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カレーうどんの日

2010年に”カレーうどん100年革新プロジェクト”が制定。
6月2日はカレー記念日
7月2日がうどん記念日
"カレー + うどん" で 8月2日を記念日とし、
これを記念日制定委員会(なんだそれは!)に提出し承認された。
とのこと。

元祖はカレーそばが、朝松庵(中目黒)
カレーうどんが、三朝庵(早稲田)とされている
ちなみに、三朝庵はカツ丼の元祖ともされているが、現在は閉店している。
(閉店したから書くわけではないが、ここのカレーうどんもカツ丼も好みではなかった。元祖に幻滅(元祖だからってうまいわけではない)を覚えた最初の店である。)

 カレーそばについては、思い入れが少しある。
丹波屋について書いたことがあるからだ。しかしここは、カレーと蕎麦は分けて出す。同じコンセプト(本格的なスパイシーなカレーと蕎麦)というお店なら、銀座の”よもだそば”の方が有名ではある。
繰り返しになるが、この2店舗ともカレー蕎麦というメニューはない。つくろうと思えば作れるのだろうが、スパイシーと蕎麦が香りで喧嘩するのであろう。
 ”丹波屋の記事”には少し書いたが、アルバイトの女性が東南アジア系の人であった。おそらくは、この方がスパイシーカレーの伝授をした人だろう。
  この類(たぐい)の話の元祖といえば、なんといっても新宿中村屋である。中村屋が老舗たる所以がいくつかある。まずは、関東大震災の際に奉仕パンを配ったり社会に貢献していること、つぎに芸術・芸能をよく親しみサロンを開催し文化を支えるのに貢献したこと、さらに多種多様な文化を受け容れたことである。創業者である相馬夫妻の人柄と教養が老舗をささえるエネルギーとなったのであろう。相馬黒光婦人は島村抱月の劇団とメンバーを支援し、松井須磨子などもよく中村屋を訪れたという。また、ロシアの童話作家ヴァスィリー・エロシェンコも黒光が衣食住の面倒までみた。中村屋のボルシチがここから生まれた。インドの独立運動ボーズが日本に亡命した際の隠れ家はこの中村屋であった。ボーズは本格的なインドのスパイスの知識を伝え、カレーパンが世に生まれるのである。

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 カレーは最初ヨーロッパ経由で日本で入ってきて、インドによってあとから再入門したという経緯で、すっかり日本に馴染んだ料理である。
洋食もその伝でコロッケのnoteで引用したMintの記事をここでも引用してみよう。

Les recettes de The Social Food n’ont pas fini de nous faire saliver. En exclusivité pour Mint, le duo composé de Shirley Garnier et de Mathieu Zouhairi nous a concocté un curry japonais de feu, le karē raisu à consommer sans modération.
●The Social Food  https://thesocialfoodstudio.com/ 参照
● saliver  salive(f)が唾液をさす。
 depenser sa salive で喋りまくるという意味になる
●concoter ... ここでは調理すること 
 だが、準備するの意味もある
 準備するの意味では、ちょいと難しいがレイモン・クノーの「地下鉄のザジ」から
   Tu as raison, dit Gabriel qui se mit à concocter une phrase impérative et, si possible, sans réplique (Queneau, Zazie dans le métro,1959, p. 31).
 (”わかったよ。” 可能ならいつでも言おうと命令文を用意していたガブリエルがそう答えた。しかし言い返すことはしなかった)
●sans modération ...modérationが控えめな、おしとやか
 これに否定のSans(=without) があるので、悪い言葉だと”節操なく”という意味
拙訳)
”ソーシャルフード”のレシピをみるとヨダレが止まらない。雑誌Mintが独占してお届けするShirley Garnier とMathieu Zouhairi の二人のデュオが、日本鍋料理をお届けする、”カレーライス”は、とても人気のある料理なのである。

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このカレーを出汁で解く、鰹節や昆布の出汁とも相性がいい。
さらに饂飩にかける。少しもったりとしたカレーが、うどんとよく絡む。あふあふといいながら啜る。麺の末端で暴れたカレーがあたりに飛び散る。湯気に包まれながら顔を丼に近づけてまた啜る。。。
 そばよりも”うどん”のほうが、というより、カレーのもつ相性の広さ、汎用さに脱帽である。天ぷらもカレー塩で食べる。中華料理でもカレー味がある。

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●見出しの画像
麻布十番にある”くろさわ”のカレーうどん。
豚肉の甘みがさらに加わる。

●参考
スープカレーの日

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