大好きな先輩が退職した話

皆さん

おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。

ぴよぱたです🐣

今回は完全なる自分自身のための日記になります。

みんなが読んでも読まなくても、私が記憶に残しておきたい事柄なので書きます。


今の職場に入社したのは3年も前のことだ。
当時新卒だった私は、不安ながらもOJT担当の社員に教わりつつ業務を遂行していた。

大好きな先輩(以下先輩)と関わったのは入社一か月後ぐらいだったかな。
店舗が違うので、電話でのやり取りだった。
勤務先の店舗が違うと「うちに在庫ないからくれないか」「在庫に余剰が発生したので引き取ってくれないか」みたいなやり取りを社員間でやることが多い。
新卒の私が「初めて他店舗の社員と会話した」出来事だった。

私の中で先輩が印象に残るには十分な出来事だったと思う。

OJT担当の社員など、複数の社員と知り合いらしく、私の情報はその先輩に筒抜けだったらしい。
当時の私はそんなことどころか電話相手が誰なのかも知らなかった。
電話越しにペラペラと楽しそうに喋る先輩相手に「めっちゃ馴れ馴れしいなこの人」と感じていたぐらいだ。

電話が終わった段階で「H(先輩)さんからの電話やったやろ?」と聞かれ、あれが先輩だったのかとその時初めて認識した。

それ以降、私はずっと不愛想に電話応対をしてしまったことに罪悪感を抱いていた。
これは今も抱いている。先輩はきっと何も覚えていないんだろうな。


月日が経ち、社会人3年目にして二度目の人事異動の辞令が出た。

異動先の店舗名を見た瞬間「あの先輩が働いていた店舗だ」と思った。

しかし、新卒の時から3年が経過しているため、先輩も異動している可能性があった。

私は先輩がいなかった場合の人間関係再構築の壮絶さに不安を抱きながら、異動先の店長に挨拶をしに行った。

店長から「この店舗に知ってる社員いる?」と聞かれ
『今いるかわからないけれど、新卒の時から数回電話でやり取りしたH(先輩)さんという方なら。。。』と答えた。

その瞬間「お!Hさんか!グループ一緒だからいろいろと聞くといいよ」

驚いた。先輩がまだこの店舗で働いていた。
何より17人も社員がいる店舗で、同じグループに配属された。
軽々しく使いたくない言葉だが、本当に奇跡だと思った。

同時に、電話でしか話したことがなかった先輩に会うのが怖くなった。
幻滅されたり、こいつ仕事できないなって思われたらどうしよう。
折角同じグループで働けるのに、自分が足かせになってしまったらどうしよう。

好意を寄せる相手にはとことんネガティブが働く。
ポジティブに生きていきたいんだけどなあ。

先輩と顔を合わせる機会が訪れた。

なんか素っ気ない、かも。

先輩は思った以上にあっさりした人だった。
他人に深入りしなさそうというか、仕事に関係ない雑談とかを嫌いそうな。
そんなドライさを感じてしまった。

私はそれからあまり先輩と話せずにいた。
3か月ぐらいは作業について質問する、ぐらいでしか声かけたことなかったかも。

4か月目ぐらいにお店がめちゃくちゃ暇な日があった。
夜、仲良くしてくれていた後輩と先輩を交えて3人で閉店まで2時間ぐらい売り場で雑談をした。(ストアコールもなくて、マジでずっと喋ってた)

初めて先輩と仕事以外の話をした瞬間だった。
『先輩、もっと冷めた人かと思ってた。雑談とか嫌いそうだし、プライベートと仕事で関わる人リセットしてそう。話しかけるの怖いもん。』
初めて本音を先輩にぶつけた。
文章にするとノンデリすぎてビンタでは済まないようなこと言ってるな。

「え?!私めっちゃ雑談好き!なんなら仕事の話なんてしたくないし!時間あるときパートのおばちゃんと恋バナしてたりする!」
想像もしてなかった答えが飛んできた。
完全なる偏見で、先輩と話す期間を4か月も失っていたのだ。

今度から話しかけるようにしよ~!なんて笑いながら楽しい雑談タイムは終了した。

それから一日1回ぐらい、テキトーな話題を投げかけたりした。
麻雀やったことある?とか、テレビゲームやる?とか、ライブの話とか。
たまに職場で起きたクソみたいな出来事とか、客にムカついた話とかもするようになった。マイナスな話題嫌いかもしれないから、ほどほどにしたけど。

私は話題作りが下手くそだ。どこまで踏み込んでも許されるのか、この話題は相手にとって地雷かもしれないだとか、ネガティブが働いて相手に興味はあるのに聞けない、話せないことが多い。

そんな私なりに、少しでも先輩と話そうとがんばった。
今思えば変な話題ばかりだったかもしれない。そんなん聞く必要ある?みたいな。
回答がどうとか正直どうでもよくて、私はただただ先輩と話がしたかったんだ。

