて

泣いた赤鬼なんかは

鬼にも人情や心を感じるものもいるんだ

と感心したっけ

あまのじゃくも

ひらがなではイメージ持てないけど

漢字で書くと鬼なんだよね

ヒトにも色々あるように

きっとその他の動物にも

きっと鬼にも

色々あるんだろうね

そんな鬼

『鬼が笑う』なんて表現されるように

空想の生物とされている

しかめっ面の鬼をも笑うくらい

実現性の低いこと

机上の空論・戯言を言っても

何も生まれないし始まりもしない

口だけでは何とでも言えるけど

実際行動したり

結果を出そうとすると

相当な大変さがあり

結果論ということではなくて

そこに至るまでの努力や経緯

そういう部分を評価出来るように

または評価されるように

生きていきたいよね。

「来年のことを言うと鬼が笑う」

なんてよく言うけど

決まってないこと、まだ見えてないもののことを

今から不安だったり、話を盛ったり

そんなのは誰でも出来る。

大事なのは

それに至るまで

そうならないように

どうするか

何をするのか

誰と

いつまで

なんのために

そういう具体的な話が出来てこそ

現実味が生まれるんじゃなかろうか。

今日は

『鬼が笑う』

というお話を読み解いてみよう。

内容は以下…


しんしょのよい旦那さまの 1 人娘が嫁に行くことになった。嫁入りの日になると、娘は立派な迎えの駕篭に乗り、母親をはじめ親戚の人たちが大勢駕篭について、嶺や峠を越えていくと、ふいに空から黒い雲が降りてきて、駕篭の中の花嫁をさらって飛んでいってしまった。母親は気も狂わんばかりに心配して、あてもなく山を捜し回った。日が暮れたので、庵女(尼)さまのいる小さなお堂に泊めてもらった。庵女さまから、娘は川向こうの鬼屋敷にさらわれていること、その川を渡る方法を教えてもらった。朝起きると、お堂はなく、母親は石塔を枕にして寝ていた。庵女さまにお礼を言って、教えられた通り、川を渡ると、きき覚えのある機の音がした。母は娘と再会し、2人は抱きあって喜びあった。娘は大急ぎで母親に夕飯を食べさせ、鬼に見つからないように母親を隠した。鬼が帰ってきて、人間の匂いがすると、人間の数だけ花が咲くという不思議な花が 3 つ咲いているのをみて、今にも娘につかみかかろうとした。娘はふと思いついて子どもができたと鬼に言った。喜んだ鬼が酒に酔いつぶれているすきに、母親と 2 人で逃げようとした。そこに庵女さまが現れて、早く船で逃げるように言った。母子は船に乗って川を逃げたが、鬼がそれに気づき、家来に川の水を飲み干すようにいいつけた。川の水は減って、母子の舟は後戻りして、今にも鬼に届くようになった。そこへまた、庵女さまが現れて、大事なところを見せるようにいい、庵女さまも一緒になって着物の裾をめくった。それを見た鬼はげらげら笑って、水をすっかり吐きだした。それで、母子は無事逃げることができた。母子が庵女さまに礼を言うと、庵女さまは、自分は野中の一本石塔だが、かたわらに毎年一本ずつ石塔を立ててくれるように母子に頼んで消えてしまった。母子は毎年忘れずに石塔を立てたという。


言葉が難しいね。

内容は少し変わるけれど、

現代語訳されたものもあるので

ご覧あれ。


あるところに娘と年老いた母が住んでいました。

ある日、鬼たちが村を荒らしに来て、

この娘をさらっていきました。

年老いた母は、ほとほと困り果てたところに、

尼さんがあらわれて、知恵を授けてくれます。

「鬼ヶ島にいって、鬼どもに酒を振る舞え。

 鬼どもが酔った隙に、

 娘を連れて島を離れるのじゃ」

さっそく母と尼は、

たくさんの酒樽を船にのせて、

川向こうの鬼ヶ島に渡りました。

尼が船に残り、母は単身、鬼のいるところへ。

島で鬼たちに酒を振る舞い、

予定通り鬼たちが酔いつぶれた隙に、

娘を探し出し、

娘とともに、尼が待つ船に乗り込みます。

そのとき、

鬼たちが酔いから目覚め、

娘がいないことをさとり、

老婆の策略だったことに気づき、

大激怒する鬼たち。

すぐに

島から出ていってしまった船を見つけ出し、

川岸に降りてきた。

そこで鬼たちが口を開けるといっせいに、

川の水をゴクゴクと飲みだした。

すると、

島から離れたはずの女たちが乗った船が、

みるみる島の方へ

引き戻されるではありませんか。

娘と母はなすすべもなく、

狼狽しているところへ尼が、

「何をしておる!今すぐ女の大事なところを

 鬼どもに見せびらかすのじゃ!」

と、女3人、船の上に立ち、

着物の裾をまくりあげ、

女の大事なところを鬼たちに見せました。

それを見た鬼たちは、大笑いし、笑い転げて、

それ以上、水を吸うこともできず、

女たちの船は無事、

鬼ヶ島から逃げうせることができましたとさ。

おしまい…


このお話

実に平和じゃない?

笑かし方は下品極まりないけどさ

笑いで万事解決

懲らしめるということもなく

罰するということもなく

争うこともなく

村を荒らしたり、

ヒトをさらったりしたことを

鬼は悪いことしまくっていた

けれど

結果

笑いで

無かったことにしている

これスゴくない?

別に許している訳でない

許されることでもない

無かったことにしている

関わるの反対は無関心

これも一つの手段だよね

SNSのはびこる情報社会でさ

たまに有名人が

離婚しました結婚しました

不祥事しましたに対して

やいのやいの言って

GOODだの

BADだの

評価を勝手にする

そんなことがあるのだけれど

その方は

自分に関係あるの?

〇〇さん結婚しました。

今まで応援してたのに…

悲しい…

裏切られた…

仕事休みます…

それは誰の何の話?

それだけ影響力を受けている

さすが有名人だなぁ

そんな話であることは分かるけど

仕事を休んで困るのって

収入減るし評価も下がるし

結果自分だよね

もっと言えば

お客さんだったり

周りの職員とかだって困ってる

〇〇さんが不祥事

しかたないよねの擁護グループ

不祥事はいかん!罰せられるべき断罪グループ

SNS上で大バトル

これは誰の何の話で

その後その人にそれが

どう影響を与えるの?

争ってもしょうがないよね

だって勝ち負けじゃないんだし

そもそも自分の話じゃないし

争いによって生まれるのは

勝った負けた

損得の世界

嬉しさよりも

悲しみや憂いの方が

代償はデカいはず

現に

村を荒らしたり、

ヒトをさらったり

鬼から受けた被害は甚大

それによる悲しみは

相当なものだっただろうに

だからといって

負の連鎖をそのまま繋げていくのは

ただただ悲しい人を増やすだけ

何の解決にもならない

でも、どうにもならない力を目の前にした時

どうにも太刀打ち出来ない時

何も無かったことにする

そんなスキルは素晴らしいと思う。

原作では

石塔を一年に一本立てて

後世に残すという手段をとっているけど

二度と鬼に屈しないように

何をどうすべきか

鬼たちにとっても恥ずかしい案件だろうに

それを石塔を立てて祈念されてるともなると

これが男性ではまた違う結果だったんだろうに

何より

争わずして解決

その姿勢が素晴らしい

やっぱり平和がいいよね

平和な世の中になってほしいもんですね

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サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!