2018年10月 読んだもの

先月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2559ページ ナイス数:106ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/798121/summary/monthly

①薬丸 岳『天使のナイフ』

少年法を題材にした話で、「更生する」とはどういうことなのか思い知らされた。精神的に不安定な幼い加害者はその辛い過去を忘れ、社会に復帰できるよう保護施設で教育を受けるが、自分の犯した罪の重さ、被害者の苦痛を忘れず生きていくことが本当の更生なのではないかと、この本を読んで痛く感じた。

②村田 沙耶香『コンビニ人間』

面白かった。普通って何だろう。常識ってなんだろう。と今までとモノの見方が少し変わるかもしれない作品。いつも同じ日常が流れているコンビニに心を支配されてしまった主人公のサイコパスぶりが笑える。

③相場 英雄『震える牛』 

皆さんが口にしている加工食品には大量の添加物が入っていますよというメッセージ作品に込められている小説。食品衛生、加工法について知ることができた。ただそっちの方に意識が行き過ぎたせいか、ストーリーの面白さを感じられなかった。。

④大江 健三郎『死者の奢り・飼育』

人間、生きるのが正で死ぬのが負、というのがなんとなくあるけど、この本を読んだ後はどっちがどっちとあまり線引きしない方がいいのかなと、死者の奢りを読んで思った。

⑤夢野 久作『少女地獄 (夢野久作傑作集)』

初夢野久作。その世界観にやられました。不気味で独特な物語と文体がピッタリ合っていて、頭の中で場所の情景が終始浮かんでいた。いやー不気味。

⑥村上 春樹『1973年のピンボール』

時系列が行ったり来たり複雑なのと、出てくる単語に意味はあるんだろうけど、解釈できず、高校生の自分には「?」となる部分が多かった。脱線脱線を繰り返して、え?気づいたらゴール?みたいな。でも、大人になったらまた読み返したい作品になった。伏線をわかりたい。

⑦南波 一海『ヒロインたちのうた ~アイドル・ソング作家23組のインタビュー集~(CDジャーナルムック)』

音楽ライター南波一海による、アイドルの作詞作曲やプロデュースを行う裏方の音楽家の方とのインタビュー記事を纏めた本。前にBaseBallBearの小出さんが言っていた、「アイドルソングは大体おっさんが作っている」というのがこれを読んで改めて気付かされた。(笑)学生時代の音楽との出会いや、音楽で食べていこうと思ったきっかけから、アイドルの楽曲に携わることになった経緯など、どの人物も波乱万丈で思いがけない出会いがあり、面白かった。

⑧穂村 弘『世界音痴』

歌人、穂村弘さんのエッセイ集。タイトルの「世界音痴」の他、「自分かわいさ」「青春ゾンビ」など、独自の造語も織り交ぜたユーモアな表現はどれも笑えて、情けないなと痛快な気分に。(笑)その後に「ああ、確かに」と、得心する所もあり、ずーっと読んでいたい本でした。好きです、穂村弘。

⑨樋口 毅宏『タモリ論』

ずっと前から気になっていた、タモリ好きの著者がのタモリの凄さを語る本。自分は「タモリ」について、「笑っていいとも」について、「お笑いBIG3」について、系譜に沿って生きてきた訳じゃないし、生まれる前から「笑っていいとも」はあるけれど、今も昔もテレビの中で前線を張っている芸人は変わらないのだということ、そしてお笑いスターのバイタリティを痛感した。数々のバラエティ番組が始まっては終わる流れの中で、いい意味で毎回同じことの繰り返し、変わらない良さ、みたいなものがある笑っていいともはとても安心できるし、タモリさんにしか務まらない仕事なのかなと思う。







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