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レビー小体型認知症って     身近なんだ

親戚がこの診断を受けた。幻視や幻聴におびえたり
空間にむけて 対話をしている様子があるらしい。
半年くらい 夜中に奇声を出したり 怖がっていたのを 
やがて自分で工夫して 見えている相手に合わせて
対話をすれば 怖くなくなる、と思ってのことらしい。
この症状以外は 普段の生活はいたって 今までと変わらない。
家事も人づきあいも買い物も お出かけも
従来通りしている。
一緒に ミョウガ餅や ちらし寿司を作った時も
料理上手な 優しい綺麗な人という これまでの感じのままだった。
高齢者の免許の更新も 好成績で合格したらしい。
もちろん 車には 盗聴器が仕掛けてあると思い込んで
一切乗ろうとはしないらしいが。

この話を聞いて 不思議だった。
そういえば 友人たちの母親たちや 別の親戚の伯母の
様子で 似たようなことを 以前から聞いていたのだった。

5~6名の人の 事例。
・窓を見て 「向こうの方に こちらを見ている人がいる」
・「天井を虫が這っている」
・「二階に 松本から来た親子づれが歌を歌って もう長期間滞在している」→ふとんを何組も敷いて泊まらせてあげている
・「暴力団の人が襲ってくる」
・娘のために「着物をたのむために 呉服屋さんが来ていて
今 相談中」と 病室のカーテンと話している
・「今 友達と話しているから あんた ちょっと静かにして」と 誰もいない部屋で言う

こういう言葉の事例を聞いた時 こういうのが認知症がなせるものなのかと思っていたものだった。
しかし 身内の場合を身近に見て 単なるボケや高齢の
症状とは思えなくなった。


横向き画像ですみません

おりしも TVで認知症の人が見ている世界を アニメで
わかりやすく伝える企画を観た。
そこで出演された樋口直美さんが 自分の様子や
この症状について くわしく書かれた著書を数冊読んでみた。
とても大変な症状だったのを 冷静に記録しまとめ
そこから自分ができることを見つけ出された経緯を知った。

決して 高齢だから出る、というものではなく
脳内に 特定の化学物質がたまっていき 脳の処理機能が
少し変化してきたことによって 出るというもの・
人それぞれ なぜ そうなるのか どんな症状になるのかも
多様のようだ。

そして 老化だけでなく 過度のストレスや 脳へのある種のダメージや 薬の反応からでも 発症することがある。
脳の活動は パソコンの内部のように 多々の部門を
微妙な電気のやりとりで 繊細に 日々 行われているもの。
どこかに 何か滞ったり 切れたり ダメージを受けただけで バランスが崩れ 電気信号に異常が出る。
すると 日常生活 基本の動作 食べる 呼吸する 五感 考える・・・
いろいろなことが たちまち 影響を受けてくるようだ。

ということは 日々 ストレスにさらされた現役世代も
高齢になってきた我々世代も いつなんどき そういう症例に なるか その可能性は大であると わかった。

私は幼い頃 夜中に目が覚めて 不安感に襲われていた。
天井のシミやカーテンが顔に見えてくることもよくあった。
心霊写真の番組やお化けの話題などは絶対にみない。
知人の訃報のあとは 毎回しばらく 洗髪 洗顔でシャワーで目をつむるのさえ怖かった。
こういうタイプなので バランスを崩すと 似たような
状況になりそうな気がしている。

反面で 「ま、いっか」と 簡単にあきらめ 居直る
雑な面も持っているので 突き詰める前に 気を取り直し
気をそらすことで 日々 過ごしてきた。
耳から ハーモニーや楽器のミックスや美しい音色や旋律を
入れて 脳がおそろしい方へおりていかぬよう 
助け船にすがるように のがれてきた。

しかし 脳内へ化学物質が影響を出すレベルになると 
自力で 精神内で振り払っても振り払っても 解消できなく
なるのだろう。

脳 精神 心 どれも 同じ場所で行われていること
だろうが 本当に 繊細な活動をしていることに驚く。
バランスを保ちながら 維持していることに感謝だ。

「まとも」「正常」 って 何? 
「異常」「病的」って 何?
この境界線じたい 誰が正しくひけるだろうか。
それは はかなく あやうく かろうじてキープしつづけて
維持されているだけのものだ。

少なくとも 少しでもバランスをくずさぬよう 
暮らし方に気を付け いつなんどき ぶれたりふりきれたり
するかも、という心の準備もしつつ
少し揺れている状態にある人のことも 理解していくべき
だと 痛切に感じている。

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