そのスジ|甘楽2019
楽山園 織田信雄
群馬県甘楽町に、楽山園という庭園がある。そこまで知名度があるわけではないが、関東内で比較的気軽に行けるので、庭園好きな友人らと訪れた。
楽山園、広々していて最高。
江戸時代初期の回遊式庭園で、広大な池を中心に、大小様々ないろは石を配置しているほか、背後の山々を借景として取り入れている。
池あり、石あり、借景あり、茶室ありという、パーフェクト回遊式庭園である。これには庭園好きな友人もニッコリ。
作庭したのは、織田信長の次男である織田信雄。歴史的にはあまりパッとしない、というよりもむしろ、戦国大名としての才がまるでないイメージが強かったが、こうした作庭や能などには才能があったようだ。戦国大名としてはパッとしなかったが、江戸時代に入っても大名として続いたのは、織田家の中でも織田信雄の家系のみなので、歴史とは分からない。
なおこの楽山園、今もなお発掘調査も続けられながら、江戸時代当初の姿への復元も進められているらしい。これには織田信雄もニッコリ。
鉢形城 そのスジ
楽山園をたっぷり堪能した僕らは、帰路の途中、山田うどんで昼食をとる。埼玉県を中心に展開するうどんチェーンで、埼玉県民にとってのソウルフードといってもいい。
大学のとき、埼玉県に住んでいたため、何度も通ったことのある山田うどんである。美味いとか美味くないとか、そういうことではない味に、埼玉県っぽさがあって、大変よい。
山田うどんで満ち足りた気持ちになったのち、寄居町にある鉢形城へと訪れる。こちらも知名度はないものの、歴史好きの友人によると、そのスジでは有名、とのこと。そのスジとは何者だ。
そんな鉢形城であるが、上杉氏と北条氏の取ったり取られたり、という、幾度となくその攻撃に耐えた城とのこと。戦国時代真っ只中の城ではあるが、遺構が多く残されており、土塁、空堀、曲輪跡が残るほか、大手門などが復元されている。これには歴史好きの友人もニッコリ。
一通りぐるりと見て回ると、地元の人らしき、白髪のおじ様に声をかけられる。どこから来たのか?という質問に始まり、鉢形城の遺構の素晴らしさと、地域のイベント情報などをコンコンと語られる。
鉢形城の遺構の説明は、歴史好きの友人にかなり説明を聞いていたので、このおじ様から新しい情報はなかったが、その圧と鉢形城+地元愛はだいぶ伝わってきた。
友人のいう、そのスジとは、地元のおじ様のことだった。
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