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Sonett : Mehrabian's 55-38-7 percent law とリモートワークとコミュニケーション

心の詩シリーズ②です。メラビアンの法則をソネットにしました。これは、人間同士のコミュニケーションにおいて、表情と声色と述べられている言語的内容に一貫性が無い場合に、受け手はどこにウエイトを置いて理解しようとしたかを調査した結果、という割合が視覚55%、聴覚38%、言語7%だった、というものです。

LibreOfficedeで、直線、曲線、図形を組み合わせて描きました

よくある誤解

 日本では、人は、見た目と声色さえとりつくろえば簡単に騙す事が出来る、などと曲解される事がありますが、違います。

実際のところは

 あくまでもコミュニケーションにおいて、伝達に視覚、聴覚、言語がそれぞれどの位の影響を与えるかを様々な実験を通して計測した結果導き出されたものです。同じ伝達内容でも表情づけや抑揚の有無やニュアンスの演出などの組み合わせで、受け手はどの様に理解しようとするかを調べたのです。

そしてソネットへ

 筆者はこのメラビアンの法則をテーマにした英語ソネットを作りました。

 1行う七音節で書きました。シェークスピアなどではソネットの詩行は弱強五歩格で書きますが、筆者が七音節を使う理由は以下の2つです。
 ①筆者の英語力ではそんなに長い詩行を作るのは極めて困難
 ②七音節は日本語の語感とも親和性が高く筆者の個人的な好みだから

つらつら思うこと

 最初は心理ネタのソネットを書いてみようと思っただけですが、書いてるうちに色々と思うことがあったので書き留めておきます。

コミュニケーションの見直し

 テレワークが珍しくなくなった昨今、一部では顔が見えて声が聞こえるコミュニケーションへの渇望が高まってきている様に見受けられます。欧米と比べると、元々テレワークの普及率が低かった日本では、パンデミックが収束後は通常の勤務形態に戻す事を希望する人の割合が多く、その理由のひとつとして仲間達と分断された孤独感に対応しきれない事があるようです。
 コミュニケーションには視覚が命。でも見えてるだけじゃ不十分で、やっぱり手の届く距離にいないと、、、という思い、だから以前の状態に戻ろうとする希望が生まれるのでしょうか。

コミュニケーションは対面で

問題は前からあった

 しかし、筆者は必ずしもその様には思いません。コミュニケーション不全の問題は、テレワークをする前からあったのです。

コミュニケーションの輪に入るのが苦手な人

少し考えれば分かります。そもそも日本の会社や学校で、日本社会にあるコミュニティで、コミュニケーションが円滑に行われている、なんて話を筆者は全く聞いた事がありません。「ホンネと建前」「長い物には巻かれろ」「出る杭は打たれる」「真実や自分の考えより人目を優先」「表向き人と同じ事しかしたがらない」「事なかれ主義」などに代表され、見た目だけの調和と面従腹背を本質とする日本人的なメンタルを考えると、正確な情報の伝達、共有と相互理解を主眼とするまともなコミュニケーションが成立していたとはとうてい考えられません。
 それが何も改善されないままテレワークをする様になって、テレワークを表向きの問題の原因としてあげつらう事で、従来からあった自分たちが抱える問題を覆い隠しているにすぎない、と筆者は思っています。

ここからどこを目指すか

 むしろ、筆者はテレワークの有無に関係なく、自分たちが元々持っていた問題の本質を明らかにし、その解決策を検討するべきだと考えます。テレワークは環境なので、問題の本質を検討した結果、明確な解決さんが導き出されるので、その後に環境はどう整えるべきかについて検討するのが手順というものです。
 ですから、単に形式的に顔出しのオンライン会議を増やす、イベントを実施する等の施策を行っても、問題が解決する事はあり得ないでしょう。
 具体的に何をするか。これについてはそれこそ直面した現実の数だけ答えがあるので当事者でもない筆者があれこれ言えたものではありませんが、制度やしくみをどうにかすれば良いという物ではなく、一人ひとりが自分の立場で自分に出来る事に取り組み、前述した日本人的気質からくるコミュニケーション阻害の問題を自分レベルで改善していくしかありません。出来るか否かはわかりませんが。