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今日はすずらんの日

お久しぶりです。


今日は、2年前の今日の記事をそのままここに引用してみる。


新緑の中 可愛らしげに咲く すずらんは
無粋な私の目にも 麗しく感じる

さて 新型コロナの猛威が吹きすさぶ中
今年はどうやって すずらんを買うことができるだろうか

フランスの記事

では 次のように伝える

La tradition du 1er mai doit s'adapter à la crise sanitaire. Avec le confinement, beaucoup de Français vont sans doute se demander comment s'en procurer cette année. La vente à la sauvette est en effet interdite, et les fleuristes doivent garder portes closes. 

フランス人の多くはおそらく今年はどうやって手に入れようか
疑問に思っている
無許可の販売(la vente à la sauvette) は禁じられていて
花屋さんは戸口を閉ざしているのだから

A la veille du grand jour ce jeudi après-midi, les 14.000 fleuristes français ont annoncé avoir obtenu le droit de vendre du muguet pour le 1er mai, en extérieur et devant leurs boutiques. Dans un communiqué intitulé "le muguet aura porté bonheur aux artisans fleuristes!", la fédération des fleuristes s'est ainsi réjouie d'avoir obtenu auprès du Premier ministre l'autorisation de cette vente sur les pas-de-porte. Espoir déçu : les ventes de muguet chez ces professionnels ne resteront possibles vendredi que "sur livraison et en retrait de commande", a en fin de journée indiqué le gouvernement, soulignant que les règles "qui ont conduit à l'interdiction d'activité de la plupart des commerces" ne "sont pas levées, y compris pour le 1er mai".

5月1日の前夜、木曜日の午後 14000ものフランスの花屋は こう告げた

明日の5月1日に 自店の戸外で、すずらんを販売する権利を政府から得たと。

”花屋に幸せをもたらす!” と 題された声明(communiqué)で

内閣側近からのお墨付き(pas-de-porte(権利金))を得たことに花屋連盟は喜んだ

しかし、この声明には失望( Espoir déçu)も付け加えられている
この販売禁止令は金曜日のみ解禁である と政府は つぎのことを強調(souligner)した5月1日であっても ほとんどの商店はいまだに営業されていないのだ・・・

この記事を読んで、日本が耐えていると報じられている状況が
いかに生ぬるいか 知ることができる。

いま、私の住んでいる街で 花を買おうと思えば簡単だ

”花屋に行けばいい。”

感染者数も桁違いの国と比べることはないのかもしれない
しかし 明日は我が身で 日本がもしその感染者数になった場合は
もはや打つ手があるのだろうか。。。と考えると
背筋が寒くなる。

さて、すずらん というと
私は神保町にある すずらん通り商店街を思い出す。

この商店街は 古本屋が立ち並ぶ表通りから
一本入った”裏通り”にある。

九段下から神保町へ向かう
車なら靖国通りを進むのだろうが
徒歩ではさくら通りを通ろう。すると白山通りにぶつかる。

中華 三幸園がそこにある。

後楽園で野球を観たあと、食事しようと思いブラブラ歩くと必ず入ってしまう店である。
白山通りを信号で跨いでさらに進むと
そこは さくら通りから すずらん通りに呼称が変わる。
(言い忘れたが、信号をまたぐ手前にはインド料理の名店ボンディがある)

すずらん通りに入ると
左には、揚子江菜館(なんでも冷やし中華をはじめた店らしい)があり、右にはロシア亭、そして、スヰートポーヅがある 
日本最古といわれる餃子専門店だ。
老舗の天丼や はちまき もある。

このように一癖ある 味わい深い店が立ち並んでいるのである。
にあげた銘店に 私はいずれも訪問したことがある

とても楽しい気分になった。

スヰートポーヅでは餃子はあっさりとしていて、
いくらでも食べられそうだ。

三幸園の餃子も有名で大きくどっしりとしている。

どちらも甲乙付けがたいのだ。

はちまきの天丼はゴマ油のべっとりとした味わい
昔はこういうのが好まれたのであろう。

海老は塩でみたいな流行がまだなかった時代である
浅草大黒屋でも同じような感想をもった。

なにが面白いって、雰囲気なのだ。
老舗で味わうのは味だけでなく様式ごと食うのである。

本屋 喫茶店 小さなバー
老舗飲食店 こんなアイテムが散りばめすぎていて

それがこの商店街の回遊性をもたらすと 
商店街が儲かる秘訣にあるそうだが、一朝一夕にこの商店街を作ることは難しいであろう。

どうしてここに老舗があつまっているのか、
歴史 はそれを説明するだろうが、つまらない。

その街で生きた人々だけが知るべきものであるからだ。

どうせ生き証人には追いつかないと知りつつも、
若い頃は、キッチン南海へも 足繁く通ったし、
社会人になってからはアルカサールにも
たびたび訪れた。

アルカサールは、いまでこそ生のまんまのハンバーグを出す店が増えたがその先駆けではないだろうか。

私の中の ベスト・オブ カツカレーがキッチン南海で
ベスト・オブ ハンバーグが アルカサールである。

すずらん通りは 銀座にもある
名の由来は 大正15年の
すずらんの形をした街灯であり
最初 神保町 つづいて銀座に導入された。

さくら通り→ すずらん通りと同じく
一本の通りでも 名前が変わる

銀座1-4丁目はガス灯通り
6丁目はすずらん通り
8丁目は金春通りという

銀座の方は さすが洗練されていて
銀座 六覺燈 など ミシュランで星をもらうような店が点在する。


神保町、銀座のほかに
荻窪や経堂にも すずらん通りはあるらしい。
訪れてみたいが もう少し我慢しよう


引用終わり

感染者数は2年前に比較にならないほど増えている。
ちなみに感染者数で比較すると、2020年5月は50人に満たない。
これを書いている2022年は2800人にも登る。
数ではないという、されど数だという感覚もまたあるし、
その数もなれてくる、あるいは飽きてくると感じ方もまた変わるものだな
と思う。

隔世の感が強く、この引用にある記事のスウィートポーズは
すでに閉店して久しい。

レヴィナスの言葉を引用しよう

意味とは、存在そのものを正当化できるような智慧、あるいは少なくとも、存在の正当化と存在の正義に不安を感ずるような智慧のことではないだろうか。人生の意味に気をとられていると語る男性と女性は、日常的にそんな智慧の探求に駆り立てられているのではないか

観念に到来する神について

生きる意味なんて考えなくても、生きてしまっている自分がいる。
そんな自分が隔世の感を感ずるのはいったいどんな余興だろうか。
メーデーに血を流したこともない自分は、のほほんとそんな驚きを日常に取り入れながら、生きているのである。


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