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常に「未完成」であることを意識できていますか?

僕は今まで、日米で7店舗のお店をオープンさせてきました。

自分で起業してから、日本で3店舗、アメリカで4店舗のお店のオープンを経営者として経験しました。

毎回お店のオープン準備をしているときは、いつもものすごいプレッシャーを感じつつ、完璧を目指して、オープンの日に間に合わせるために毎晩遅くまで寝不足になりながら不安を感じつつ何かに追われていました。

それは、オープンの日には、料理も内装や外装も「完璧」なものを仕上げなければいけないという思いからの強迫観念に近いものがあります。

これは、なにも僕が完璧主義者だと言うわけでもなく、誰しも自分のお金(もしくは借金したお金)を使ってお店をオープンさせるのだから、めちゃくちゃ気合い入れて、完璧を目指してしまうのは当然です。

しかし、何軒もお店をオープンしていると気づくのです。オープンの時に目指した「完璧」はあっさりと覆され、外装や内装や厨房や渾身のメニューすらバンバンと改善せざるを得ない状況がやってくるのです。

時には、せっかくお金をかけて作ったところを取り壊して、そこにまた追加資金を投下してやり直したりもザラにあります。

僕たちはいつも「未完成」

こんな経験をたくさんしてきた僕は、2018年ボストンでTsurumen Davisをオープンする時に「未完成」のお店を自覚した状態でのオープンを試みました。

もちろん、お客様をお招きして、食事をしてもらうので、それが粗悪品だと困ります。その時の自分のベストを尽くしたサービスを提供するという気持ちはかわりませんが、それがまだまだ「未完成」であり、改善の余地があることを意識しているということが、「謙虚」で健全な心構えなんです。

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DIYでお店を自分で作り上げている時に、こんなことを考えていたので、この思いを表現しようと思い、トイレの壁を塗るのを「未完成」で仕上げました。今でもトイレの壁はこのままです。

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オープン初日に、完璧だと言ってしまうと、もうここからは成長しませんってことでもあるんですよね。

職人とは、完成されたものを引き継ぐ者ではなく、先人たちの作り上げた技術をさらに一歩先に進める者なんです。

そこには、自分の技術や自分自身や、お店はまだまだ「未完成」だという意識こそが、イノベーションを生むのだと思います。

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