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国際コーヒーの日

国際コーヒー協会が定めた。コーヒー豆の収穫が終り、穫れた豆から新たにコーヒー作りが始る時期であるという。
年度という分け方なら、1年は4月〜9月が前半、10月〜3月が後半だ。
つまり年度の後半のはじまりの日である。気分を新たに今日も書いてみよう。
アンティコ・カフェ・グレコというローマ最古のカフェがある。
ギリシア人によって建てられたのでその名がついたのだが、1760年位のことだと云われる。1780年には、ドイツ人がローマを通るときにお気に入りの場所だと、ウイルヘルム・ハインセは記している。
サルビオーニが大陸封鎖時代にコーヒーカップを発明し、1815年以降はそのようなカップでコーヒーを売り続けたのである。

Ouvert par un Grec (d'où son nom) appelé Nicola della Maddalena vers 1760, il est sans doute le plus connu et le plus ancien café de Rome. Véritable lieu chargé d'histoire, il est aménagé en une enfilade de petites salles aux murs pourpres couverts de tableaux complétées par de petites tables en marbre et de fauteuils de velours. En 1780, Wilhelm Heinse, dans son Tagebuch einer Reise nach Italien le décrit comme le lieu préféré des Allemands de passage à Rome.
C'est à Salvioni, son propriétaire durant le blocus continental, qu'est due l'invention de la petite tasse à café, cette denrée étant devenue rare et chère : après 1815, il continua à vendre son café ainsi.

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このカフェは、スタンダールやキーツやワーグナーが集った。
メンデルスゾーンなどは、この店のことを”陰気な連中と野卑な民衆が群れている荒廃した酒場”などといっている。
世界最古というと、これもイタリアはヴェネツィアにあるカフェでカッフェ・フローリアンである。1720年創業でサンマルク広場にある。私は卒業旅行でサンマルク広場にも足を伸ばしたのだが、この事実を知らず、通り過ぎてしまった。カフェラテ発祥の店だという。
カザノヴァ、ゲーテ、ディケンズ、マルセル・プルーストなどが訪れたという。

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カフェとコーヒーハウスがどう違うのか、浅学でわからないが、世界最初のコーヒーハウスはジェイコブスという人物が東オックスフォードのセントピーター教区の天使像の傍らで開店。1650年のことで、”カフェ”よりも70年ほど早い。イギリスのコーヒーハウスでは、宗教上の会話が禁じられていた。ロトは許されなかったが5シリングまでの賭けは許された。コーヒーはブラックで飲まれていたが、時には卵を混ぜたり、ブランディが入れられていたという。男性の憩いの場で、女性には不評だった時期もあったが、後にその憩いの場に女性も交じることとなった。

コーヒー自体は、カフェやコーヒーハウスができる前からヨーロッパにあった。植物学者アルピニウスにより、1592年にCaovaと言及されている。リンネはコーヒーがアラビア原産だと思いこんでいてコフェア・アラビカと呼んでいる。これに疑問をもったシャルル・ポンスはエチオピアにコーヒーの樹があることをきいて、原産は別の場所にあり、アラビア人によって伝えられたことを調べた。

コーヒー豆といわれているが、豆類ではなく「コーヒーノキ」という植物である。コーヒーチェリーといわれる実の中にある種(たね)から外皮、果肉、パーチメント(内果皮)を取り除いたものを生豆とするのである。厳密には、この”種(たね)”と呼ばれているものもシルバースキンで覆われているが、焙煎するとチャフとなって剥がれ落ちるのである。
現在の主な産地は、北緯25度〜南緯25℃の範囲(コーヒーベルト)である。
収穫時期は、一年中なのだが、南北の回帰線に近い地域では4−9月で、取れた豆が届くのが10月なので、この日がコーヒーの日というのであろう。
コーヒーの精製は、5つほどある。フローター選別(水にいれて浮いた豆を取り除く)→パルピング(果肉を取り除き)→発酵させ→水洗いする¶→パーチメント除去→グレーディングという工程で、¶の工程によって分かれる。

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¶の工程は、ミューシレージといわれるパーチメントに付着する粘質物の取り除き方によって変わる。ウォッシュドというのは、発酵槽の中で発酵させて取り除く。すっきりとした澄んだ味わいになるという。セミウォッシュドは発酵槽に入れずにパルピングのときに一緒にミューシレージを取り除くのでよりすっきりとクリアな味わいで酸味も少しでてくる。パルプドナチュラルという方法では、ミューシレージをつけたまま乾燥させ、脱穀して取り除く。ナチュラルはパルピングをせず脱穀機にかける。甘い香りとコクがでるが雑味が残る。スマトラ式はフローター選別をせずにパルピングしたあと、そのまま天日乾燥し、生乾きの状態で脱穀機にかけ、さらに乾燥させる。マンデリン独特の香りが楽しめる。

ストレート式のコーヒーの7割はアラビカ種で、2割がロブスタであるこのほかリベリカ種などがある。このアラビカ、ロブスタ、リベリカを3原種という、ロブスタ種は主にインスタントコーヒーの原料で、カフェインが最も多いのがこの品種である。リベリカ種は日本ではほとんど扱われておらず、主にヨーロッパで流通しており、苦味が強い。

流通上はスペシャリティ、プレミアム、コモディティの3つに分類される、これより低いものをローグレードというがインスタントや缶コーヒーがこれにあたる。スペシャリティはトレーサビリティがはっきりしていて、ニューヨーク相場では取引されていない。プレミアムはコモディティに産地や品質などの付加価値がついたものである。
精製方法の最後の工程に、グレーディングがあるが、これは欠けているものなどを取り除く作業である。等級をつけるのもグレーディングというのだが、国によって異なる方法である。たとえばグアテマラでは栽培地の標高で格付けがあり、一番よい品質とされるのはSHBである。コロンビアはスクリーンサイズ(豆の大きさ)で格付けされ、ジャマイカはスクリーンサイズと欠点数(異物などの混入が低いほうが上)で最上級はNo1といわれる。

新入社員のころ、横浜で顧客と打ち合わせ時に、ブルーマウンテンNo1を出す喫茶店に入り、値段も確認せずに興味本位でこれを頼んだ。会計時に1500円もとられて、領収書も経理に出せなかった”苦い”思い出があるのだが、このコーヒーはすごく美味しかった。バランスがよいと云われる品種である。

一般に、酸味・苦味・甘味などで説明される。酸味はキリマンジャロが強いとされ、甘味はグアテマラが強く、苦味はマンデリンが強いとされる。
モカマタリはフルーティ、コロンビアはコクがあると表現されている。
日本人が好きな味というのもあるだろうが、ブルーマウンテンは実はジャマイカで採れる7割が日本向けの輸出らしい。

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<来年の宿題>
・コーヒーハウスとカフェの違い
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