「最高レベル」受ける?受けない?
はじめに
塾の新年度がスタートして3ヶ月がたちました。五年生にとっては、「難度が上昇して、ひととおりテストを受けてきた」時期でしょうし、六年生にとっては夏休みの講座選択が視野に入ってくる時期でしょう。
ピクセルスタディにもいろいろなご相談が寄せられていましたので、それを紹介しつつ夏への準備についてお話ししようと思います。
算数を固めるということ
算数を固めるというのは主に二つの要素があります。
まずなんといっても、「基礎が固まっていない」という点でしょう。「基礎が固まっていない」と判断されるのは、テストにおいて「計算エリア」と「小問エリア」の正答率が低いということであります。
ここを「ミスをする」と結論づけて、単なる精神論におとしこむと危険です(私自身は「ミス」という言い方を好みません。)。計算エリアと小問エリアは算数の基本処理を体得できていないということに他ならないので、難度の高いエリアにかかる時間を減らして、基本処理を体得する時間にあてるべきです。
かつて、「最高レベル」の問題を演習する講座ができないということで、日曜日に8時間かけてその講座の解説を個人的に受けている、という生徒さんがいましたが、かなり無意味だと思います。ちなみに受験結果は思った通りのものになりませんでした。
その8時間をちがうことにあてていたら、そうはならなかったであろうと思います。
これは関西限定かもしれませんが、講座の宿題にかかる時間は1時間30分から2時間ですので、それを大幅に超えるようなら、その講座の受講はストップした方がいいと思うのです。
夏に向けて、自分にとって解法が見える程度の問題を数多く(1回で、スピードを上げて)こなして固めることをおすすめします。
計算・小問エリアが時間内に精度よく処理できなるなら、次は高難度エリアですが、そこが全くとれないなら「暗記」の時期なのかもしれません。本質論は「理解」なのでしょうが、まずは解説に書かれた解法を正確にトレースできるようになることを目指しましょう。正解を赤で写して終わりになっているかもしれませんね。これだと、そういう高難度エリアの問題演習をしてくれる講座は受講を継続していいのですが、勉強の視点を変える必要はあります。(どう変えるのかは個人個人で異なりますので、指導側のスキルなんだと思います)
以上の点をふまえたあと、国語のオプション講座をどうするか問題に進んでいきます。
国語のオプション講座は趣旨がバラバラ
いろいろな塾のオプション講座をみていると、その趣旨が大きく異なることに気づきます。塾側がそれを意識していることもあれば「塾側が『高難度とは何か』を無意識でしかわかっていない」こともあります。
とにかく難度を上げていこうパターン
文章の難度を上げて、生徒の知識を増やしていこうという講座は、問題を解くことより、その文章の内容を「身につける」ことが必要です。ふだん扱っている文章の内容でも苦しんでいるのなら、ふだんの定常的な講座の文章レベル、あるいはそれよりちょい下のレベルを追加した方が成績を立て直せるチャンスは多いでしょう。
問題の解法と添削に力をいれているパターン
これはおもしろいケースで、文章はやや短く、そして難度も抑えられていて、問題の解法にこだわった講義をしているケースです。結果として定常講座より入門者向けになっていることがあります。塾にもいろいろ事情があるのです。
こういう講座はけっこういいのですが、ふだんの成績が伸び悩んでいるときはふだんの宿題のやり方を見直す方が先決でしょう。
国語は私の立場上、細かく書けばきりがないのですが、小5はそんな感じです。成績が低迷しているなと感じたら、難度を思い切って下げる決断が必要です。ただし、現在のスピードと正答率のまま難度を下げても意味がないので、そこは要注意です。
大原則は「一つの講座に時間をかけすぎない」です。
困ったら最寄りの信頼できる先生に相談してみてはいかがでしょうか。
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