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『文學界』編集部T様へ其の五/『Lilith』◎川野芽生について

展覧会が近づいてきました。
お忙しいことと思いますが、どうぞまたいらして下さい。

中川多理展「廃鳥庭園〜Le Jardin abandonné」

此の庭園は、うち棄てられた庭園で、あるかもしれないが、貴重種の薄葉になった骨片が採取される
貴重な集積場にもなっている。

 貴重種のDNAの在処を探す、廃鳥サルベージ・ハンターが、跋扈するところでもあってサハリン島の地上灯台の地下から拡がっている地下水路であるとか、北海道中央部にある落石通信施設付近とか、実は庭園ではなくアニワ灯台(Маяк Анива)であるとか、いろいろ噂はあります。
 鳥たちはそこから飛来であるように伝え聞いています。貴重種の逆交配も、そして進化系もあると。

 会場には、貴社で『奇病庭園』の小説を出版された川野芽生さんの『人形歌集 羽あるいは骨』が置かれる予定になっています。中川多理さんの人形に、一首ずつ歌を詠むという希代の出来事のはじまりです。ミルキィ・イソベ、渾身の美麗本になっています。ぜひお手にとっていただきたい。

++
 歌集出版というはじめての機会に、歌読みをしているのですが、まだまだ20%くらいしか読めていない感があります。夜想流の、そして自分流の[オブジェ]嗜好の読み方をして、読みの導線を引いています。あるいはシュルレアリスムの詩的技法に近い読み方で…読んでいます。川野芽生にはフィットしないかと思いますが、ご容赦。

日々是徒然『Lilith』◎川野芽生



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