見出し画像

やさしい生活


今日、不登校少女になってみた。

まずはそのいきさつを説明させてよ。
いつも通り5:30のアラームの代わりにコーヒーを流し込んで、洗濯物が終わった音と、お湯を沸かし終わった音、
テレビから聞こえる、今日から台風ですよのアナウンス。

あれ、自転車の鍵がない。さがす、血眼になってさがす。
だってスペアないんだもん。ああ、いつのまにか1限が始まった。

鍵がひょこっと顔を出してた。なんで気づけなかったんだろう。すんごい近くからみられてたのに、と自分を少し責める。2日目のカレーライスと2つの傘を持って家を出た。友達、台風なのに傘忘れたんだって。

足が重い。前に進めない。ダメだ、
あの場所を想像すると吐き気がした。
吐物を飲み込むために、スタバに駆け込んだ。
2限から行こう。

このまえ買った千早茜の神様の暇つぶしを開くとすぐ目の前がぼやけた。決して感動しているわけではない。
怠惰と情けの波にとらわれてしまった。怠惰と情けかすら、わからない。歩いてたら津波に巻き込まれて死んだ気分。

活字に涙が滲む光景を初めてみた。想像以上に水分が溢れていたらしい。それでも本は揺るがなかった。おもしろい。


そんな私だけど助けを求めたかった。あの人か、いやあの人の方がいいか。結局、携帯は開かずに読み終わり、家に帰った。この本は大切にすると決めた。





もう少し大丈夫になったら、真面目に生きるのをやめよう。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?