行旅死亡人
行旅死亡人
血や嘘の行き着いた鳴声のちょっと先に
柔らかな何も無いものがある
そこで僕と君は互いに手を振った
互いに同じ気持ちにならないように
約束の変性の果てに懐かしい唄だけあって
どうやら私の未来は時代遅れになったらしい
希望めいたザラザラが言い訳に変わった
永遠に生きることにも無限に続く世界にも
記憶が褪せていく理由も
こうしてかつてあった愛を思い出すと
もし俺を殺した人と最愛の人が同じだったとしても
俺は退屈な性慾をワンルームのバスタブに浮かべて
20年前の唄を聴いている筈
またYouTubeの切れ端には悪魔的な何かが笑っている
彼女達くらい俺や僕も金持ちだったら
キャメルクラフトじゃなくて義理の息子に
流行語を貸し暮れていく昨日の
恋人の月9めいた寓話に空腹や燃焼を正直に塞ぐ
目的や条件を上品に見せて詐欺を働きたいから
いやもうちょっとロマンチックな赤子の横の
カスタネットの音高と素数の無いBPMに
脱税と小児性愛者で動物園でめくった夜
けど奴等は中身の無いな貨幣を刺青のように太らせる
でも俺の知っていることが全て二回から落ちた嘘だと思ったら信じる感覚はなんだか無重力に近い
九月はそれを風邪みたいに数えていた
眠たくて春と間違えて四つ葉のクローバーを
探しにバスタブに行った夜の次まで
けれどそろそろ思う事も見飽きた
遺されたのは洗ってないスキニーの匂いだけ
つまりさらば青春の光をプレイヤーに詰まらせて
どっちにしても行き止まりの風俗街で
人魚達のタオルケットに重ねている
檻に見える天国とかBTB溶液とか
まるでアニメの夏油の風呂上がりだった
意味の無い連絡が恋しいけれど
督促状しかポストにはない
またコインランドリーで回ってる
歯医者にずっとあるサンダルは
逆様に降る雨を真似で私を許そうとする
出口の無い不協和音に調律はワンルームで
消えかけた想いに縋るのは夢を遡行する魚だったから
僕のように見えやしない
少しずつそうして潰れて垂れた夜が
額縁からはみ出してグラスを酒や涙で満たす
月からは遠い酩酊だからまた少しだけ距離が濡れる
通用しない言葉で伝えよう
俺はとても退屈な夕陽で欠伸しか練習してなかった
だから日付けが兄弟を天国へ連れて行ったって
僕はまた後悔するために何もしないだろう
日日是好日
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?