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POPUP interview CREATIVIBES vol.4 uoon 少し変わった革小物で、世界をもっとおもしろくする

Today’s guest

uoon
「暮らしに寄り添う革モノを」をコンセプトに、様々な革小物を展開するuoonさん。革製品特有のハードなイメージを覆す、柔らかさのあるデザインは思わず手に取り、身につけたくなるものばかり。そんなデザインには、見た目だけでなく使い手への細やかな心配りが込められていた。


[話し手]

interviewer:PLACE COFFEE店長・梅澤(ume
guest:uoon(uon
assistant:Yuka Sando

出会い

ume:まずは出会いから振り返りたいんですけど、uoonさんが(熊谷駅)3階のコンコースで出店されてたんですよね。

uon:そうなんです。去年(2019年)の12月です。

ume:ちょうど一年前なんですね!コンコースに出店されてたときにお話はできなかったんですけどね、ちょっと見て、ショップカードもらってマーケットにお誘いしたんですけど、その時はタイミングが合わなくて。

uon:そうでしたね。

ume:今回は逆にご連絡いただけたということで。すごい良いタイミングで!

uon:縁があったんですね。

ume:ずっと12月のPOPUPどうしようって、クリスマス意識しすぎたくないしなぁとか。そういうの考えたら全然決まらなくて。そしたらuoonさんから連絡貰えて。

uon:出店する場所とか、闇雲に最初の1年やってたんですけど、、ちょっと考えていこうと、カフェギャラリー中心にやっていこうと思って。ぱっと浮かんだ。そういえばお声がけいただいたなと思って。
コーヒーとクラフトって相性いいんだろうなと思っていて。

ume:そうですね、間違いなく!

uoonのスタート

ume:経歴のお話も聞いていきたいんですが、活動を始めて何年ですか?

uon:10年目ですね。2010年からです。

ume:今おいくつでしたっけ?

uon:37歳です。27から始めた。

ume:それまでは何をされていたんですか?

uon:大学卒業したらシステムエンジニアやってたんですけど、家の事情で東京から群馬に帰ってきて。営業やって、やめて、転々として、、。結局家が梨農家だったので、(帰って)梨農家やってたんですよ。ただどうしても農閑期っていう暇な時期があって、それで昔の農家さんっていうのは手に職を持っていたんですよ。
竹細工とかメガネの鯖江とか、そういう各地の産業というのは農家さんの農閑期の仕事から結構派生しているんですよ。それをヒントに革細工を始めたんです。

uon:群馬のみなかみ町に「たくみの里」っていう、手づくり体験のテーマパークがあるんです。そこの「革の家」のクロさんっていう人と会ったときに、彼が軽口で「やってみたらいいよ」って言って。すごい簡単に説明してくれたんですよ、革細工のことを1分くらいで(笑)。なんかできそうだなと思って、本買って始めました。

ume:え~すごい。それはギャラリーみたいな場所なんですか?

uon:革の家はアトリエですかね。アトリエがいっぱいあるようなテーマパークなんですよ。で、各家で手作り体験ができるんです。その家の人たちが作ったものが置いてある。そこで革に興味あったんで入って、ちょっと話したら、何かやってみたらいいんじゃないかって言われて始めました。

ume:それがいつぐらい?

uon:27。そこからすぐ始めた。

ume:すごいね、行動力が。革細工にどんな魅力を感じたんですか?

uon:とにかく自分にできる、できそうでお金になるようなことを探していて、いろんなことを調べたんです、当時。最初は本を見て作ってました。

ume:最初に作ったのは何を?

uon:小銭入れかなんかでしたかね。手縫いで。最初の2年ぐらいは手縫いでやってました。

屋号の由来

ume:もう一つ、店名の由来とか、どういう意味なんですか?

uon:革細工って刻印がいるじゃないですか。
その刻印もデザインの一つだなって考えたときに、面白い文字列ないかなと思って、色々組み合わせてみたんです。英語の文字を。で、「uoon」。ひっくり返してもuoonって面白いかなと思って。

ume:なるほど、すごい!意味とかは?

uon:最初意味はなかったんですけど、後付けで意味をつけました。「どういう意味なんですか?」って聞かれることが多くて。ただのデザインで意味はないんだけど、あ、なんか答えた方がいいのかなと思って、後からつけましたね(笑)。

ume:じゃあ本当にもう、デザイン、文字の形なんですね。実は自分もコーヒーの活動、プレイスコーヒーとは別に個人でやってるんですけど、お店の名前(の由来)も全く同じで。デザイン。こう、読むよりもぱっと見というか。

uon:そうそう、ぱっと見てしっかり視覚的に覚えてもらえるようなものにしようと。あと造語がいいなと思って。

ume:なるほど。ちなみに読み方は何ですか?

uon:読み方はいろいろありますけど、一応「ウーン」で(笑)。

Creative「こだわり・魅力・独創性」

使う人に寄り添う“ニューアンティーク”

ume:uoonさんの商品に対するこだわりはどんな部分ですか?

uon:uoonは明確なコンセプトがありまして、一つ目はニューアンティーク。アンティーク品では決してないけれども、使ってるとアンティークっぽくなっていくものを作っていきたい。

二つ目は、少し変わったもの。すごく変わってるんじゃなくて、普通でもなくて、少しだけ変わってるものを作ろうと思って作ってます。

ume:それは作っていく中でできたものなんですか?

