慣れてきて油断したところで帰国|台湾2014 #4(完結)
前日の行程:
女装した後九份を訪れたら台風がきた。
周記肉粥店 ローカルな朝食
まだ雨模様なものの、前日の嵐は通り過ぎたようだ。翌未明の帰国なので、嵐が1日ずれていたら、飛行機は飛ばなかったかもしれない。そんな安堵を感じつつ、最終日の観光に出かける。
朝食に、地元の人が集い、ローカル色が強い「周記肉粥店」へ。字の如く、お粥のお店。慣れない海外の食事に疲れた胃には優しい朝食である。ただ、地元の人が利用して混雑気味。前日朝に行った豆漿(豆乳スープ)といい、台湾人、さては胃が弱いのか。
お粥の店なものの、店のおすすめは紅焼肉(豚のから揚げ)らしく、これが大変おいしい。濃いめに味付けされた唐揚げと、薬味と一緒に食べるのが相性がよい。
龍山寺 地元でも現役なお寺
朝食後、龍山寺へ。ちょうど朝のお祈りの時間だったようで、大勢の地元の人たちが、お経を唱えていた。合掌&合唱。
台北市内で最古の寺院であり、国家古蹟であると共に、台北101、国立故宮博物院、中正紀念堂と並ぶ台北市の「四大外国人観光地」とされる。艋舺清水巌・大龍峒保安宮と並ぶ「台北の三大廟門」といわれる。
引用:Wikipedia_艋舺龍山寺
龍山寺は、旅行者にとっては、故宮博物院や中正紀念堂とならぶ台北の定番観光スポットの一つでも、地元の人たちにとっては、神様仏様に祈りを捧げる大事な場所なことを感じる。
ここの参拝の仕方は、お香を持って7つの香炉を廻って、それぞれの神様(月下老人をはじめ、孔子や関羽など100以上)に参るというもの。また、ここのおみくじは、赤い三日月型をした「筊杯(ジャオベイ)」の木片二つを投げて、神様からの回答をいただくというもの。いずれも儒教・道教の寺のため、日本の寺・神社とは違う形で参拝することが、異文化感。
おみくじは、見事裏表(神様の答えはYesという意味)が出た。ありがとう月下老人。
淡水 油断
これまでほぼ一緒に行動してきた3人だったが、それぞれ見たいものがある、ということで、急遽別行動タイムに入る。
初海外4日目にして、これはイケそうだぞ、ということで、台北からMRT(地下鉄)で30分ほどの場所にある港町、淡水に赴くことにした。
が、意気揚々と乗り込んだMRT淡水行きに乗ったものの、待てど暮らせど淡水に着かない。
そう、旅の疲れからか、淡水行きのMRTに乗ると同時に熟睡し、淡水到着後に折り返して再び台北市内まで戻ってきたのだ。どうりで士林駅を2回見たわけだ。イケそうだぞ、と思ったのは、MRTの固い座席が見せた短い夢であった。
ホテルに戻って不貞寝してやろうかとも思ったが、さすがにそれは日本に帰ってからにしようと思い、再びMRTを乗り直し、30分で行けるところを1時間かけて到着。
結果的に、思ったほどのタイムロスではなかったので、淡水の海沿いの散歩道を歩く。台風一過でまだ高い波を横目に、海風を浴びながら、20分ほど歩くと、史跡「紅毛城」が見えてくる。
紅毛城(こうもうじょう)は古くはサント・ドミンゴ城(聖多明哥城)、アントニー要塞(安東尼堡)と称され台湾新北市淡水区に残る古跡。1628年、当時台湾北部を拠点としていたスペイン人により建設され、スペイン勢力撤退後はオランダ人により1644年に再建された。1867年以降はイギリス政府に租借され、当時のイギリス領事館が業務を開始し、それは1980年に中華民国政府に所有権が移管されるまで続いた。紅毛城は台湾に現存する最古の建築であると同時に、内政部により国家一級古跡に指定されている。
引用:Wikipedia_紅毛城
紅毛城は、もとは大航海時代にオランダ人が拠点として建てた要塞で、後にイギリス人、そして中華民国のもとに落ち着くという、歴史ある建築物。台湾で最古の建築物と言われ、内部には解説パネルなどがあるなど、よく手入れされている。そして無料。史跡として割と価値がありそうなのに無料。最高。
三峡老街 道に迷ったら警察に聞け
淡水を後にして、もう絶対に寝過ごさないぞという強い意志のもと、台北市内に戻る。友人らと合流し、台北駅の名物駅弁である排骨飯を食べることに。濃いめの味で確かに美味しい。ただし八角入りなので好みは分かれる。
「茶器を買いにいく」という友人らとともに、台北から電車で30分ほど行った、鶯歌という街へ。陶窯業が盛んな街で、台湾で茶器を手に入れるにはここが最適らしい。
街の中心部は、鶯歌駅から離れた場所にあるようで、地元の人に道を聞きながら、バスで中心地である「三峡老街」に向かう。昔の赤レンガの街並みが残る歴史的地区で、もとは日本統治時代に作られた通りを、補修しながら残っている様子。言われてみれば、日本の赤レンガ建築と似ているかもしれない。
街並みの入り口には、「清水厳祖師廟」なる廟があり、歴史的価値もありながら、特筆すべきはその細密な彫刻。建物のありとあらゆる場所に細かな装飾が施されており、各所にある狛犬たちも、全て表情が違うという、緻密さ。まるで美術館のようで、素晴らしい。
友人らも茶器を購入し、駅に向かうが、帰り道が不明。降りたバス停で乗ればよかったのに、もっと近いバス停があるんではないかと、適当に歩き始めたのが運のつき。地図すらろくに見ないで歩くとはいい度胸だと思う。
最終的には、地元の警察署で道を聞き(あちらもこちらもカタコトの英語で)、どうにか駅まで到着。地図と地元の人の意見は大事。
慌ただしく帰国
台湾最後の食事は、鶏飯。雛家荘なるお店は、日本人旅行者には有名のようで、店内は日本人で溢れていた。
鶏飯そのものは、美味しいものの、ちょっと骨っぽくて食べづらい。
夕食後、皆でマッサージを受ける。予想よりも綺麗で居心地のよいところで、痛さと気持ちよさのはざまでちょうどいい。友人らは即寝。
マッサージが終わった時点で23時ごろ。友人の帰国便は1:30。大慌てでシャワーを浴びて荷物を持って出て行った。その後、2時間ほど寝て、自分も出発。なんだか慌ただしすぎて旅の思い出に浸る余裕もない。
帰国の便は、3日前に入国したときとはうってかわって、手慣れたのもの。分かった風な顔でセルフチェックインを済ませ、落ち着いて搭乗。そして機内でも熟睡できるほどの余裕っぷりは、たった数日でも初海外を通して得た経験のたまものだ。
が、自宅に着いたとき、初海外出発前の自分のやらかしに気が付く。
部屋の電気がつけっぱなし。
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