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秋分の日

今日は朝と夜が半々になる。正確には昼の方が若干長いそうである。
明日からは秋の夜長に向かうのである。
9月になってからもまだまだ暑い日があったりするが、そろそろ朝晩はすっかり秋めいてきた。いつのまにか蝉の声は止み、夕焼けの赤めいて、夜の闇も濃くなる。暑さをいいわけに怠けてきたこともはじめなければまずいだろう。

夏休み(なんかテレワークの気分だとずっと休みの雰囲気なのだが)気分もいまだに引きずってはまずい。そろそろ、腰をあげよう。今年の夏は相対性理論に関する本を2冊読んだ。ヴァレリーの本も読んだが、どちらかというとヴァレリーの方が難解だった。ということは相対性理論の勉強が足りないということであろう。(参考記事: Tシャツの日

 秋は、仕事柄本文であるITの勉強をしっかりしよう。新しい知識が目白押しである。担当する講義のお題はAWSということであるが、その前のLinuxのコマンドや、Dockerなどの基本的な考え方と環境づくりをしっかりと復習していこう。基本は実は新しい知識であっても普遍的なものである。ITの歴史は、大手のフレームワークを押しぎせにする後付けのものが多い。実に長い間、IT業界はタイヤを”発明”し続けてきてしまった黒歴史もある。せっかく身につけた知識かもしれないがバッサリ捨てて新しいことを学んでいく姿勢こそ試されるのである。それが普遍的な力であろう。古いモノにしがみつく道も残されてはいるので迷いがあるが、その先も未来をしっかりと見据えていこう。でなければ、コロナ禍で潰れた企業と同じ轍を踏むことになる。次の時代に必要とされることをしっかりと捉えてその基礎を習得していくことが求められるのは業界を問わないだろう。

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今日は、万年筆の日でもある。
1809年9月23日、イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュ氏が金属製の軸内にインクを貯蔵できる筆記具を考案し、特許を取得したことにちなんで制定された記念日とのことである。

 こだわりを持つのは人間の悪癖であるが、この悪がないと人生にスパイスがない。私は長年Windows機でなくMacを使ってきたのも、こだわりといえなくもない。弘法筆を選ばずというから、どんな道具でも使いこなせばいいものだが、それはそれ。
 万年筆は残念ながら一本ももってないが、万年筆は工芸品の要素も強いから、持たずに見るというのがいいであろう。今日は文化の秋にちなんで、目の保養がてら、何品かお目にかけることとしよう。

◯Omas
Omasは、Officina Meccenicha Armand Simoni の略であり社名に冠されたアーノルド・シモーニが創設した万年筆メーカーである。ボローニャ近郊で生まれたシモーニはスパゲッティマシンや時計メーカーで働いて職工としての腕を磨き、1918年に映画カメラ用のスプールと万年筆の内部メカニズムを作る工房を立ち上げた。7年のちに万年筆も開発し会社を立ち上げて以来、実用性溢れるスグレモノをつくる会社として名高い。ギリシャ文化に興味をもつシモーニは、スタイリッシュでバランスのとれたデザインを生み出している。12面体モデル(パラゴン)は一躍名を馳せ定番となっていく。

“Un stylo doit transmettre le plaisir d'écrire”, aimait à répéter Armando Simoni. Si l'écriture révèle l'âme d'un individu, les créations Omas parlent de leur créateur. Passionné de culture hellénique, Armando Simoni a sublimé sa passion pour le classicisme à travers la création d'objets au design équilibré. Les douze facettes du célèbre Arte Italiana n'évoquent-elles pas une colonne dorique? Ce modèle, toujours produit aujourd'hui, est devenu un grand classique parmi les stylos de luxe. Au-delà de ces préoccupations esthétiques, Armando Simoni s'est intéressé dès l'enfance aux questions mécaniques
●dorique ... ドリス式の ギリシャ三大様式の中で最古で男性的

素材は、綿をベースにした軽くて丈夫なベジタブルレジン、セルロイド、プライヤー、チタンなどを使い分けニブというわれるペン先はどれものびやかだ。持ってみると拍子抜けするほど軽いため、最初はお得には思えないが使い方を会得すれば”書け具合*”に脱帽するとのことである。
(* 万年筆は書き具合でなく書け具合と表現するらしい)

この写真のモデルは、「ボローニャ」という。古いレコードファンの竹のレコード針を思わせる書け具合だそうだ。18金のニブは、ペン先が金属とは思えない用紙への触れ味だそうである。この作品は、世界最古の大学ボローニャ大学の創立900年を記念して作られたモデルだ。

ほかにも、Delta社がヴェネツィアをテーマに作った万年筆があり、雑誌「ペンクラブ」に1999年度のベスト・ワンに選定されている。その万年筆が書斎においてあると、冒険家マルコポーロや、作曲家ヴィヴァルディや画家のティントレットや詩人ブラウンニングが彷彿としてくるのではないだろうか。
老舗のモンブランは作家シリーズがあり、アレクサンドル・デュマをテーマに作ったものや、フォークナーモデルもある。
 マルセル・プルーストのモデルでは、六角に面取りされた同軸を植物モティーフを彫り込んだスターリングシルバーで囲み、その中のひとつには、プルーストのサイン。キャップにはモンブラン文字いりの銀クリップがついている。また18金のペン先は「失われた時を求めて」を象徴する砂時計が刻み込んである。

こうした万年筆の中には、骨董の部類に入るものも少なくない。
タンノイのスピーカーや、時計のCh.フロードシャム、切手はブラック・ペニーなど銘品に取り憑かれた収集家が求めて止まないものもある。それが
Nettunoである。1950年に廃業してしまったが、収集家を含めたファンの声応え2001年に復活した。Nettunoのトレードマークはボローニャ市の公園のネプチューン像である。復活のモデルはこのネプチューントライデントがモティーフになっている。
また、Aurora社の「プリマヴェーラ」は美しい緑のボディの万年筆で、蝶の収集家が大枚をはたいて買い求めたときく。

さがせばいくらでも銘品があるだろう。
文化の秋にちなんで、それをめぐる日としよう。

ちなみにキュリー夫人の筆跡が↓である。万年筆がなんだか欲しくなる。



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文化人になったつもりでいうと、このnoteもほぼ100%Macで書かれたものである。仕事柄Windows機ももっていて、2台並べている。閲覧、メールのやりとりなどはWindows機で行い、作業はMacでやるという分業である。
そんな、どうでもいいところにこだわらないと、仕事なんてしないものである。
 
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<来年の宿題>
・万年筆の銘品
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