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アルプスの日

英国の鋳金技師ウィリアム・ガウランドという人が槍ヶ岳に登頂した。
1878年7月28日だ。
そして、アルプスと遜色ない風景だと言ったという。
これが日本アルプスという名の由来になった。

日本アルプスには、3000m級の山があるが
本家のスイス・イタリア・フランスをまたがるアルプス山脈には
4000m級である。モンブラン(4,810m)、モンテ・ローザ(4,609m)、
マッターホルン(4,478m)。。。などなど

ちょっと過去記事をみてみよう
魔の山とララバイという副題がついている。

魔の山 と ララバイ
スイスの名峰マッターホルンは
霊山として怖れられていたため登頂が遅れたという。
はじめて登頂したのは英国のアルピニスト
エドワード・ウインパーで、1865年のことである。
アルピニストは山に憑かれるのか
ウインパーはシャモニー=モンブランで急逝する。
ウインパーのマッターホルン初登頂は7人中3名がなくなっているから
諸手をあげて喜ぶわけにはいかない。
そんな悲劇を経験してなお、登山を続けるというのはいったいどういうことなのだろう。

臆病な自分にとって
山はみんな魔の山だ。

トーマス・マン 魔の山の舞台、ダボスからも
マッターホルンにそっくりの山が見られるが、
グラウビュンデンのマッターホルンという山だだそうである。
小説 魔の山のヨアーヒムも山からなかなか下りれなくなった
いったい山には何があるのだろう。

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マッターホルンの麓
ツェルマットへはガソリン自動車の乗り入れは禁止されている。
澄んだ空気を守るためである。
午後4時には夕闇が早くもせまり
峰がオレンジ色の輝きを見せてくれたと思うと
一瞬にして青い闇に包まれてしまう
その静寂の中、灯りを求める店のドアを開ける
ピーンと張りつめた空気がほぐれ
光と人声があふれ出た。
ツェルマットの名物はレシュティやラクレットなど
ジャガイモを使ったものが多い。
チーズ・フォンデュを囲んでいる人々が
赤ら顔なのはホットワインのせいか 暖炉の火のせいか。
外の紫とあいまって
温もりのあたたかさが身に染みる

ツェルマットはマッターホルンのスイス側の街で、
イタリア側には、ブレイユ=チェルヴィニアがある。
ちなみに、ブレイユ=チェルヴィニアには、Saint Hubertusという豪奢なホテルがある。これも過去記事からだが、せめて写真だけでも載せておこう。

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イタリア側のホテルを紹介したが、過去記事では、スイス側のホテルの紹介に話は続く

ツェルマットに最初のホテルができたのは
ウィンパーが初登頂する約10年前のことで、
ホテルの名はモンテローザである。
このホテルは、ウインパーによって有名になった。

L’hôtel Monte Rosa est un hôtel, situé dans la principale rue de Zermatt.
L'hôtel est inauguré le 24 juillet 1855, par Alexander Seiler, son 
premier propriétaire.
Il est fréquenté par les membres de l'Alpine Club britannique pendant 
l'âge d'or de l'alpinisme,et notamment par Edward Whymper qui réalise la p
remière ascension du Cervin en 1865.
L'hôtel doit son nom à la montagne la plus haute située à proximité de 
Zermatt, le mont Rose.

Cervinとは、フランス語でマッターホルンを指す。マッターホルンの麓にありながらモンテ・ローザとはおかしいなと思っていたがフランス語でもちゃんと言及がある、スイス最高峰の山の名にしたのであろう。

今度は音楽の話になるのであるが、

そんなスイスのホテルを思い出したところで
聴くJazzは オーサンティック・ライト・オーケストラ
スイスの多国籍バンドである。
演奏レベルはめちゃくちゃ高い。
曲はジャズ、クラシック、ロックやさまざまな音楽の融合が感じられる。
東欧の民俗音楽の要素もあるから
融合のほどに圧倒されてしまう。
ボーカルの
ヴェロニカ・シュタルダーの節回しに
なんとも癒される。

そして、トーマスマンに話が戻る。

トーマス・マンは
さまざまな教養を「魔の山」に詰め込んだ。
詰め込んだだけではなく
戦争を持ち込み 登場人物たちの教養を破壊した
(と僕は読む)

山の厳しさは僕にはわからない
何度も登る厳しさも僕はもちあわせていない

そうだ山の厳しさが怖いからこそ
Jazzを聴いているのだ。

山はごまかしがきかない
小手先は通用しない
努力したって雪崩で台無しになる。
雪崩みたいだとラクレットの様子を笑うことも
不謹慎なのだ。
だからJazzを逃避で聴いて口を開かぬようにしている。
そして、今の僕はそれでいいと思っている。

山を怖がるからといってJazzに逃避するのは私特有のことで
もっともらしく語るには、説明が足りない。”だから”でつないでいい話ではないと、今は思う。
山を畏怖するのは大事だが、親しむのはもっと大事である。
山に登ったときの、慎重さと、一歩一歩焦らず休まずを続けていく行為こそ、いまの自分には必要なことであろう。

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<来年の宿題>
・モンテ・ローザの麓について
・山で飲むコーヒーが美味しい件
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