短歌:春を認める
金曜日、十二度の部屋、人間のかたちをしてるだけのいきもの
春なんて来なければいい雪うさぎ冷凍庫詰め飼い殺すふり
天井を白い鯨が横切って眠れない夜を水に沈める
明日が来ることに対する抵抗を諦めるため卵を焼くの
「やさしい」と「やさしくする」の境界をなぞる手段が国語しかない
夜零時赤信号は意味なさず待ってる私はたぶん透明
星になるだからねと言い君回る夜の色したスカート揺れる
その店は時計が四時で止まってたクリームソーダは輝いていた
食パンとあんずのジャムとミルクティー春を生き抜くためのお守り
「おはよう」にさくらの絵文字添えてみる春をしたため春をみとめる
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