京都よそ者生活 序章


早いもので京都生活も4年目。3月になれば5年目に突入する。

1度も足を運んだことのない大学に進学を決め、生協で勧められた物件に一目惚れし即決、最低限の家具だけ母親に揃えてもらって自分はリュック1つで新幹線に飛び乗った。

2016年3月27日。比較的空いていた夜の205系統、

「七条千本なんて京都には素敵な名前のバス停があるなあ」なんて思いながらバスに揺られて下宿先に向かったのを今でも鮮明に思い出せる。

その時はまだ机もなくて、母から教わったレシピをもとに不格好なオムライスを作って、折りたたんだホットカーペットの上で食べたっけ。

テレビも床に直置きだった気がする。


記憶に強烈に残る経験や感情も大切な思い出の一つだが、すぐにぽろぽろとこぼれ落ちてしまう日常の1コマが、後々愛おしい、かけがえのない思い出に感じられるのを私は知っている。

既にこぼれ落ちて消えてしまった記憶もあるが、まだ手のひらにある内にここで少しずつ水槽に移していければいいと思う。


おそらく投稿は時系列がばらばらになると思うので、簡単に今までの4年間を振り返る。


《1回生》とにかくサークルとバイトに明け暮れる。他の大学のサークルに入るという概念がなかった私を新歓の花見に連れて行ってくれた友人には感謝している。その友人はその後の生活で1番関わる人物となる。前から思っていたが私は周りの人間の運がいい。

《2回生》サークルは少し落ち着くがとにかくバイト三昧。地元のいろいろな友人が2ヶ月に1度くらいのペースで京都に遊びに来るので、いくら稼いでも稼ぎ足りなかった。京都の四季折々の行事やグルメの店に積極的に足を運ぶようになる。

《3回生》居心地のいい京都に残りたい気持ちが芽生えていたが、就活で夏休みに最高の企業と出会い、Uターン就職しか考えられなくなる。この頃からサークルは合宿くらいしか行かなくなるが、飲み会には誘われたら絶対に行く。なんとなく全てが順風満帆で、なんとなく何事もうまく行きそうな予感がしていた。

《4回生》就活で大失敗し、半年間の就活留年を決意。昨年度よりも行動第一でインターンに明け暮れる。4年目にもなると自分のお気に入りの場所やお店が定まってきて、自分だけのお気に入りの京都のかたちが見えてきた。5回生の8月に京都を去ることが決まり、少し寂しく思っている。


あとは私のお気に入りの京都を一部紹介して、序章はこの辺りで終わろうと思う。

平野神社のお花見、半木の道と木屋町の桜、夕方の鴨川デルタ、大徳寺を散歩してからあぶり餅を食べること、京大沿いのイチョウ並木、東大路通りから見た冷泉通りの紅葉、琥珀流し、さらさ西陣、船岡温泉、…


いくらでも出てくるのでこの辺で。

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