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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を振り返る

独居独身で、海外旅行やペアダンスや外食を趣味とする私にとって新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)のパンデミックは、地獄のような暗黒の期間の始まりでした。いまでも思い出すのも嫌ですし、そのことについて書いた本や記事を読むのも嫌です。

しかしその一方で、コロナを振り返って、どのような対策が有益であったか、どのような対策が無益であったか、どうあるべきだったかを考える必要があると思います。

以下に述べる内容は、一般的な国家を想定しており、中華人民共和国や北朝鮮のような国は例外として考えてください。

  1. ロックダウン

  2. 患者の隔離

  3. 外食や飲酒の制限

  4. 海外旅行の制限

  5. 制限撤廃の時期とコロナ制限の逆転 (治療や宿泊の拒否禁止等)

ロックダウン

都市や地域のロックダウンは、感染拡大防止手段としては強力です。しかし、あまりに多くの人に甚大な犠牲を与え、経済的にも政治的にも行政的にも困難を伴います。

春節の前に武漢で強力なロックダウンを行っていれば、すこしは拡大が遅くなったかもしれませんが、まあ感染力が強いので遅かれ早かれ拡大していたでしょうね。

外出禁止のような極端な政策を中華人民共和国のみならず、欧州のような自由主義の国々ですら実施した地域があったのには、本当に驚かされました。

あまりに劇薬であり、長く続けることはできませんし、仮に鎮圧に成功しても、どうせ再度どこかから再流入してしまうのだから、今回のコロナに関しては、全く不適切で無意味な対応であったと言えるでしょう。

患者の隔離

患者の隔離は、治療、家族感染対策、宿泊困難者への対応などの意味はあったかと思います。その一方で、社会的な感染拡大という意味はほとんどなかったように思いますし、強制的な隔離は人権上も行うべきでなかったように思います。

また隔離場所を確保するのには各国ともに非常な苦労があったように思います。

日本ではなんとかホテル隔離という方法を考え出し、自主的に家族への感染を防ぐような方法が取れたことは非常に良かったと思います。

外食や飲酒の制限

飲酒の制限は、今回のコロナで最も功を奏した対策であったと思います。行うたびに、みるみると感染者が減っていきましたからね。

日本政府が行った、飲酒や宴会に的を絞った対策と、助成金の大盤振る舞いは非常に良い効果を生んだと私は考えています。欲を言えば、酒類の販売そのものを止めてもよかったようにも思いますが。

その一方で、人はずっと家にこもっていたら精神疾患になって自殺してしまいますから、最初の緊急事態宣言のように、全ての飲食店を閉じるようなことはするべきではなかったと思います。

また日本政府の制作は、強制ではなく、助成金を使った誘導であったのも、非常に良かったと考えています。強制的に人の自由を奪うべきではありませんし、そのようなことを行えば、欧米のように人々は対策を無視するようになるだけでしょう。

私は外食や飲酒文化を愛していますが、それらを守る意味でも、日本政府の取った行動は、諸外国に比べて大きくマシであったように私は思います。

海外旅行の制限

海外旅行の制限は、ごく初期の段階を除けば、感染拡大を防ぐ意味はほぼ無かったと言えるでしょう。国内で感染が拡大してるのに、外国との交流を防ぐことには全く意味がありませんでした。きわめて不当であり、無意味であり、世界を混乱させた元凶の一つであったと思います。

ワクチンが広まる前は、そもそも飛行機に乗るのも恐ろしいですし、外国の地でコロナに倒れることを思うと、簡単に渡航するのは難しかったです。

しかし、それでも現地に仕事や家族がいる人の移動までを禁止した、日本を含むいくつかの国の行為は、極めて深刻な人権侵害であったし、きちんと責任が問われるべきだったと思います。

十分な医療保険に入るとか、療養施設の枠を確保するためにお金を払うとか、そうした措置によって入国を許すべきだったでしょう。

検疫隔離や陰性証明は全く無意味な対策でした。なぜなら、すでに国内にコロナが流行っているのだから、外国からコロナが入ってきても何も変わらないからです。

制限撤廃の時期とコロナ制限の逆転 (治療や宿泊の拒否禁止等)

コロナはワクチンが普及してからは、特別に恐れるべき病気ではなくなりました。

その時点で、病院での治療やホテル宿泊を拒否できないようにすべきであったと私は思います。少なくとも、旅行者が沖縄でコロナ感染して立ち往生してしまうような事態は絶対に防ぐべきだったでしょう。

こうした措置がなかったために、世界や日本の観光業界の復活は大きく遅れたと私は考えています。

総論

総論でいうと、日本はコロナ対策を世界で最も上手くやった国の一つだったかなと思います。ノーガード以外の作戦では、日本の作戦は最も上手くいったものの一つだったでしょう。

海外からの入国の制限が重すぎたこと、解除が遅れたことは、人権問題として責任が問われるべきと思いますが、それ以外はわりかしよかったと私は思っています。

しかしその一方で、日本でも世界でもコロナという感染症への対応は、あまりにもヒステリックであったとも感じています。

新型コロナウイルス感染症は、全世界で統計上数百万人の人を殺しました。しかしタバコは、全世界で毎年数百万人の人を殺しています

コロナはあくまでウイルスですから政府の言うことは聞きませんが、タバコは理論上は禁止することができます。

しかしその一方で、各国政府はコロナをきわめて厳しい政策で制限しようとし、タバコは野放しにしています。

このようなことは矛盾しているように私には感じられます。

各国には理性を持った疫学的な健康政策を行ってもらいたいと切に願うばかりです。

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