X偽アカウント、ドル換算の資産推移、ピャオシャン広尾店 / 投資家の日常は、いとをかし。 #9 2024年5月 前編 テキスト版
以下はこちらのポッドキャストを文字起こししたものです。
いつもAIに音声を聞かせてテキスト化したものを修正して公開しています。1年ほど前から要約機能も試していましたが、これまではイマイチでした。しかし今月、急に精度があがったような気がします。というわけで今回はまず、AI要約に何も手を加えず、そのままご紹介します。
renny:ポッドキャスト「投資家の日常は、いとをかし」の2024年5月号です。このポッドキャストは、投資家歴20年超の僕rennyと、個別株中心に投資をされて僕よりもキャリアの長い投資家の吉田さんと2人で、投資家として「をかし」と感じたことをお話していきます。今月1つ目の話題は、吉田さんがトラブルに巻き込まれているのことで…
偽のXアカウントとの戦い
吉田:X、旧Twitterに私の偽物がどんどん出てきて、モグラ叩きをしているような状態で、潰したらまた出てくるみたいな。
renny:そういう事例は他の知り合いの方でも、そういう偽のアカウントから妙なページに誘導することが起きていると聞いていますが、吉田さんもその被害に遭われたってことなんですね。
吉田:被害なのか何なのか…
renny:いやでも被害でしょう。吉田さんが挙げられてた偽アカウントを見ましたけど、吉田さんの写真が思い切りアイコンに使われてて、吉田さんご自身のアカウントはペンギンですよね。
吉田:ですね。この手のものはすべてペンギンで揃えてるので。
renny:だからまったく身に覚えがなかったってことですよね。
吉田:インターネット上に掲載されているインタビュー記事の写真とかプロフィールを盗用してきて、アカウントを作り、プロフィールの文章は長期投資とかって書いてあるのに、今日の暴騰銘柄予想みたいなポストを連発して、デイトレーダー情報みたいな感じなんですよね。
renny:お気づきになったのは何がきっかけだったんですか?
吉田:自分のアカウントが分からなくなってGoogleで検索したんですよ。あったあったと思ったら、なんか顔写真付きの全然違うのが出てきて…
renny:最初に見たときは唖然としますよね。世にも不思議な物語的な。
吉田:そうですね。これはなんだろう?と思って今度はXの検索窓で自分の名前で検索したら、もう1個別のも出てきて…
renny:増殖してるわけですねクローンが。
吉田:そうなんですよ。それ以来、自分の名前を検索するのが習慣になってしまって。また現れた!と潰さないと、という繰り返しです。
renny:Facebookでも著名人の方が自分の写真を使われて、詐欺の被害がすごい金額になってます、みたいなことを聞いたりするんですけど、その流れとしては同じような話なんですよね。
吉田:そうですね。まれに「先生が投資を教えてあげます」みたいな、LINEの方に誘導するポストをはさんでいて、そっちに行ったら詐欺にあうようになってるんだろうな。
renny:今はどういう対策をされているんですか。吉田さんのブログの方では一番上に注意喚起の記事を貼ってらっしゃいますよね。
吉田:そのほかにたまにXで自分の名前を検索して出てきたら通報するぐらいですね。通報のときにXの運営に免許証の写真を送ったりするのが面倒ですね。そうすると2,3日後に凍結される感じです。
renny:まさにこれぞイタチごっこっですよね。野放しにしておくわけにもいかないし。
吉田:諦めてくれるまでモグラを叩き続けるっていう感じですね。今のところは私自身も面白がっているところもありますが。
renny:ちょっと「をかし」と言っていいものかどうかというのもありますが、これをやる人たちは割に合うと思ってるんですかね。
吉田:たぶんそうでしょうね。
renny:僕がよく見かけるのはXですけれど、FacebookやYouTubeでも、どうかと思う広告も多かったりして、広告に依存するビジネスモデルがかなりしんどいところに来てるんじゃないかな、というふうなことは感じますけどね。
吉田:そうですね。メディアとしての信頼性がなくなっているのが明らかな事例なので。
renny:さっきのお話だとまた新しいクローンが出現しているそうで。
吉田:今、四つ目の偽物を叩きに行ったところですね。
renny:いやあ、だからXを続けるのはどうなのかなとかって思ったりもするし、でもなんかやめられないし、っていうかそもそも吉田さんはXをアクティブに使われてたわけじゃないですよね。
吉田:ほとんど使ってなくて、確か東日本大震災のときにサーバーが落ちなかったから、災害用に一応アカウントは持っておこうかなぐらいの感覚なんです。
renny:なるほど。そういう偽アカウントが出てくる人って、結構アクティブに活動されてる人に見受けられるのに不思議ですよね。平穏な日々が訪れることをお祈りしています。
資産推移を米ドル換算すると
renny:続いての話題は円安について。1ドル160円近くまで行って、その後、財務省の介入が入った入らないとかっていうような話もあって、少し落ち着きましたが、その後もじりじりまた円安になってるような感じがしますね。為替の話はここ何ヶ月かお話していますが、吉田さんが改めてお感じになったことがあるんですよね。
吉田:資産の総額を毎月月末時点で、日本円で集計してるんですけど、何となく実際の投資の成果とその資産の増え方が実感と合わないなっていうのが、もう今年に入ってから特に強くなってきて。これはどうしたらいいかなと思って、円じゃなくて、ドル建てにしてみたら、どういう推移をしてるのか見てみようと思って。毎月末の為替レートでドル建てにしてみたら衝撃なんですよ。
renny:そのとき資産の時価はご覧になってると思うんですけど、例えば取得コストはどういう風に計算されてるんですか?
