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サッカーのダイナミックトレーニング3 〜毎週のダイナミックトレーニングのデザイン〜

Writer

坂本 圭

坂本さん

●経歴
・スペインサッカーコーチングライセンス・レベル3(S級相当)取得
・2016-2017:CF Badalona(2B)(バルセロナ近郊のクラブ)で試合分析を担当
・2018-2019:東京・清瀬VALIANT で指導
・2019年4-12月:FCバルセロナアカデミー品川大井町校

●SNS
note:https://note.com/sakamotokei68
Twitter:https://twitter.com/ideailista


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サッカーのダイナミックトレーニング3 〜毎週のダイナミックトレーニングのデザイン〜

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前回は、ダイナミックトレーニングには3つの柱があることを説明しました。


高強度のダイナミクス(アクション)
低強度のダイナミクス
高強度のダイナミクス(相互作用)

高強度のダイナミクス(アクション)にはパワー(筋力)、低強度のダイナミクスには持久力、高強度のダイナミクス(相互作用)にはスピードが内在されています。

しかしトレーニングをする時はそのことを忘れなければならないことにも言及しました。

高強度のダイナミクス(アクション)に内在されているパワー(筋力)トレーニングは試合を想定したものでなければなりません。そのトレーニングは障害予防にも効果があります。


低強度のダイナミクスに内在されている持久力の向上は、ゲームモデルや文脈(プレー状況)と切り離すことはできません。


高強度のダイナミクス(相互作用)にはスピードが内在されています。サッカーにおけるスピードの定義についてフランシスコ・セイルーロはこのように述べています:

少ない時間である一定の距離を走ることのできる選手ではなく、試合の中で起こる様々なプレー展開を最適な形で分析、実行、解決できる選手

プレーと無関係なスピードはサッカーにおいてのスピードではないのです。選手は個人でプレーをしているのではなく、プレーをする環境、チームメートや相手と相互作用をしてチームとしてプレーしています。

そのような相互作用することができるプレー状況を設定したトレーニングの中で選手のスピードは向上します。


毎週のダイナミックトレーニングのデザイン


チームにとって最も重要なことは、チームを組織化するための一連の原則であるゲームモデルを持つことである。そのため、私の関心は、トレーニングの初日からこのゲームモデルに向けられる。私たちのゲームモデルの特徴とトレーニングセッションの構造化の結果が、テクニック、フィジカル、メンタルに対して影響を与える。
                                         Mourinho, J.

戦術的ピリオダイゼーションを使ってトレーニングをしているモウリーニョは:

私たちのゲームモデルの特徴とトレーニングセッションの構造化の結果が、テクニック、フィジカル、メンタルに対して影響を与える。

と、このように述べています。

ダイナミックトレーニングの目的は、個人のパフォーマンスの最適化です。

ゲームモデルを構造化したトレーニングである戦術的ピリオダイゼーションのトレーニング理論をベースとしながらも、フランシスコ・セイルーロの構造化トレーニングの目的である個人のパフォーマンスの最適化をミックスしたものがダイナミックトレーニングとなっています。

よって、ダイナミックトレーニングでは、プレシーズンとシーズンの毎週のトレーニングのデザインを分けて考えます。

プレシーズンについては、フランシスコ・セイルーロの構造化トレーニングを用います。プレシーズンは、個人によりフォーカスした内容のトレーニングになります。

もちろん、プレシーズンにおいてもゲームモデルに則った内容にはなりますが、選手個人のパフォーマンスを最適化することを最重要視した内容のトレーニングになります。


プレシーズンが5週間あると仮定した場合、最初の4週間が構造化トレーニング、最後の週、5週目が戦術的ピリオダイゼーションをベースにしたダイナミックトレーニングになります。

なぜ、最後の週のトレーニングがダイナミックトレーニングになるかと言うと、最後の週は、その週末の試合に向けたトレーニングになるからです。

当然そこでは、トレーニング負荷やボリュームもシーズンと同じになるように設定します。


下の図は、ゲームモデルを中心とした毎週のトレーニングの考え方です。

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