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世界法の日

 法による世界平和 第2回世界会議において、9月13日に世界法の日が制定されたそうだ。
 こういうもっともらしい日には、どうしてだかわからないが、無力を感じる。どうせきれいごとを言っても悪は消えないし、暴力もこの世から消えることはない。所詮は、結局、軍事力が強い国がしきったり、脱退したりして、バランス・オブ・パワーなんぞを使うのではないだろうか。クソくらえと思ってしまう。
 大坂なおみ選手の勇気と行動こそ、世界のお偉方は見習うべきではないのか、と素人目にはどうしても感じてしまう。このことについては、また触れよう。政治が人種差別に対して無力であるし、そもそも多数決で決めるような世界の話でもない。政治は数だとか言ってるんなら絶対に解決できない問題だ。だからお偉方が頑張ればよいという問題でもないのである。

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 1926年の今日は明治製菓からチョコレートが発売された日。チョコレートの原料はカカオだが、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、ブラジルの国々で作られる。今日はチョコレートでも食べよう。

今日紹介する記事は、Naverでも同様の記事があったので、ご覧になっている方も多いだろう。。。シルバーの箱で有名なジャックジュナン、凱旋門近くの手作りのお店リエボーなど、魅力的なお店ばかりだ。
さて、その二番煎じ的な記事がこちらであるが、フランス人の感覚で選んでいるところに違いがある。フランス人が自分たちのために選んだお店ということになる。当然といっていいかわからないが、リストには重複が出た。
それは仏日共通で好きなお店ということだろうか。

パリ、あるいは近郊に住んでいる方なら、産業的なチョコをついつい買ってしまう傾向に陥るのは、たやすいことである。スーパーマーケットには大量に売られているし、いわゆる手仕事を模した"似非チョコ"も喧伝かまびすしい。それらは白砂糖が大量に使われた、水添(*1)のもの、(高脂肪で、健康にすこぶるよくない(*2))パーム油(*2)が使われていたりする。

Si l’on habite Paris ou la région parisienne,
il est très facile de se laisser tenter par des chocolats industriels
vendus en grandes surfaces ou par les enseignes des pseudos-chocolatiers artisanaux
qui proposent des produits bourrés de sucre, de gras, de pâtes hydrogénées
(du “sur-gras” très mauvais pour la santé) ou d’huile de palme.

(*1) 水添とは、硬化油が配合されていることを指す。
融点の低い不飽和脂肪酸に水素添加を行い固形化したもの
マーガリンやショートニングの材料になる
この製造過程で、トランス脂肪酸が多く含まれることになる。
トランス脂肪酸は虚血性心疾患や認知力を低下させるといわれ、
オランダなどの国では毒物に指定されている。

(*2) パーム油とは、水添でつくられた硬化油にトランス脂肪酸が含まれているという批判を受け、減らそうとした代替の植物性油である。
飽和脂肪酸が多く、細胞に必要な不飽和脂肪酸が摂取できないという。
それに、粗悪品になると、トランス脂肪酸がやはり含まれ、
ソリューションになっていないことがわかっている。
即席麺を揚げる際に使用されるという。

しかし、とても良質なチョコを提供する腕の良い職人もまた多くいる。もちろん、そうした職人のお店の商品で法外な値段をつけているお店も存在していることもまた事実である。しかし並外れた商品でそれなりの金額を払う価値がある店もある。

これからご紹介するのは、1kgあたり 60-200ユーロが相場で
とても味がよいお店を選んだ。彼ら良質店が繰り出す新商品を見逃さぬようにしたい。そして、ほとんどがネット販売もしているのでぜひ利用されたい。

Heureusement, il existe également un large choix d’excellents artisans quiproposent de très bons chocolats.
Bien entendu, certains d’entre eux présentent des tarifs prohibitifs,
mais c’est souvent le prix à payer pour un produit d’exception.
Voici les 10 meilleurs chocolatiers parisiens.
Il y en a ici pour tous les goûts et les bourses (de 60 à 200 euros le kilo).
Bonne nouvelle pour ceux qui ne passent pas par la capitale
: la plupart possèdent des boutiques en ligne sur leur site Internet!

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いわゆる大量生産のお話である。効率化・合理化の中で仕方のないことなのかもしれない。でも、過激派になったつもりで書くと、それを是認する方々は、チョコを食べる資格がない。まぁ、こう書くとグルメぶりやがって
と眉をひそめる方々も多いだろう。チョコは実は健康にいいこともわかってきている。でもそれは、良質なチョコならばという条件つきなのである。カカオには、緑茶の5倍もの抗酸化作用があるとされ、また、チョコを食べると肌が荒れるというのは正反対でフラボノールが含まれるため赤みから守ってくれる。ストレス緩和効果や、ピロリ菌をやっつける効果まであるといわれている。そんな健康によいチョコを守るためにも
これから摂取する食べ物には気を使っていこうということである。