吉田:そこはまったく見ていません。5年間だけ振り返ったんですけど、日本円で見るとどんどん増えている状態なんですけど、ドル建てにしたら5年で8%ぐらいしか増えてない。
renny:為替要因がすごく大きいってことですね。
吉田:日本円の資産が大きく目減りしちゃってる感じです。
renny:僕も吉田さんがそういうことをおっしゃってたのを見て、為替の月末のレート引っ張ってきて計算しようと思ったときに、一応毎月いくら突っ込んだか分かるので、それもレートを当てはめて計算してみようかなとかっていうようなことをやって、まだエクセルに取り込んだだけなんですけれども、僕のこれまで20年近く投資の元本からいくと、日本円で2.4倍ぐらいになってるんですよね。でもドル建てで計算してみると、2倍いってないみたいな感じになってて、だから為替の要因ってすごく大きいんだなという印象を僕も持ちましたね。
吉田:老後2000万問題みたいなのあるじゃないですか。だからあれもドルで考えないといけないんじゃないかな。
renny:そうですよね。僕も自分のやつを計算してみて思ったのは、積立投資は円で買ってるもんですから、ドルベースに直すとですね、何年か前に買ってたのよりも、日本円では同じ額でも、ドルだと全然少ない金額しか投資してなかったことになって、もっと金額を増やさなきゃいかんのかなと思ったりもして。肌感覚としては円建てで見た気持ち悪い増え方よりも、なんかドルに換算した方が何となくしっくりくるかな、という感覚は僕も持ったんですよね。
吉田:そうですね。円とドルの差があまりに開いてるので、ちょっとこれは異常な状況なのかなっていうのがあって、ワニが口開いたみたいになってるのは最終的に閉じられていくんじゃないかな。
renny:いやあ、でも今は、影響度はどのぐらいか分からないですが、毎月何千億円っていうお金がアメリカのS&Pやオールカントリーを買い増すために、円が売られ、ドルを買ってる現象を日本人自らやりまくっているから…
吉田:でも個人が動いたときがピークっていうのはありがちな展開でもあるので。ただ大きな円高になるような要素は今のところなんですよね。
renny:ですよね。円安トレンドは変わらなそうなので、それでますます日本の物価が値上がりするんじゃないか、っていうような懸念はありますね。
吉田:そうですね。
renny:そろそろ3月期の決算発表が落ち着きを見せた感じですが、吉田さんが投資されている会社の決算で、これはと思うようなことってありました?
吉田:特になかったですね。強いて言うなら、今朝発表されたNVIDIAの決算また前期比何倍みたいなことを言ってて、いつまで続くんだろうと。
renny:NVIDIAをお持ちなんですよね。
吉田:もう6年くらいになるかな。
renny:僕もこのポッドキャストで紹介したこともある、ベイリーギフォードのロイヤルマイルってファンドが、NVIDIAをたくさん持っているので、期待が剥がれ落ちたときに、株価がどういう反応するのか気になりますよね。
ピャオシャン広尾店で伝統的な四川料理を初体験
renny:続いての「をかし」は、吉田さんの得意分野でもあるグルメパートで、今日もご紹介してくださるお店があるとお聞きしていますが。、
吉田:今日紹介したいのは、広尾の四川料理の「ピャオシャン」です。
renny:それって初めて訪問されたんですか。
吉田:広尾店は初めてで、移転前は麻布十番にお店があって、そこには何度も行ってました。麻布十番の時は四川料理って一般的なイメージ通りの料理だったんですが、広尾に移るにあたって大きく変えた点が2つ。1つはシェフの井桁さんが一人ですべての料理を作ること、もう一つは井桁さんが伝統四川料理の継承者の称号を中国で得たので、料理がガラッと変わったこと。私たちがイメージする四川料理とはまったく違う料理になっていたんです。唐辛子が伝わる前の四川料理なのか、そのあたりは詳しくわからないのですが。
renny:四川と言えば三国志の蜀の国ですよね。そこの料理は伝統的にはあんなに赤くなかったってことなんですね。
吉田:それと伝統料理の継承者として認定された日本人は、今までに2人しかいないとか。
renny:へえそうなんですね。
吉田:だからメニューを見ても想像がつかないし、出てきた料理を見ても味が想像できないけど、すごい美味しい食べたことのない料理。
renny:それは食材自体も四川特有なのか、それとも日本で普通にあるようなものを使って、味付けで違いが出ているのかそのあたりってどうなんですか?
