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鰤の日

師走の師の字が、鰤の字の中に現れることと語呂合わせ(不明)で、
12月20日をブリの日に指定している。12月〜2月が旬だということから旬の走りでちょうどいいとも言える。

参考Note: 言葉の日 で、引用した過去ログの中にブリの着色について書いてある。アフォーダンスがおかしくなっているということである。
養殖のカボスを与えて変色を防いでいるとのことである。知は食なりであるが、食は知なりとも言えそうだ。こうした魚は新鮮さより馴れた方がうまいのだが、どうしても見た目につられてしまう。

 歌川広重の作品に”イナダとフグ”がある。

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イナダは梅の季節になるのか。。。1年内で、名前が変わるほどには出世しないだろうなどと思っている。この魚はご存知のとおり、ワカサ→イナダ→ワラサ→ブリとなる出世魚だ。
中国の次のサイトでは、たぶん、北九州の風習について書いている。
新郎の実家から嫁の母にブリを贈答する風習である。これによって娘婿は出世するという。

因为“出世鱼”之名,大概是加官晋爵之意,所以他们习惯以此作为聘礼之一。女家收到后,外母会把一半礼品回送女婿,寓意女婿可以出人头地。
●头地 ... 出世

 年末年始になると、アメ横では、よく鮭をみかけるが、関西(中部地方以西)では鰤をよく見かけるそうだ。

 そういえば、ブリは12月〜2月が旬だと書いたが、その成長(出世)過程で旬は変わるのだろうか。旬というのは決めごとのような気もしてきた。なぜかといえば、イナダは通年穫れる魚だという。それなのに夏から秋にかけてが旬という人もいれば、春から夏にかけてという人もいるからである。成長は速く、体長が30cmから50cmになるまで2年、70cm〜80cmになるまで4年で大きくなる。

Sa forme est fuselée, avec un dos bleu, le ventre blanc argenté, et une bande latérale jaune qui va de l'œil à la queue. Sa croissance est rapide : il passe de 30 cm à un an à 50 cm à deux ans, jusqu'à 70–80 cm au bout de quatre à cinq ans

クオリアリズムブリヌーボーという副題のついた記事がある。
鰤しゃぶをいただいたときに書いた記事で、11月の記事だからまだ、走りのブリをいただいたということになる。

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 12月20日は、東京駅が開業した日でもあるという。東京駅というと、いつも辰野金吾の紹介が出てくる。なにしろ日本の近代建築の礎を築いた人である。それだけ、明治期に関わりを持つ人なのであろう。息子の辰野隆は、鈴木信太郎とともに、”信天翁の眼玉”を記し、多くの人をフランス文学に導いた。なお、辰野隆の結婚式に出た夏目漱石はそこで出されたピーナッツを食べて、胃潰瘍を再発し、そのまま亡くなったというエピソードもある。
 さて、東京駅は赤レンガの装飾で有名な駅が万世橋駅である。東京駅ができる前には、万世橋がまさに東京駅的な役割だったという、その設計に関わったのは、辰野金吾と葛西萬司である。

La gare de Manseibashi ouvrit en 1912. Son nom, qui signifie littéralement « Pont des Dix Mille Générations » reprenait celui d’un pont sur la Kandagawa — la rivière Kanda — qui coule à proximité. En tant que gare du terminus de la ligne Chûô, qui à l’époque reliait Tokyo à Nagoya, elle était l’une des principales gares de Tokyo, au même titre que celles d’Ueno et de Shimbashi. Le bâtiment en briques qui s’élèvait un étage au-dessus du hall de rez-de-chaussée était l’œuvre de Tatsuno Kingo (1864-1919) et Kasai Manji (1863-1942), les architectes mêmes de la façade Marunouchi de la gare de Tokyo.
● à proximité ... すぐ近くに

かつての万世橋駅はmAAchエキュートとして生まれ変わっている。

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当時の通路なども残され、

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アーチもそのままカフェになっている。

万世橋は神田川にかかり、そういえば、永井荷風の日和下駄にこんなふうに現れる。

今市中の坂にして眺望の佳なるものを挙げんか。神田お茶の水の昌平坂
は駿河台岩崎邸門前の坂と同じく万世橋を眼の下に神田川を眺むるによろしく、皀角坂(水道橋内駿河台西方)は牛込麹町の高台並びに富嶽を望ましめ、飯田町の二合半坂は外濠を越え江戸川の流を隔てて小石川牛天神の森を眺めさせる。

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とてもエモい場所である。

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<来年の宿題>
・鰤について
・東京駅
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魚の家の鰤しゃぶ(クオリアリズム所収)


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