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パラセーリングのお兄ちゃん

東南アジアに旅行に行った時、
初めてパラセーリングを体験した。

その日は快晴で絶好のパラセーリング日和だった。
透き通るぐらい美しい海の上を
風を感じながら飛ぶ。
絶景とはこのことかと思った。

その時見た景色は私が人生の中で
ベスト3に入るぐらい綺麗なものだった。

機会があればもう一度したい。
いや、もう五度ぐらいしたい。

そのパラセーリングを現地で申し込んだ時、
案内係のお兄ちゃんに
「今日は君たちが最後だよ〜」と言われた。
天気は快晴で良い具合の風があり、海も荒れている様子はない。
パラセーリングするには最高の状態だった。
時刻は昼過ぎ。パンフレットに書いてある
申し込み締め切り時間にはまだまだ余裕がある。

「なんで今日はこれで終わりなの?」と聞くと、

明日食べていける分のお金は稼いだからさ。
と言われた。

え!?そんなこと許されるの!?
と内心思ったが、
そのお兄ちゃん曰く、
次の日に生活するお金さえ稼げば、
可愛い女の子と遊んだり、
家族とのんびり過ごしたり、
自分の好きなことをするらしい。

学生を終えたら、
週5日8時間以上毎日働くとことが当たり前だと
思っていた私にとって衝撃だった。

そんな生き方が許される世界があるんだ。
なんて素敵な生き方なんだろうと思った。

もちろん深く考えれば、心配なことばかりだ。
働けなくなったらどうするんだろう?とか
観光客が少なくなったら十分なお金を稼ぐことはできるのか?とか…

でも、そんなの抜きにして
私は彼のような生き方が本当に人間らしい生き方なんじゃないかと思った。

そして、そんな生き方があることを
知ることができて本当良かった。

今あのお兄ちゃんは何してるんかな?

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