吉田:調味料は中国から持ってきてるけれども、食材は日本のものが多かったんじゃないかな。ツバメの巣とかはたぶん中国かな。
renny:でもツバメの巣と聞くとたしかに四川ぽい感じがしないですね。一番印象に残った料理ってどういうものがありましたか?
吉田:どれが一番とかあげられない驚きの連続だったので…
renny:イメージをもう全然覆すというか、想像とかけ離れてた感じですか。
吉田:そうですね。あとこのお店の面白いところがもう一つあって、サービス担当の女性で熊谷さんっていう方がいらっしゃるんですけど、この人がすごいんですよ。シェフの料理を心から愛していて、シェフは研究者肌でしゃべるのが苦手な様子で、シェフが伝えられないことを、熊谷さんが伝えてくれている。どんなお店でもスタッフの方が料理について丁寧に教えてくれるものですが、熊谷さんを超える方に私は出会ったことがないです。その仕事ぶりを見るためだけでも、このお店を訪れる価値があります。
renny:料理の説明とかも含めてすごいっていうことなんですか。
吉田:そうですね。シェフの料理に対する愛の溢れた説明みたいなところかな。はじめは10年ぐらい前に麻布十番のお店に予約もせずにランチをいただいてたんですが、2,3回目には顔を覚えてくれて。そんな予約もしてないで客の顔を覚えるのはすごいなぁと。
renny:接客のプロってことなんですね。
吉田:元々は全然違う仕事をしていて、お店で食事をしたのをきっかけに転職したっていう人なんです。本当にシェフの料理に惚れたのがきっかけで、この業界に入られた方なんですよね。
renny:たとえばシェフが作家さんだとすれば、何か凄腕の編集者みたいな感じの人が熊谷さんなのかな。その組み合わせがお店の価値を高めるっていうことになってるんでしょうね。冒頭のご紹介に戻ると、麻布十番時代は普通に赤い四川料理だったということですよね。
吉田:そうですね。ランチで坦々麺とか食べてました。
renny:今は普通の四川料理というか、いわゆる僕らが知ってる四川料理は、もう作られないっていうような感じなんですか。
吉田:井桁シェフは作っていなくて、以前お店で一緒に働いていた料理人の方が、同じお店の名前で六本木ヒルズと、あと代々木上原、銀座三越の3店舗で普通の四川料理を作っています。
renny:吉田さんと今まで美食のお話をしていて、天ぷらやフレンチの話が記憶に残ってるんですけど、中華も召し上がるんですか。
吉田:そうですね。今は料理の鉄人とかで有名だった脇屋シェフの新しいお店にも行ってみたいです。
renny:こないだブログに脇屋さんのお話書かれてましたよね。
吉田:はい。脇屋さんは去年の年末に今までの大きな店ではなく、カウンターだけのお店を開いて、自らお客さんのそばで料理を振る舞うっていう形のお店をはじめたんです。大きめのお店で成功した料理人の方が、最後にお客さんとの距離の近いところで料理を提供する、っていうのが今、流行ってるようなイメージがあります。
renny:無理やり投資とかファンドの話に持っていくと、ファンドマネージャーが直接もう説明しちゃうっていうパターンもある一方で、さっきのピャオシャンの熊谷さんのケースみたいに、ファンドマネージャーは奥にいるけれども、伝えることを専門にされてる方が伝えるとかっていうような形もあるんでしょうけど、食べる側の味の理解には必要なんだろうな。吉田さんの美食の世界だと、説明なしに料理が提供されることは基本考えられないというか、あり得ない話ですよね。
吉田:ありえないですね。
renny:だからそういう意味で、また行ってみようと思わせる源泉、お店の価値の源泉というようなことになるんでしょうね。
吉田:そうですね。脳科学的にもリピーターが増やすにはそういうふうにしないといけない、みたいな話を本で読んだりもしました。
renny:今月は想像もつかない四川料理のお話をお聞きしたんですけれども、来月も新しいお店の訪問は予定されてるんですか?
吉田:いちおう一軒、新しい店が予定に入っています。
renny:なるほど。また来月お話をお聞きできたらなと思います。
後編へ続く
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