だいぶ印象を悪くしてしまったのはもしかすると、大量生産にする過程で悪い物質を多く含むのでその成分のせいかもしれない。

前言撤回になるが、チョコは万人のためにある。

これだけ情報が蔓延る時代ゆえにチョコやその他の食品に対する正しい理解はこれからの世代は必要であろう。つまりは自己責任なのである。悲しい事柄をならべてしまったが、良質なショコラティエをご紹介するので、その辺はご容赦願おう。

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◯ ピエール・マルコリーニ
チョコレートの本場はベルギー。
ベルギーのチョコレートには、次のような国際規格がある。

「カカオ分が35%以上、カカオバターが31%以上含有する」
「カカオバター以外の代用油脂を含まない」

国際規格をクリアしたものだけが“クーベルチュール・チョコレート”と呼ばれる。そんなベルギーの、皇室御用達の職人ピエール・マルコリーニの登場である。

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20年以上前からベルギーのチョコの情熱はフランスに伝えられている。
その熱を最も吸収しているのはフランスである。現代社会の冒険家、ピエール・マルコリーニは、失われた豆を求めて世界中を飛び回っている。

Le plus français des chocolatiers belges transmet depuis plus de vingt ans sa passion du chocolat.
Aventurier des temps modernes, Pierre Marcolini part régulièrement courir le monde à la recherche de la fève perdue.

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ビーンからバーへ(豆からタブレットへ)というスローガンを掲げる小団体にマルコリーニは、属する。いってみれば彼は、カカオをチョコに変換するすべての責任を担っているのだ。豆の選別、焙煎、粉砕、精製・・・・

Il appartient au petit groupe de chocolatiers qui pratique le “bean to bar” (littéralement “de la fève à la tablette”),c’est-à-dire qu’il prend complètement en charge la transformation de la fève de cacao en chocolat(sélection, torréfaction, broyage et conchage…).
●conchage ... Le conchage est un procédé d'affinage du chocolat par brassage à une température de 80 degrés Celsius.
Il permet d'uniformiser le produit et d'y incorporer le beurre de cacao additionnel,ainsi que le sucre et éventuellement le lait et les épices (vanille).C'est au cours de cette étape que la pâte de cacao prend toute sa saveur chocolat,perd son acidité et obtient sa fluidité.
conchageとは、チョコレートを摂氏80度で撹拌することにより
精製する過程を指す。ここで、カカオバターや、砂糖やミルクやスパイス(バニラなど)が
加えられる。カカオのパテはこの過程でチョコの様相を帯び、液体から固形へと姿を変える。ここでは単に精製とした。

一味違った四角いチョコレートの味わいを生涯に一度はぜひとも味わってみないといけない。彼の豆はペルーのラスパンパス、メキシコのフィンカラジョア、カメルーンのオーペーニャまで買付、取り寄せている。

Les différents carrés de chocolat sont des incontournables
qu’il faut absolument avoir goûté une fois dans sa vie. Mention spéciale pour les tablettes Las Pampas du Pérou, Finca La Joya du Mexique ou Haut Penja du Cameroun.

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◯ パトリック・ロジェ

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 1994年にチョコレートの世界大会優勝、2000年にはMOFを受賞している。パトリック・ロジェは、おそらくフランスで、最も知られた、そして、最も尊敬されているショコラティエである。
 型破りな才能をもっているのにどこか温かさもある人柄。かれは正真正銘の彫刻家でもある。ガナッシュのロダンとでもいおうか。

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最高の材料を使って、繊細で名伏しがたい傑作にしあげるのだ。

Vainqueur de la Coupe du monde de chocolat en 1994 et Meilleur Ouvrier de France (MOF) en 2000, Patrick Roger est sans doute le chocolatier le plus connu et le plus respecté de France. Personnage atypique et habité, il est également un véritable artiste sculpteur, une sorte de Rodin contemporain de la ganache. Cet artisan utilise le chocolat comme une matière brute, sélectionne les meilleures matières premières afin arriver à un résultat d’une finesse et d’une gourmandise sans nom. Son praliné aux noisettes, amandes torréfiées et sucre caramélisé est sans doute le meilleur au monde et que dire de l’Amazone, demi-sphère au caramel et citron vert ou du Mistral, caramel au miel et fleur de sel. C’est bien simple, on peut choisir n’importe laquelle des créations de Patrick Roger et on est certain de ne pas être déçu.

Amazone

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くるみのプラリネ、アーモンドのトリュフ、
カラメル糖はAmazoneに使うのだろう、おそらく世界最高峰だ

ミストラルの潮風に吹かれたレモン、
les orangettes Corsica

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Instinct

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来年の今日も、ショコラティエの巨匠を紹介していこう。

ちなみに、今日紹介したピエール・マルコリーニのお店は銀座に支店がある。
ピエール・マルコリーニの店
それから、パトリック・ロジェは通販でも買えるようであるし、デパートでも買える。

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<来年の宿題>
・ ジャック・ジュナン
・アラン・デュカス(チョコレート)
・ジャン・ポール・エヴァン
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