無題2022/01/15

 いつの間にか、僕の中で「寝る」という行為が変わった。昔は眠くなくても決まった時間にベッドに入って、暗い空間でぼんやりして考え事とかしてみたり特に何も考えず目を閉じてみたり、たまに暗闇に恐れて目をギュウっと閉じて壁の方を向いていたりした。今はなんとなく今日はもう満足だなってなったりそろそろ眠いなってなったらスマホとイヤホンを持ってベッドに入って、適当に動画を見て気がついたら眠っている。朝起きてスマホが動画の画面を開きっぱなしで後悔する。多分前者の方が健全な「寝る」という行為なんだろうけれど、ルーティンを崩すのは思ったより難しい。
 したがって寝る時間も遅くなった。ベッドに入ってからスマホを触るということはベッドに入ってからもしばらく起きている意志があるということ。例えば2時にベッドに入る。自分の中の感覚では、2時に入ったのだから寝るのは2時半とかだろうと考える。しかし実際は2時に床に入りスマホを触っているうちに3時や4時。これが普通になってしまっている。起きるのは平日7時休日8時~9時。寝ている時間は多めに見積もって5,6時間。結局それで一日を過ごせるはずがなく、午前に何もなければ朝食後に二度寝で昼まで起きない。午前に予定があれば寝ないが結局午後4時頃に眠くなってきて夕食の6時半まで寝る。こんな生活は正直良くない。メンタルも良くなるわけがない。ただ、僕の性格はこの習慣にガッチリハマってしまった。良くない。でも変える気もないのだから仕方がない。

 僕は気持ちを文章にするのが好きだ。多分もとは文章や文字が好きだった。文字は不思議な形をしたものが多い。特に日本語はひらがな、カタカナ、漢字とそれからローマ字を使う。あまりにも文字も語法も多い。でもそれが面白かった。小中時代漢字ドリルが好きだった。新しい漢字を知るのだけど、たまに知ってる漢字とか、知ってる漢字のパーツとかが出てくる。なんでこの順番で習うんだろうと思うこともあった。
 それから小学生とのき文章が好きになった。詳しくいつからかは覚えていないけれど、初め漫画ばかり読んでいたところに児童文庫というもも知った。知らなかった文量の本で絵もあんまりない。最初は苦痛だったけど、読むにつれて漫画とは違った面白さがあった。想像する楽しさだった。挿絵や表紙でしか出てこないキャラクターたちを思い浮かべて文章の中で巻き起こる展開を当てはめていく。これが楽しくて仕方なかった。昔から妄想するのが好きだったからそういうのがうまくハマったんだとと思う。
 そして本当にいつの間にか文章そのものが好きになって、自分でも文章を作っていいことを知った。国語の作文や詩、短歌を通して自分が文字を綴ることの楽しさを知ったのかもしれない。多分そう。作文用紙に自分の作った物語を書いたこともあったけど、それはあんまりハマらなかった。そのとき家にあったのがノートPCだった。これだと思った。メモ帳にとにかくたくさん書いた。それでブログサイトに出会った。自分でブログサイトにやってるゲームの影響を受けまくった中二病垂れた1000文字にも満たない話を連載した。すごく楽しかった。毎日アクセス数をチェックしてコメントが来たら嬉しくてしかたなかった。
 6年生のあるとき、たまたまライトノベルを読んだ。衝撃だった。とても砕けた文体と児童文学とは違った物語の筋や展開、面白くてはやく次巻が出てほしくてしかたなかった。最終巻まで集めた数少ないシリーズの一つで結局完結まで3年かかった。ライトノベルを知ってこんな文体でもいいんだ、こんな展開でもいいんだと思った僕はすでに中学生。今まで以上に積極的にPCやインターネットに触れた。「小説家になろう」や「ハーメルン」などの小説投稿プラットフォームがあることを知って僕は早速書き始めた。初めは一次創作ばかりだったけど、東方や艦これを知ったことでその二次創作を始めた。一次創作よりもずっとアクセス数が伸びる。二次創作にハマっていったのだ。その頃には文章をつくる能力も随分上がっていたと思う。だから昔ブログサイトで書いていた文章がいかに稚拙で面白くないかを理解した。それでもしばらくは放置していたように思う。
 中3になると勉強やらなんやらで小説や他の趣味も中断した。そのためそれから少し文章とは疎遠となった。再開を果たしたのは高校生が板についてきたころだった。授業や宿題で忙しかったけど、電子辞書に入っていた青空文庫は授業中に読んでもバレなかった。文豪の作品はどれも文体が今より固くて冗長だった。でも面白くって色々読んだ。中学時代からハマっていたニコ動で色んなものを見るうちに自分も投稿したくなった。それで当時ハマっていたボイスロイドで文豪の作品の朗読のような改変のようなものを作っては毎日のように投稿した。だが熱はすぐに冷め、いつしかなんとなく思いついたとりとめのない物語をボイスロイドに話させた動画を投稿するようになった。
 同じくらいの時期に小説に関する興味が再燃してきた。文章力も上がったので僕はなるべく一次創作で作るようになった。それで今まで使っていたプラットフォームをすべて捨てて一つのサイトに絞った。夢で見たものとか体験したことをもとに物語を作っては投稿した。この頃になるとブログでやっていたものが流石に恥ずかしすぎてすべて消した。なろうとかハーメルンのものは多分今も残っているだろう。見たくもないが。
 高校1年の3学期で不登校となり3年まで引きずることになるのだが、その間かなり沈んだ心はよい創作の餌となった。作って投稿しては消してを繰り返していたが、いつの間にか自分の作るものに誇りを持てるようになった。「これは良い」とか「これはちょっと良くない」みたいなのはあるけど、消すことはなくなった。消さなくなってから今までに20個ほど書いた。中には10話書いたものもあるけど、一つの話が短い。1000字ほどではないだろうか。結局筆が乗るときにババっと書くから乗れば3000字以上は行くし、乗らなければ500字程度のときもある。連載も途中で止まってたり1話しか書いてなかったりもする。だけど僕は書くこと自体が楽しいから書いているのであって、物語を完結させたいわけではない。『型落ちアンドロイド』は正直もっと書ける気がするのだが、早いところ完結させて次が書きたかった。ネタもあまり浮かばなくなってしまっていた。もしかしたらまた書くかもしれない。僕の作品を好きだと言ってくれる人がいるとすごく嬉しい。できれば言ってほしい。

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