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潜んでいた



ひさしからぽつぽつと流れ落ちる雨粒


そんな感じで放たれる言葉をいちいち拾ってノートに書き起こす


義務付けられた労働はこんなところから始まっている


虚ろな教師の目


砂埃を立てないように静まり返った生徒たち


みんなといるのに独り


独りなのに幸福なふりをする


若さゆえの残酷さなんてつゆしらず


本能に乗っ取られた思考は


彼らを崖っぷちへと運ぶばかり


私は息を潜める


誰にも遅れを取らないように


ただそれだけを生きがいとして



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