ウズメは芸術家

違うことを認めるのって難しい。
例えば5人いたとして4人の人が青だったら、赤い人も青い服を着たりして一緒になろうとするんだろうな。

私は「夏」をテーマにした美術部のコンテストの中でただ一人雪だるまを描いた。これは冬だと言われたが、暑い日々に涼しさを憧れる人々の心の中には雪だるまがいると思うから、この作品のテーマは夏だ。

先生も認めてくれなかったが、これしか描かなかったから仕方がない出品させたという感じだ。
私は頑固。自分の感性を曲げたくないという思いが強すぎる。だって、その他大多数にはなりたくないんだもん。

本当はこの展覧会にも来るつもりがなかった。

「雪だるまいるのウケるw」
「夏に憧れてなのかな?」

否定される雪だるまくんは私自身だった。
スイカや風鈴、扇子...これはその他大多数の中に存在する異物。誰にも理解されない。

「いいよ。すごくいい。」
一人で呟いた。
誰も認めてくれなくたって、私だけは私の味方でいよう。
最初に描いた花火に雪を被らせた。
縁側も雪で埋めた。
周囲の価値観と私の価値観を同調させない。

きっといつか、私以外の誰かがいいねと言ってくれる。
そんな日を待ち望んで今日も私は絵を描く。
ピアノを引く石になった人...鳥に捕まれた空から見る蛙の景色...テーマは「自由」

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