ある程度話せるようになった時に
「あ!ぴよさん、私辞めます!」
と言われた。

あっさりだった。ケロっとした顔で言われたのを今でも覚えている。
上司から「あの子は夢があるから、夏ごろには辞めると思う」と聞いてはいたものの、私はその一言で硬直しちゃうぐらいショックだった。

あまりにも無感情に宣言されたもんだから
『はいっ!』
しか言えなかった。

寂しい、辞めないでほしい、まだ話し足りない、話したい事が沢山残ってる、もっと仲良くなれたはず、もっと一緒に働いていたかった。

色んなわがままがこみ上げた。

いつの日からか、シフト表を見て先輩と出勤日がかぶっているだけで心躍らせるようになっていた私は、自分が思うよりずっと、ずっと、先輩のことが好きだった。

先輩とかぶった日はいつも以上にやる気が出たり、嫌な客に遭遇しても耐えられた。

人として好きだった。
どこが?って言われると難しくて悩んでしまうけれど、なんとなくイイなって思ってしまったんだ。
特別好きな部分があるわけではないのに、それでも好きだな~って。雰囲気?キャラ?わかんないや。
でも惹かれる何かがあった。優しいしね。

言葉を交わす度に『あと〇か月で居なくなっちゃうんだな』って、嫌なカウントダウンをしてしまっていた。

これ、辞めるときまでカウントダウンしてたんだ~。
後輩とかにあと〇日でいなくなっちゃうんだよ!ってめっちゃ言いふらしてた。どんだけ好きなんだよ。


辞める話をされてから、かなりの速さで仲良くなってしまった。
くだらないLINEを送りあったり職場で会話したり、嬉しくもあり同時にものすごく苦しかった。

もう少ししたら会えなくなっちゃう先輩と、これ以上仲良くなってしまったら辞めた後自分のメンタルがやられちゃうんじゃないかって、怖くなったりもした。


あっという間に先輩と最後の日を迎えた。

少し話すだけで泣きそうな予感がしていた私は、あえて先輩と話さないように、会わないようにしていた。
泣くと止まらなくなるタイプなので、勤務中に泣くわけにはいかない。

それに、先輩は私と最後の日なのにケロっとしていて、19:00ぐらいまで最後だってこと知らなかった。
気にしなさすぎだろ。もっと私を気にかけてくれや。

そんな先輩相手に、泣きじゃくるわけにはいかないじゃないか。
泣いても困っちゃうだろうし。
何より私だけが激重感情抱いてるって思われるのちょっと嫌だし(謎プライド)。


いよいよ店を閉めて帰るぞー!ってなった時、先輩から
「ぴよさん!今までお世話になりました~!」
と言われた。

『お世話になりました!あとこれあげる!』
テキトーな挨拶をしつつ、プレゼントと手紙を渡して背を向けてしまった。

限界だった。これ以上何か話すと声が震えたり涙がこぼれたり、何かしらボロが出そうだった。
背中を向けて誰よりも先を歩くことで、顔を見られないようにした。

私と先輩の最終勤務はあっけなく終わってしまった。

自分が書いた手紙にすべてを託して家に帰った。

泣くとうまく話せなくなる私にとって、手紙は最強の想いを伝える手段だった。
枚数が多すぎるとよくないから、伝えたいことを簡潔にまとめて、とにかく感謝していることと、先輩の存在が私にとってかなり大きかったこと、これまで楽しかったこと、本当は誰よりも寂しがっていること、全部書き殴った。


先輩からLINEで「感動レターありがとう」の一文がきた。

やっぱりあっさりしてんなぁ。
そう思った。

7月9日、先輩がいなくなってからの初出勤だった。
テキトーに業務をこなして、帰ろうとしたとき
「ぴよさんこれ、H(先輩)さんからの預かりもんです。」
後輩から手紙をもらった。

封筒の表に「ぴよさんへ」
裏を見ると「Hより」
の文字。

信じられないぐらい嬉しかった。
先輩、あれから手紙を書いてくれていた。

内容は私が送った手紙への返答だったり、反応だったり、一緒に話した内容のことだったり、私への想いが沢山こめられたものだった。

最後の文にあった「出会えたことが財産です。」

本とかエッセイでしか見たことないような文章が書かれていた。
ありえないぐらい嬉しかった。

私という存在に出会えたことに感謝してくれる人が居ること、そしてそれを伝えてもらえたことに涙が止まらなかった。


最後の最後に、ちゃんと声に出して伝えられなくてごめんなさい。
泣くのが嫌だから、恥ずかしいからって逃げてごめんなさい。

今ここで謝ったとて、本人には届かないし、今更届ける気もないんだけど、何気に人生で1、2を争うぐらい後悔している。

もっともっと話せば良かったな。
変な意地張らずに素直になれたら良かったな。

今度は失敗しないようにしたいな。

先輩は海外に行っちゃうみたい。
日本に帰るころには私のことなんて忘れちゃってるかな。

片隅でいいから、あなたの記憶に残っていますように。





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