【読了】エネルギー(上/下巻)

資源開発を巡り総合商社マンや投資家、経産省の官僚、関係国のキーマン達や、資源開発に反対するNGO団体や網走の漁協組合とが激しく激突する超大作です。(舞台は2000〜2007年位)

自分達に有利になるように辺境の国(イラクやイラン、サハリン)に足繁く通い地道に交渉を行いますが、国際情勢や政治方針により暗礁に乗り上げたりと、一筋縄には行かない難しい状況の中でどうにか成果を上げようと奮闘するストーリーは圧巻です。

登場人物全員が胸に秘めた熱い想いや守りたいものがあり、その為に粘り強く達成しようと努力する姿に強く惹かれました。
(長年実績を上げ続けたイランで新たに油田の利権を得ようと奔走する亀岡や、自分の生まれ故郷の網走の海とサハリンの土地を守ろうと必死に抗議活動を行うとし子には感激しました…)

資源開発には環境破壊が必至な中で、利権を獲得したい金沢(五井商事)、環境を守りたいNGOのとし子と漁協組合の男性は兄弟だったのです。
漁協組合の立場としては、環境破壊は防ぎたい一方で漁船の燃料確保のためにはサハリンBの開発を賛成せざるを得ず、妹のとし子はショックで涙が隠せず…。

最終的にはロシアの国営企業(実質プーチン大統領)が介入する事になり、サハリン住民(先住民族)は反発が出来なくなりました。

それでも、自分の使命感で資源開発の反対活動を行いにとし子の場面で小説は終了しました。

昨今のウクライナ情勢を受けて、サハリン2を巡る報道もあった事もあり、報道内容の理解を深めるべくサハリン2をモデルとした本書を読みました。
しかし、読了すると登場人物の熱い想いと行動力に圧倒されるばかりでした。
私には、何か人生をかけて守りたいものはあるのだろうか…😭

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