uon:最初からですね。最初からそれでいこうと。

ume:作家さんならではの感じですね。実は今回、財布買ったんですよ。これもちょっと変わってますよね?

uon:そのお財布のポイントは三つありまして、一つがミニ長財布って名前なんですけど、普通の財布よりも、幅が狭い。二つ目は、カードが縦に入る。三つ目が小銭入れの深さ。深さが段になってるんですけど、ここはちょっと2cmくらい浅くしてるわけですよ。で、取り出しやすい深さにしてる。そこが変わってます。普通にすんなり作ったらだいたい長さ20cmぐらいなんですけど、それは18.5cm。だから「ミニ長財布」。

ume:これなんで短くなってるんだろうって不思議に思って。お札のサイズに合わせてつくるしかないんじゃないのって思ってたんですけど。

uon:だいたいカードを2枚並べると19cm、20cmくらいになりますんで。

ume:だからカードの大きさに合わせてみんな作ってるってことなんですよね。お札じゃなくて。へぇって思うよね。
やっぱずっと、二つ折りのやつを昨日まで買おうと思ってたんですけど。持ってみると、(ミニ長財布は)すごいしっくりくるね。

uon:それは今まで二つ折りを使っていた方が長財布デビューしやすいようにっていうテーマもあって作ってます。

ume:革にもこだわりはあるんですか?

uon:革はざっくり言うとないです。厳密に言うとあるんですけど、基本的に僕はその革は食材だと思ってるんですよ。だから、いい革を使えば塩でいい、みたいな。デザインはシンプルでいい。そうではない結構安価な革を使ってもいいものが作れるように料理するっていうのが腕の見せ所だと思うので。革を見て、こんな感じでつくろうってきめたりします。なので革にざっくりとこだわりはないですね。それはお客さんに合わせます。「こういう革がいいんですけど」って言ってくれたら、それを探してきて作る。

Vibes「雰囲気・空気感・エネルギー・揺さぶる」

世界を少しでもおもしろくする

ume:vibesの方はどうですか?空気感とか雰囲気とかそういう意味なんですけど...。uoonさんがその街にあることでどんな街になってほしいとか、ありますか?

uon:そうですね、私の理念みたいなものが二つあって、
一つ目が暮らしに寄り添う、普段使いできる物を作る。だからそこまで高くないもの。
二つ目が「世界を少しでも面白くする」っていう理念があって。だから採算がちょっと合わないかなと思っても、ちょっと面白そうなイベントには出ますし、自分が出ることによって、ちょっとでもお役に立てたらなって思います。

でもやっぱり僕が東京から群馬に帰ってきたとき、つまらなく思ってしまって。すごくつまらなくて本当退屈で。別に(自分は)、中学高校で目立つタイプでもなかったので、地元のノリとかにもあまりついていけなかったし、なんかもう孤独感というか、孤立感で。それは自分のせいなんですけど。
そこから革と出会って、人間関係とかいろいろ広がったっていう。同じ思考の人に出会ったなって思います。

ume:自分の考えと似てるところがある。コーヒーを始めたときに、こうやって休みの日になるたびに、地元つまらないから東京に遊びに行って東京にお金落として。月に1,2回ぐらいしかない機会で、自分の欲を満たすために東京に行かなきゃいけないとか、なんかそういう人生って楽しくないなって思って。それが自分の街で、東京と同じような刺激が受けられるお店が増えたら自分の暮らしが豊かになるなって思いで。それにすごい近いものを感じました。

uoonのこれから

ume:uoonさん企画イベントみたいなこと、やらないんですか?

uon:やってみたいですよ。やってみたいですけど、僕はプレーヤーですよ。

ume:でもお店を今考えていらっしゃるんですよね?ギャラリーみたいな。

uon:ギャラリー的なものを持ちたいなっていうのはそうですね。
その中で毎月企画展みたいなものを自分で勝手に作りたい。例えば赤いものばかり。黒だけのものとかポーチだけとかキーケースだけとか。
一つのテーマに沿ったものを作りまくるっていうのが面白いかなあと。
そういうのやってみたいんで、お店持ちたいなっていうのがあります。

ume:その時はぜひコーヒーとして呼んでください!

uon:ぜひまた呼んでください。プレイスマーケットも復活したらぜひ!


uoon
2010年から群馬、埼玉、軽井沢の百貨店や商業施設、屋外イベントなどへの出店をメインに活動をしています。
エイジング(経年変化)を楽しめる丈夫な天然皮革を使い、お財布やバッグ、雑貨などを製作しています。
uoon(ウーン)とは、作り手の生まれ年である「癸亥」(ミズノトイ)を意味する造語です。「派手さはないけど、運の強い。」そんな意味をもちます。手にした人に何かいい事が起こりますように、、、そんな願いを込めて、uoonと名付けました。
毎日使い込んで、オンリーワンのアイテムに育てて頂ければ、作り手として幸いです。

Instagram:@uoon_2010
Website:https://uoon.shopinfo.jp/

Creativibesとは

PLACE COFFEE店長・梅澤が、pop up出店者と対談。それぞれが持つ“creative”〈こだわり・魅力・独創性〉と“vibes”〈雰囲気・空気感・エネルギー〉に迫るインタビュー企画。

この記事は2020年12月のインタビューをもとに作成しています。