アイカツを終わらせる時【アイカツ!10th STORY 未来へのSTAR WAY 感想】

テレビから流れてきた『永遠の灯火』に度肝を抜かれ、アイカツにどっぷりハマってしまったのはもう10年も前のことである。

私が中学1年生の時だ。

今、私は社会人、もとい大人になってしまった。

いちごちゃんは今もどこかで人々を笑顔にしているのだろうか、あおい姉さんの「イケナイ警視総監シリーズ」は今も続いているのだろうか、紫吹蘭は今もランウェイを華々しく歩いているのだろうか。

その答えが、この映画にあると思う。

ここ以下はネタバレを交えて感想を書く所ので、気にされる方は注意して頂きたい。

この映画のターゲット層はどこか?

この映画のターゲット層はズバリ、「初代アイカツを見てきた世代」である。
だいたい20代前後くらいであろうか。

当たり前やんけと思うかもしれないが、ここにアイカツ制作陣の暖かさがあると私は思う。

20代前後くらいといえば、大学への入学や、就職など、大きく環境が変わる人生の転換期である。

当時小中学生で無邪気にアイカツを応援していた少女たち(私は少年だが)が成長し、人生の転換期に立った時、応援されていたアイカツが今までの恩返しと言わんばかりに私たちの背中を押してくれるのだ。

そういった「感謝」の念がこの映画から非常によく伝わった。
「忘れてないよ、今までありがとう」そんな声が聞こえた気がした。

未来のいちごちゃん達に会える

作中ではアニメで描かれた高校3年生から4年後の22歳のいちごちゃん達が描かれるシーンがある。

紫吹蘭がイカしたスポーツカーにのり、ユリカ様が赤ワインでベロベロに酔っ払っている。
らいちはイケメン大学生になってしまった。

これはアイカツのキャラクター達も我々と一緒に成長してきたということである。

アニメが終わっていちごちゃん達の時間は止まってしまったのではなく、現実の我々と一緒に歩いてきたんだなと思わせてくれるのは非常に嬉しい。特に公式からの供給となれば、もうたまらない。

本気のライブシーン

アイカツのライブシーンは改善に改善が重ねられ、当初のps2レベルからps4、ps5レベルまでレベルアップしていった。

今回の映画ではそこからさらにレベルアップし、画質はもちろん、キャラクターの表情や息遣い、動きのクセまで感じ取れるようになった。

また、新曲の「MY STARWAY」が良すぎる。
これは是非劇場で味わって頂きたい。

アイカツの終わりとは

さて、タイトルに「アイカツを終わらせる時」と書かせていただいた。

私は、もうこれ以上いちごちゃん達が描かれることはないのではないか、と今作を見て思った。

作中でいちごちゃんが私達に語りかけてくる場面がある。

「今まで楽しかったこと、苦しかったこと、色んな思い出があったけど、私も君も頑張ってここまで来た。だから大丈夫、一緒に羽ばたいていこう!」

本当に愛のこもった言葉だと思う。

しかし、これは「始まる」ための言葉であり、「終わらせる」ための言葉でもあると私は感じた。

理由は分からないが、そう思ってしまった。
「行ってこい」と、もう戻れないところに背中を押されてしまった気がしたのだ。

前述した「感謝」の念、「忘れてないよ、今までありがとう」には続きがある、
「忘れてないよ、今までありがとう、忘れないでね。」

この映画は、我々が「アイカツ」を卒業する、終わらせるための映画だと思う。

最後に

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

アイカツが大好きだった人は是非見て欲しい映画です。

若干話を端折り過ぎだったり、内容を薄く感じてしまう部分もあると思います。
それは、この映画が、「面白い映画を作ろう」より、「アイカツを見てくれた人に感謝したい」という意図で作られたものだからだと思います。

もし、いつか時を超えていちごちゃん達に会える日が来たら、本当に、本当に嬉しいです。

ユリカ様がかわいいので是非見てください。

ありがとうございました。

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